私たちは空気中の「汚染物質」や「雑音」を、できるだけ取り入れたくありません。
そこで掃除機開発で有名な電気機器メーカー「ダイソン」は、それら身の回りの「ノイズ」を一気にフィルタリングする新しいデバイスを開発しました。
ノイズキャンセリング機能付き空気清浄ヘッドフォン「Dyson Zone」を発表したのです。
これを装着するなら、どこにいてもクリアな音と空気を楽しめます。
目次
「騒音」と「空気汚染」から解き放つヘッドフォン「Zone」が登場
非接触型空気フィルターで人が密集していても気にならない!
「騒音」と「空気汚染」から解き放つヘッドフォン「Zone」が登場
新しく発表された「Dyson Zone」は、ダイソン初のオーディオ機器となります。
独自の機能を追加したこのヘッドフォンは、6年の開発期間と500以上のプロトタイプの末、ようやく完成しました。
ダイソンといえば、はじめて「サイクロン式掃除機」を開発した会社として有名ですね。
今回は、これまでの製品開発で培った「気流制御」「空気清浄」「モーター技術」などの専門知識を「Zone」に組み込んでいます。
Zoneには2つのフィルターが備わっています。
1つ目のフィルターは、「雑音フィルター」です。
この新しいヘッドフォンには「ハイレベルなノイズキャンセリング機能」が備わっているのです。
人体の音響処理を模倣したシミュレータと最新技術により、ノイズが耳に届くまでに打ち消されるようになっています。
開発チームによると、「ジェット機や工事現場の騒音を打ち消し、澄み切ったきれいな音だけを楽しめます」とのこと。
そしてZoneに備わっている2つ目のフィルターが、Zoneを前例のない「特殊なヘッドフォン」にしています。
非接触型空気フィルターで人が密集していても気にならない!
Zoneに備わっている2つ目のフィルターは、「空気清浄フィルター」です。
開発段階では、口に咥えるマウスピース型フィルターなども考案されていました。
しかしこれでは着用時に不快感を与えてしまいます。
そのため最終的には、非接触型シールドが採用されることに。
ヘッドフォンのイヤーカップから伸びたシールドが、顔や口に接触することなく、きれいな空気を供給してくれるのです。
このきれいな空気はイヤーカップ内のコンプレッサーによってつくられるようです。
イヤーカップには2層のフィルター(静電フィルター、活性炭フィルター)と小型エアポンプが内蔵されており、外部の空気を吸い込んだ後、花粉やウイルス、また汚染物質を取り除いてくれるのです。
ダイソンによると、「0.1μmの微粒子をカットできる」とのこと。
またテストでは、2種類のウイルス(バクテリオファージMS2とH1N1型インフルエンザ)をカットすることにも成功しました。
とはいえ、SARS‑CoV‑2などのコロナウイルスではテストされていないようです。
さて、2つのフィルターが合わさった空気清浄ヘッドフォン「Zone」は、私たちの肺と耳に侵入してくる「ノイズ」を取り除いてくれます。
多くの人にとって想定外の組み合わせかもしれませんが、電車やバス、人が密集している建物内では、確かにこの2つのフィルターが重宝されるでしょう。
Zoneは2022年の秋から一部の地域で販売される予定です。
現時点で日本での展開有無・時期は未定ですが、気になる方はチェックしてみると良いでしょう。
ノイズの多い現代社会から、私たちをクリアに保ってくれるかもしれません。
参考文献
Dyson Zone™空気清浄ヘッドホンを発表
Dyson’s bizarre new Zone headphones have a built-in air purifier that filters out pollution and blows fresh air into your nose and mouth
提供元・ナゾロジー
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