釣って楽しい食べておいしい。そんなハタ科の魚を釣り上げると高確率で寄生しているイカリムシ。食べても人体に影響はないが、ちょっと気持ち悪い!そんなイカリムシの生態を観察!
イカリ虫との遭遇
ロックフィッシュゲームで衝撃の魚に遭遇しました。ガツンというアタリから根に潜られないように強引にやり取りし、上がってきたのは不思議なものが沢山付いているオオモンハタでした。
その後ヒットしたアカハタにも付いていました。釣り上げた喜びも一瞬で、魚体を見て正直気持ち悪いという感情がムクムクと……。
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イカリムシの形状
調べてみると、イカリムシというハタ類に多く寄生している寄生虫ということが判明。よく見ると魚の表面に付着しているのではなく、魚体の中に突き刺さっていました。表面は黒く細長い棒のようで、釣れてすぐに引き抜いてみるとクネクネとした身の毛もよだつ見た目の先端部分が飛び出してきました。なかなかグロテスクで全身鳥肌が立ったのを覚えています。イカリ状の先端をしていて、これが名前の由来でもあるようです。
イカリ虫の取り方
魚の表面に付いたイカリ虫は取ることは可能ですが、千切れて先端部分が魚体の中に残ったり、取れても内出血のようになってしまいます。綺麗に引き抜くコツは釣れてすぐにプライヤーなどで真っ直ぐ引き抜くと取れやすいように感じました。
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イカリ虫はおいしくない?
食べても人体に影響はなく人間に寄生することもありません。過去に釣れたアカハタを刺し身で食べていて、誤ってイカリ虫を口にしてしまったことがあるのですが、ジャリジャリとした食感で味も香りもなにも感じませんでした。それよりもイカリ虫を食べてしまったことがショックで、今でも口にしてしまった時のジャリジャリとした食感をよく覚えています。
体表が綺麗でも三枚おろしにして皮を引いてみると、沢山のイカリ虫の先端が切り身に食い込んでいることがあります。正直この時点でこの個体を食べる気は無くなりますが、せっかく釣れてくれた魚なのでどうにかして食べようとイカリ虫を1匹ずつ取り除いて火を通しておいしく頂きました。強者なら見て見ぬ振りもできるのではないでしょうか?ジャリジャリとした食感を楽しんでみては…?笑
リリースも視野に
ハタ系の魚が釣れるとまずは体表をよくチェックして、寄生数が多い個体は積極的にリリースするようにしています。釣り場やシーズンにもよるのかもしれないですが、沢山付いている個体もいれば全く付いてない個体もいるので、釣り場で確認するのが持ち帰ってからの衝撃的な切り身を見なくて済む一番の方法です。沢山付いていると食べる部分も少なくなり1匹1匹除去する手間も増えます。何よりも見た目がとても悪く、好んで食べる方はいないのではないでしょうか?
ハタ系の魚は一度枯れると復活するまでにかなりの時間がかかると言われています。豊かな海を守るためにも寄生数の多い個体、小さい個体は積極的にリリースしていったほうがこれからの釣りを楽しむためにいいのかもしれません。
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<宮部愛美/TSURINEWSライター>
提供元・TSURINEWS
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