目次
想像の画像を思い浮かべているとき脳は本当に視覚を活性化させていた
想像の内容を読み解く技術はコミュニケーションを多様化させる
想像の画像を思い浮かべているとき脳は本当に視覚を活性化させていた
現実と想像の両方の画像があるとき、脳では何が起きているのか?
答えを得るため研究者たちは、被験者がある画像(人間の画像など)をみているときに、別の画像(山の画像など)を想像してもらい、その時の神経活動データを分析しました。
結果、視覚野の神経活動パターンが目にしている画像(人間)から想像の画像(山の画像)に近づくことが判明します。
この結果は、被験者は画像を想像することで、実際に視覚野の脳活動を変化させていることを示します。
人間は目の前の画像を差し置いて想像の画像に没頭する「うわのそら状態」が存在しますが、このときの脳は本当に視覚野を活性化させていたようです。
想像の内容を読み解く技術はコミュニケーションを多様化させる
今回の研究により、人工知能(AI)が人間がリアルタイムでみている画像や想像している画像の内容をかなりの精度であてられることが示されました。
このAIは人間の脳の出力結果であるWikipediaを学ぶことで人間の脳の活動を模倣し、被験者から観測された神経活動データから、被験者のみている画像や想像している画像を推測していたのです。
また目の前の画像と異なる画像を想像しているときの人間の視覚野は、想像内容に一致する神経活動パターンをしていることが判明します。
この視覚野の変化は、少なくとも脳にとって想像している画像はみえていることを示します。
研究者たちは研究成果を利用すれば、いちいち文字を打ち込まなくても、想像するだけで画像検索が可能になるだけでなく、重度の麻痺などで「脳に閉じ込められた人」が画像を使って意思表示することが可能になると述べています。
参考文献
脳で想像したものと「同じ意味」の画像を表示
元論文
Voluntary control of semantic neural representations by imagery with conflicting visual stimulation
提供元・ナゾロジー
【関連記事】
・ウミウシに「セルフ斬首と胴体再生」の新行動を発見 生首から心臓まで再生できる(日本)
・人間に必要な「1日の水分量」は、他の霊長類の半分だと判明! 森からの脱出に成功した要因か
・深海の微生物は「自然に起こる水分解」からエネルギーを得ていた?! エイリアン発見につながる研究結果
・「生体工学網膜」が失明治療に革命を起こす?
・人工培養脳を「乳児の脳」まで生育することに成功