コロナウイルスの新規感染者が日々発表され、ウイルスによる被害状況が報道されていますが、そんなデータには現れないコロナウイルスによる被害があります。
それは、コロナウイルスの拡大に伴い、外出が出来なくなったり、人と会うことができなくなることによる、気分の落ち込み、寂しさといった感情を持つ人たちの「心のダメージ」です。
特に年配の人や基礎疾患を持っている人は、感染に対して神経質になりますから、より慎重な行動を取るようになります。外出を控えることで、運動不足になり、人と会って話ができないストレスから、アルコールに依存したり、精神的に不安定になったりしてしまいます。
また、コンサートや演劇のようなエンターテインメントの興行も、次々と中止・延期になり、息抜きの娯楽も減ってしまいました。
更に、コロナウイルスが仕事に影響して、収入が減ってしまったり、仕事自体が無くなってしまうといった経済的な打撃があると、精神的に大きなストレスとなります。
このような「心のダメージ」は報道されることはあっても、定量化することは簡単ではありません。
しかし、現状の日本国内の感染状況を見ると、コロナウイルスに感染して受ける体のダメージよりも、感染対策によって普段の生活パターンが変わったことで受ける心のダメージの方が、圧倒的に大きくなっているように思います。
未だに、感染よりも感染による風評被害を恐れている企業も多く、メディアの報道も感染防止にバイアスがかかっています。
コロナウイルスへの対応は、ウイルス感染の根絶を目標にするのではなく、ウイルスによる直接・関節の社会へのダメージを出来るだけ抑えていくという視点が必要だと思います。
編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年11月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。
文・内藤忍/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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