
浦和レッズの西野努テクニカルダイレクター(TD)は4日にブログを更新。今月2日開催の明治安田生命J1リーグ第6節・北海道コンサドーレ札幌戦の後半アディショナルタイムに起こった事象に言及した。
札幌ドームで行われた一戦では、前半30分に元スウェーデン代表MFダヴィド・モーベルグ(28)がPKを沈めて、浦和レッズが先制。しかし北海道コンサドーレ札幌も後半27分にMF金子拓郎(24)のゴールで同点に追いつくが、5分後にMF荒野拓馬(28)が一発退場。勝ち越しゴールを目指す浦和レッズが攻勢を強めていた。
その中で迎えた後半アディショナルタイム4分、金子拓郎がピッチに倒れ込んでいるのを見てGK菅野孝憲(37)がボールを外に蹴り出す。ピッチで選手が倒れたことによりプレーを止めた場合には、ボールを保持していたチームへボールを返すことがマナーとなっているが、浦和レッズはスローインからプレーを続行。これに北海道コンサドーレ札幌のミハイロ・ペトロヴィッチ監督が激怒し、浦和ベンチに詰め寄るなど一触即発のムードとなった。その後、GK西川周作(35)が仲裁に入り、札幌サイドにボールを戻して試合再開となっている。
この浦和レッズサイドの判断やペトロヴィッチ監督の激怒は、Jリーグファンの間で話題を呼んでいる。その中、西野努氏は自身のブログで負傷で選手がピッチに倒れ込んだ場合における競技規則やマナー等を説明。
その上で「個別の様々な事象、状況が関与してくるので、ルールとマナーだけでは判断も評価もできない」と切り出すと「現場ではベンチも選手も自分たちで考え、時間が与えられない中で決断し行動している」
「相手選手が脚をつっているなか(しかし倒れ込んでいるわけでもなく、その後ピッチから出ることもなかった)で、相手チームが蹴り出したボールを返さずに試合をはじめたことについては理解、そして納得できる。そもそも、フェアなプレーと姿勢をもとめるのであれば、求める側もフェアなプレーと姿勢で試合に取り組まなければならないと思う」と自身の見解を述べる。
そしてベンチ前での騒ぎが収まった後、札幌ボールで試合を再開させた判断について「あの状況(相手ベンチの)とスタジアムの雰囲気からは、他の選択はなかったと言えるし、最善の判断だったと言える。西川選手が相手ベンチをなだめにいったことも、彼の立場ならではであり、彼にしかできないすばらしいリーダーシップとゲームへの貢献だった(ゲームを壊してほしくないという強いメッセージに私には受け取れた)」と西川周作をはじめ浦和レッズの選手たちやコーチ陣を称賛。
その上で「勝ちにこだわる姿勢は、間違いなく、個々の選手もチームとしてももてている。一方で、勝ち負けとは違う軸で、大切にしなければならないこともある。大切にしなければならないことを失わずに、かつ、勝ち続けることができる、偉大なチームにならなければならないと思う」と結論づけた。
この西野努氏の見解に対しては、浦和レッズサポーターから「西野さん流石です!」、「この考え方に近い」と賛同の意見が数多く寄せられている。
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