身体の感覚を研ぎ澄ます

身体づくりの知識がゼロだったので、最初はとにかくジムにあるマシンと知っているフリーウエイト種目をやり続けました。筋肉のことも知らないし、正しいフォームも分からない。だけど、自分の中で「効く」「効かない」の感覚はハッキリとしていた。なので、効くような身体の位置にもっていって、効く挙げ方をするようにしていきました。

そのあたりの感覚は鋭いほうだと思います。ただ、1つの部位に集中して動作するのが得意な反面、連動させて動作するのが難しい。だからビッグ3のような多関節種目が弱い。スクワットで言えば体幹を固めて、背中も固めて、殿部も使って……という意識が働きにくいというか。スクワットなら脚。中でも大腿四頭筋の、さらに外側を狙う。それ以外の意識は使わないから、身体の割には多関節種目で重いものを扱えないんです。

とにかく「やる」

と、こんなことを言っていますけど、当時は多関節と単関節の違いも分からなかったし、自分に必要な種目も分からなかった。だから、本当にできることを全部やるしかなかったんです。

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(画像=『FITNESS LOVE』より 引用)

でも、ひとつ言えることは、結果的に身体が仕上がっていれば、そういう細かなことは全く関係ないってこと。マックス何㎏とか気にする人も多いけど、僕は日本一というゴールにいかに早く辿り着くか、しか考えていませんでした。一般的な見栄えとか数字とか、周りの人からどう見られるかとか、そういうのは全部無駄だなって思うんです。

だって、1位になれば全部ひっくり返るじゃないですか。だから、細かなことにとらわれて悩むより、とにかく「やる」ってことが大事だと思っています。