サムスン電子がロシア軍の象徴ともいえる「Z」の標識を一部の国のホームページから削除し始めた。韓国メディア「invest chosun」が報じた。(写真:invest chosun)
25日、リトアニア、ラトビア、エストニアのバルト3カ国のサムスン電子ホームページには、サムスン電子の主力モデルである「Galaxy Z Flip」、「Galaxy Z Fold」の製品名から「Z」が除外されたまま表記されている。サムスン電子側は今月初頭から、各国の現地法人を通じて、見直し作業に乗り出しているという。
現在、「Z」の標識は「ロシア軍」または「ロシアの勝利」などの意味として受け止められている。標識の正確な意味は知られていないが、「勝利のために」という意味のロシア語「ジャパビエドゥ(Za pobedu; За победы)」の頭文字、または西を意味する「ジャパド(Zapad; 3ааад)」の頭文字を取ったという。
実際、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)ロシア大統領の支持者の間でこの標識を表すことが広がっている。国内外の主要メディアの報道を総合すると、ロシア国内のバス停と自動車の広告板で「Z」の標識を見かけることができる。ロシア軍の移動手段や各種兵器などでも「Z」表記が発見される。今月7日にカタール・ドーハで開かれた「2022 FIG器械体操ワールドカップ」授賞式では、ロシアの体操選手が当該標識のついたユニフォームを着て授賞台に上がり、議論を呼んだりもした。
今回のサムスン電子の措置は、ロシアに対する国際社会の糾弾の声が高まり、自社製品の被害を最小限に止めるための作業だという評価が出ている。これまでバルト3国のホームページで製品名の修正が完了しているが、戦争当事国のウクライナと隣接国家のポーランドのホームページも修正を進める計画だという。
北大西洋条約機構(NATO)加盟国のバルト3国は、旧ソ連から1991年に分離独立した。ロシアから地道にけん制され、敵対的な関係を保っている。ウクライナのボロジミール・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は24日(現地時間)、NATO首脳会議で「ポーランドとバルト3国とポーランドに対するロシアの攻撃の可能性がある」と警告した。
最近、ゲーム最適化サービス(GOS・Game Optimizing Service)などの議論で、技術力に対する懸念まで生んでいるサムスン電子は、国際社会の変化要因に対して機敏に対応しなければならない宿題を抱えることになったという評価だ。
サムスン電子は、ロシアはもとより、周辺諸国共に供給網や販売網を備えている。したがって、戦争の長期化や戦争拡大などの変化要因などに、各国ごとにサムスン電子の対応レベルも高まる可能性がある。実際、ロシア内のスマートフォン販売トップの座についているサムスン電子は、ロシア向け供給を公式に中止している。
ハン・ジョンヒ副会長は今年の定期株主総会で「ロシア経済制裁の状況を注視し、事業に否定的な影響を最小限に抑えられるよう様々な非常計画(コンティンジェンシープラン・Contingency plan)を立て、綿密に対処していく」と明らかにしている。
提供元・コリア・エレクトロニクス
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