アマモの水質浄化能力

浅い場所に群生するアマモは、波に対し障害物となって水流を和らげたり、大きな魚介類が入り込みにくい環境を作り出します。そのためアマモの群生する「アマモ場」は、小魚や小動物にとって非常に大切な、生態系を支える場所となっています。そのためアマモの生息地を増やすことは、海洋資源の増加につながるのです。

さらにアマモは窒素やリンなどの有機物を盛んに吸収するため、水質浄化能力が高い植物であるとされます。そこに加えて、最近とくに注目されているのが「ブルーカーボン」としての役割です。

水草「アマモ」が『ブルーカーボン』運動を促進? 待機中のCO2も吸収
アマモの中に生息するアミメハギ(提供:PhotoAC)(画像=『TSURINEWS』より 引用)

ブルーカーボンとは、海洋生物によるCO2の貯留機能のこと。ブルーカーボンのうち最大のものは、マングローブ林や塩性湿地、海草藻場などの沿岸浅海域の生態系であると言われ、これらが貯留する炭素の量は海洋全体が年間に貯留する量の8割近くにも上ります。

アマモは海中に生息して海水内のCO2を吸収するのに加え、潮が引い水草「アマモ」が『ブルーカーボン』運動を促進? 待機中のCO2も吸収て植物体が海面上に露出した際には大気中のCO2も直接吸収していることが最近判明しました。そのためブルーカーボンに着目する上では欠かせない存在なのです。アマモを殖やし、アマモ場を回復させることは、温暖化をストップするために非常に重要なことであるといえるのです。

<脇本 哲朗/サカナ研究所>

提供元・TSURINEWS

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