3月2日に熊本の川辺川で本流ヤマメ狙い、渓流釣りを満喫してきた。当日は強風に苦戦が強いられたが、ひとつのポイントで10尾連発もあった解禁釣行をレポートする。
川辺川でヤマメ狙い
半年ぶりの渓流釣りを満喫した。よく語られるが、渓流釣り師の年明けは3月1日だといわれている。つい「明けましておめでとう!」と笑顔であいさつをかわしてしまうものだ。すでに前日には解禁となっている。ただ解禁日は雨による天候の崩れで釣り人もまばらだったと聞く。
3月2日早朝、釣友の植田さんとともに五家荘(ごかのしょう)の釣り場に着いた。ここのエリアは激戦区であり、よく他県ナンバーも目にする場所。
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釣果の有無は別として、とりあえず渓流でサオを出したい。2人上下流に手分けして入渓。まずは、今季も安全に渓流釣りができるように安全祈願で手を合わせる。
当日の仕掛け
午前7時前に実釣を開始。仕掛けは、サオ7m、天上イト0.3号、水中イトが渓極0.2号、オモリG3~B、ハリがカッパ極スーパーライト5号、エサはキンパク。
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昨年は、球磨川水害直後ということもあり、解禁直後の川辺川では釣りをしていない。久しぶりに川辺に降り立つと、砂利で淵も埋まり、変わり果てた渓相に唖然(あぜん)とする。が、ヤマメ放流の盛んで生育環境の適した五家荘。期待を胸に、深みのある淵の緩い流れに仕掛け投入。何度か仕掛けを入れるも反応なし。例年よりも魚影が薄いのは確かだろう。
初物本命ヤマメとご対面
今度は一段オモリを重くし、G1で再度ドリフトさせる。すると、ツンと目印が揺らいだ。確かにヤマメはいる。今度はキンパク2匹掛けで目先を変えながら同じ筋を流してみる。すると、目印が流れ方向とは逆行し、止まりだした。ヤマメのアタリだ。安心して食べてくれているとみてタイミングを見計らい遅アワセを入れる。
よし乗った。水面下ではギラリと魚体が反転し、小気味よい引き込みをみせてくれる。浮き引き寄せたところでタモを差し伸べてすくい取った。21cmのサビのないきれいな本命ヤマメ。半年ぶりにヤマメとのご対面。初物のパーマークの美しい魚体を眺め、渓流解禁をかみしめながら華やいだ気分になった。
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良型ヤマメ連発
遡行を続けていくと、今度は岩盤沿いによく掘れた淵が現れた。低水温で活性が低いとみて、リスキーな立ち位置になるものの、ヤマメ定位ポイントよりも上流側に私が立ち、ドラグドリフト気味で、じっくりと魚にエサを見せながら仕掛けを流す。すると、明確な花が咲くアタリがでた。聞きアワセでサオを立てるとしっかりとフッキングしてくれた。
十分に泳がせながら浮かしたところを取り込む。23cmの良型ヤマメであった。その直後も22cmのヤマメを連発。
昨日、解禁の情報では、数は出ないものの良型ぞろい……そんな嬉しい情報を得ていた。本当にその通りであり、解禁当初からアベレージサイズが20cmオーバー揃いとは本当に嬉しいものだ。
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29cm良型ヤマメ登場
意気揚々と次なるポイントへ。ブッツケの水深のある大淵ポイント。越冬したヤマメが多くストックされていることだろう。すでに多くの釣り師の足跡も確認できた。
仕掛けをチェックし、オモリG1で仕掛けを流す。数投流したのちに重量感ある重いアタリがでた。アワセはサオを立ててハリを立てる。よく手首で返すアワセをするが、仕掛けイトがサオ尻と同じで、かつ長竿仕様の場合は手首を返し止めるのではなく、真上に突き上げるような感覚でアワセた方がフッキングしやすいと感じている。
この獲物も、しっかりとハリ掛かりしている。深い川底へローリングしながら潜り込む引きは良型ヤマメに間違いない。8の字にやり取りしながら魚を浮かした。水面下では黄金色に見えたので一瞬イワナかと思った。
しかし、反転した際にパーマークの魚体が確認でき、良型ヤマメと確信。よく空気を吸わせて弱らせたところをタモですくった。メジャーを当てると29cmの尺に迫る良型ヤマメだった。しかも、魚体は、赤みが差し息を飲む紅ヤマメであった。
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10時までの約3時間の釣りで、20cmクラスを中心に18~29cmを16尾揃えることができ上々の滑り出しとなった。
五木村の本流でサオ出し
移動を挟み、午後からは五木村の本流域でサオを出すことにした。
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ただ、釣法関係なく、釣り人が入れ代わり立ち代わり入渓している。もう慌ててもキリがない。釣り仲間と折り畳みベンチを広げ、道の駅で仕入れた手作り弁当でランチタイム。食後のコーヒーとデザートで晴れ渡った早春の河原で深呼吸しながらのんびりと過ごした。
さて、入渓し実釣してみることにする。しかし、時折突風が吹き始め、仕掛けがなびき釣りどころではなくなった。なんとか仕掛けを投入できても、仕掛けが踊り、まったく自然にドリフトすることができない。
27cm本流ヤマメキャッチ!
これではお手上げ状態。1時間30分程度、我慢の釣りが続いた。しばらくすると次第に強風がやみ始めた。それと同時に、本流流れ込みの大淵では、水面に幾多のライズが起きた。フライフィッシングではゴールデンタイムだろう。
ただ、エサ師の私も同様にチャンスと感じている。どうやら、ヤマメも定位を下層から中層に変えて泳ぎ、表層に注目している。
こんな時にヤマメは底波だからと固定観念をもってしまうとボウズを食らう。オモリG3でエサとオモリの間隔を通常よりも倍以上に取った。ヤマメは、私たちが思う以上にオモリの存在に気づいていると思う場面に出会うからだ。
オモリと目印は矢引き程度で定位している中層をドリフトさせる。ライズが起きた場所よりやや上流へ投入し流していくと、待望のアタリがでた。やはり食った。聞きアワセにて掛ける。乗った。たまたま釣れたではなく、頭の中で攻略図を描き、狙った筋で食わせる戦略的な釣りも面白い。
これは良型の引き込み。辺りは大きな沈み石が多いので、なるべく中層でやり取りを行い、泳がせながらいなした。タモに招き入れたのは27cmのやや銀毛した本流ヤマメ。越冬中もエサが豊富だったのかお腹もパンパンしている肥満体形。
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ひとつのポイントで10尾連発
なおも多方面からライズが現れる。場荒れを防ぐために手前から掛けていきたい。先ほどと同じ要領で流すと、またもや目印が止まり、アタった。
引き味から先ほどよりも大きいと判断。獲物が引き込めばテンションを戻し、止まれば根元からサオを絞る要領でやり取りを繰り返した。手中に収めたのは、解禁早々から納得の28cmの本流ヤマメ。その後も連発が続き、ひとつのポイントで10尾を連発させた。
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強風に苦戦が強いられていた植田さんも24cmの本流ヤマメをゲットし、ご満悦の表情を見せてくれた。ポイントが半減し、これでも釣果も半減してしまったが、十二分過ぎる解禁釣行であった。今年もヤマメ釣りの醍醐(だいご)味をお伝えしていきたい。
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<週刊つりニュース西部版APC・津曲隼丞/TSURINEWS編>
提供元・TSURINEWS
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