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■マイペースでトレーニング派・冨永さんの場合
■世界選手権に出場した本格派・後藤さんの場合
30〜50代の世代にはトライアスロンを楽しむ人もいる。トライアスロンは競技がハードなうえ、オフシーズンからオンシーズンへの切り替えがある。本気で挑むために、短期間でどのように体を仕上げているのだろうか?
春になってダイエットに取り組む参考のためにも、同世代のトライアスロン愛好家2人に話を聞いた。
■マイペースでトレーニング派・冨永さんの場合
40代の冨永悟司さんのトライアスロン歴は13年。60人の仲間を集めてキャプテンとしてトライアスロンチームを率いている。これまで、最も長い距離を完走するアイアンマンディスタンス(スイム3.8km・バイク180km・ラン42.195km)に5回出場したこともあるが、ここ数年はオリンピックディスタンス(スイム1.5km・バイク40km・ラン10km)を中心に出場。タイムを競うよりも、完走を目指してマイペースに年に2、3レースに出場している。オフシーズンとオンシーズンで体はどのように変化しているのだろうか?
「レースのない11月頃から3月頃がオフシーズンになります。その時期も、週2回は朝10kmを1km6分ペースで走っています。春になると2ヶ月くらいで体重を絞っていて、冬の間は体重80kgくらいですが、大会が近づくとベスト体重の75kgに近づくように。自然と5kgくらい減量しています」
2ヶ月で5kgの減量とはすごい。その秘訣となる春からのトレーニングと食事内容について、教えてもらった。
「週2回の10kmランに加えて、週1回1000mのスイム、週末に50kmの自転車を取り入れるようにしています。あとは食事制限ですね。食事で一番変えるのは大盛りをやめること(笑)。食事内容は朝食を抜いた1日2食にして、昼はあまり気にせず、夜は炭水化物を控えめにしています。でも、お酒は好きなのでレース直前以外は飲んでいます」
競技種目の3種類のトレーニングを行って、無理のない範囲で食事制限がなされていた。逆に、筋トレなどはやってはいないそうだ。一般の人も取り入れるのにおすすめの方法を聞いてみた。
「トレーニングが続けられる理由は、3種類をやっているから。晴れていれば走れるし、雨ならプールに行けばいい。気分でも選べますよね。それぞれの種目で体につく筋肉が違うので、トータルでかっこいい体になれるメリットもあります。ただ、もし1つだけやるなら、ロードバイクがおすすめです。軽快に走れて気持ちいいですし、太ももの大きい筋肉を使うので基礎代謝も上がります。軽いギアで有酸素運動からやってみたり、通勤を自転車にするだけでも変わってくると思います。僕ら世代で仕事がデスクワークだと、動かないからストレスも溜まりやすい。適度に運動習慣を取り入れることは、体調に敏感になれるチャンスでもあります」
■世界選手権に出場した本格派・後藤さんの場合
40代の後藤啓介さんは、2013年にレースデビューした9年目のトライアスロン愛好家。オリンピックディスタンスをはじめ、アイアンマンディスタンスやその中間距離のレースにも出場。国内レースでの年齢別優勝経験もあり、ポイントを稼いで年齢別の日本代表として世界選手権に出場したこともある。
後藤さんの場合、冬の間はマラソン大会に出場し、それ以外はトライアスロン大会に出場するため、明確なオフシーズンはない。それでも、トライアスロン大会に出場する春からは、トレーニングや食事内容も変わってくると言う。
「冬の間はランが中心ですが、春以降はバイクやスイムもやります。1週間のルーティーンが決まっていて、スイムは週4日で合計1万2,000m、バイクは週2日で1回に50〜80km、その合間にランのインターバルや10kmジョグを入れる感じです。必ず週に1日はオフになるように設定していて、ヨガやピラティスも取り入れています。食事内容はほとんど変化がありませんが、朝からトレーニングするので、自然とお酒の量が減りますね」
お酒が好きな後藤さんは、オフシーズンは自宅でもお酒を楽しみ、外で飲むときには好きな量を飲むようにしているそう。そのため、オンシーズンは酒量の減少とトレーニングの効果で、体重が4〜5kg減っていくそうだ。それにしても、後藤さんは会社で働くビジネスマン。忙しい仕事の合間にどうやってトレーニング時間を確保しているのだろうか?
「スイムは朝6時から2時間、プールで泳ぐようにしています。そうすると、8時には終わるので、9時には通常どおり出社できますよね。同じトレーニングチームのメンバーもほとんどが同世代の会社員ですが、プールからスーツに着替えて出社しています。朝の時間を利用するのは、時間が確保しやすいですし、働いている人にはおすすめです。また朝に運動すると、その日の脂肪を燃やすスイッチが入る。日頃より代謝が上がると思います」
ハードにトレーニングするのは無理でも、朝運動を取り入れるのはできそうだ。ほかに、おすすめの運動習慣についても教えてもらった。
「僕自身、12月からマラソンの練習をし始めるときに取り入れているのが、ロング・スロー・ディスタンスという長くゆっくり距離を走る方法です。僕ら世代の男性は、心拍数110〜120くらいの心拍ゾーンの運動を続けるのが、脂肪燃焼効果が高いといわれています。そこにスピードはいらないので、1km6〜7分で走るジョギングを1時間くらい続けるのがいいと思います」
さらにダイエットの極意となる考え方として、こんなアドバイスも。
「基本的に痩せることを目標にしない方がいいと思います。ダイエットを目標にすると、終わった途端にリバウンドしてしまう。そうではなくてボディメイクの感覚を持つのがおすすめです。ボディメイクは決してボディビルダーになることではなく、自分のなりたい体型を目指してトレーニングすること。体のかたちが変わってイメージに近づくと、とてもうれしいものです。なりたい体になることをゴールにすると、モチベーションも続くし、結果的にダイエットにもなると思います」
今回、トライアスロン愛好家のトレーニングからダイエットに役立つ知識を聞いたが、2人とも体重や体脂肪自体はさほど気にしていないようだ。それよりも、ボディメイクやスポーツのモチベーションを高めた方が効果につながりそうだ。彼らのマインドも取り入れてトレーニングしてみてはいかがだろうか。
取材・文:岡本のぞみ(verb)
提供元・男の隠れ家デジタル
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