住まいに手を加えて住みやすくする方法には「リフォーム」と「リノベーション」があります。この二つの言葉は混同されやすいのですが、実はそれらへのアプローチはそれぞれ異なる考え方に基づいて行われるのです。今回はリフォームとリノベーションの違いについて紹介します。
目次
リフォーム
・リフォームは「生活スタイルを家に合わせる」
・リフォームの実例とは?
リノベーションとは「生活スタイルに合わせて家を変える」
・リノベーションは「生活スタイルに合わせて家を変える」
・リノベーションの実例とは?
リフォーム

まず、リフォームとはどのような工事を表す言葉なのでしょうか。
リフォームは「生活スタイルを家に合わせる」
リフォームを一言で表すなら「原状回復」です。新築時から数年~数十年が経過して状態や機能が変化した家を修理して、元の状態に戻すことが目的です。間取りを変更して部屋数を増減させることは含みません。
リフォームを行うと家の状態が改善することは当然ですが、マイナスをゼロにするイメージだと考えて下さい。つまりリフォームの考え方は「家を直す」のが目的であり、住む人は家に合わせた生活スタイルを送ることになります。
リフォームの実例とは?
おもなリフォームの実例は、キッチン・トイレ・お風呂・洗面所といった水回りの設備を新しくする、古くなった壁紙を交換する、といったものです。
リノベーションとは「生活スタイルに合わせて家を変える」
リノベーションは、最近は雑誌やウェブサイトなどで頻繁に取り上げられるようになり、デザイン性の高いおしゃれな住まいが注目を集めています。しかしリノベーションの本質的な意味は見た目の良さではありません。
リノベーションは「生活スタイルに合わせて家を変える」
リノベーションは「理想の生活スタイルを実現するためには、どんな家にすればいいのか」というアプローチで住まいに手を加えます。リフォームのように「古くなったから直す」という発想ではなく、ゼロ地点から生活スタイルにあった部屋や機能をプラスしていく、家に+αの付加価値を加えて暮らしの質を好転させるという、とってもクリエイティブなものなのです。
リノベーションの実例とは?
中古マンションのリノベーションでは、例えば、対面型のアイランドキッチンなどがあげられます。従来の壁付け型のキッチンでは料理をする人がリビングの家族から取り残されてしまいがちでしたが、アイランドキッチンならリビングが自然と目に入り、家族が近くに感じられるようになるでしょう。
また、子どもの勉強を見守れるようにリビングに勉強スペースをつくりたい、趣味の映画を心ゆくまで鑑賞できるように防音のシアタールームが欲しい、といった例もあります。
間取りや部屋数の変更も可能です。子どものいる家庭なら、のびのび遊べる子ども部屋をつくるために、小さな二つの部屋をひとつながりの大きな部屋に変えることもできますし、一人暮らしなら、壁を取り払って家全体を広々としたワンルームに生まれ変わらせることもできるでしょう。
また、キッチンと洗面所を隣に配置すれば、お弁当の準備や身支度で忙しい朝でもスムーズな動線で活動できます。