世界屈指のマニュファクチュールとして最新技術の開発に注力しながら、日本独自の美意識を取り入れた芸術的なタイムピースを数多く世に送り出してきたジャパンブランド、“GRANS SEIKO(グランドセイコー)”がこの度Watches&Wondersに初出典を果たした。
同イベントでは、安定した高精度を実現する世界初の新機構を搭載した“Kodo”、新たなデザイン哲学を体現したスポーツウオッチ“エボリューション9 コレクション”、そして独創的なジュエリーウオッチの“マスターピースコレクション”を新たに発表。ひとつずつ紹介していく。
》グランドセイコー – 新作コレクション01
Kodo コンスタントフォース・トゥールビヨン

2020年、グランドセイコーは機械式腕時計のさらなる高精度化を目指し、既成概念にとらわれない自由な発想で生まれたコンセプトムーヴメント、“T0 コンスタントフォース・トゥールビヨン”を発表した。
これは動力ゼンマイの巻き上げ量にかかわらず、機械式時計の精度を司るテンプに一定のエネルギーを届ける“コンスタントフォース”機構と、テンプと周辺の部品を一定の速度で回転させることで、重力によって生じる精度誤差を取り消す“トゥールビヨン”機構を組み合わせ、同軸に一体化したという世界初の機構だ。
発表当時はコンセプトモデルとして製品化におよばなかったが、この度このコンセプトムーヴメントを複雑時計として実現するため、340を超えるパーツを全面的に見直し、キャリバー“9ST1”として開発に成功した。
キャリバー9ST1は小型化を達成しただけでなく、より美しく、より心地良い音色を奏でることに成功。
高精度を追求するなかでたどり着いた複雑機構が生み出す音色と表情から、心臓の鼓動を意味するKodo(鼓動)と名付けられたのだ。
さらに従来のグランドセイコーよりはるかに優れた精度安定性も実現。新作には“新しいグランドセイコー規格検定”が設定されている。
この検定は、従来のグランドセイコーおよび業界標準の2倍の検定時間にあたる48時間実施し、優れた性能を保証する。
精度計測は6方向もの姿勢、3段階の温度でそれぞれ計測し、34日間テストを実施。実測したムーヴメントの測定値は、付属の証明書に記載される。
》グランドセイコー – 新作コレクション02
エボリューション9 コレクション スプリングドライブ



エボリューション9 コレクションは、1967年に44GSで確立したデザイン文法を継承し、視認性と装着性を一層進化させ、日本の美意識で光と影を表現する新デザイン文法“エボリューション9 スタイル”に基づいて開発されている。
今回新たに登場した全5モデルは前述したデザイン文法を基に、グランドセイコーならでのスポーツウオッチとして“瞬時の判読性、直感的に分かる操作性、頼れる堅牢性”を追求した。
各モデルのケースとブレスレットには、重量がステンレススチールより約30%軽く、通常のチタンよりも色が明るく傷つきにくいブライトチタンを採用。
またルミブライトが塗布された力強い時分針とインデックスが昼夜を問わず高い視認性を確保し、アラビア数字には、当コレクション専用に開発された識別性の高いフォントを採用しているのもポイント。
さらにケースとブレスレットを繋ぐラグ幅を広くし、重心を低くすることで、手首にしっかりとフィット。ユーザーの活動的な動作においても安定した装着性を実現した。
あらゆるシーンにおいて袖に収まるよう、リューズガードもコンパクトにまとめられている。