近年、先行き不透明な将来に備えて、不動産投資で資産形成や老後対策をしたいと考えている20代の人が増えています。しかし、働き出したばかりのまだそれほど資産もない20代で、どうやって始められるのか不安な人も少なくないでしょう。そこで、不動産投資を始める20代が増えている背景と、20代で不動産投資を始めるメリットや注意点を解説します。
目次
不動産投資を始める20代が増えている
20代から不動産投資をするメリット
・長期間にわたって資産形成が可能に
・長いスパンで収益を得ることができる
・追加の融資やローンの借り換えがしやすくなることも
不動産投資を始める20代が増えている
日本は20年以上、低金利の環境が続いています。1999年2月に日本銀行がゼロ金利政策を実施、2016年2月には日本銀行は一部の当座預金に対してマイナス金利政策を実施し、住宅ローンの金利は一段と下がりました。
マイナス金利にしたあと、住宅ローンの金利は下がって、10年固定で借りても1%以下になっています。銀行のローンセンターは大忙しだそうです。会社が借りるときの金利も下がっています。みなさんが家を建てようとしたり、会社が工場やお店を建てたりするときは有利になります。
引用:5分で読めるマイナス金利 : 日本銀行 Bank of Japan
この政策は不動産投資ローンにも影響を及ぼし、融資の条件が緩和しています。低金利に加えて貸出期間が長期化するなどしています。新しい金融機関の参入もあります。
このようにバブル期とは比較にならないほどの超低金利の状況が続いているため、金利負担がなく若い世代でも不動産投資ローンを組みやすくなったことが考えられます。
また高齢化社会が進んでいることで、特に20代は将来老後の公的年金が支給されるかどうか不安を感じている人も少なくありません。2019年に話題となった「老後2,000万円」の影響もあるでしょう。
預金だけに頼って資産が増える時代ではなく公的年金も頼れない可能性を考慮して、資産形成を検討・実施する人たちが増え、20代で増え不動産投資を始めようと考える人、始めた人が増えているのです。
20代から不動産投資をするメリット
では、若い20代のうちから不動産投資を始めると、どんなメリットがあるのでしょうか。
長期間にわたって資産形成が可能に
若いうちから不動産投資を始める大きなメリットは、「スタートが早い」ことで選択肢の幅が広がることです。
現在、不動産投資ローンの借入期間は最長で45年です。25歳で始めて70歳で完済することになります。長期の借入期間を利用すれば、返済期間が短いローンに比べて月々の返済金額を低く抑えることができます。また45年という長い年月をかけないで、早く完済時期を迎えることもできます。
一方、たとえば50歳で35年ローンを組んだとすると、完済するのは35年を足すと85歳になりますが、金融機関は最終返済時の年齢を定めています。
もし79歳までと決めている金融機関から借りるとなると、35年ローンは組めずローン期間は29年となります。当然月々の返済金額も高くなります。スタートが遅いと、20代でスタートするよりもこのように選択肢が狭まります。
長いスパンで収益を得ることができる
不動産投資の利益は、物件の家賃収入です。不動産投資ローンを利用して始め、ローン完済後は家賃収入がそのままオーナーのもとへ入ってきます。
26歳で35年の不動産投資ローンを組んだ場合、完済するのは61歳です。ローンの返済中は家賃収入を充てて返済しますが、完済したら家賃収入がそのまま手元に残ります。
定年より前に完済しておけば、早めに不労所得を手にすることができるため、老後資金に余裕ができるというわけです。
また、25歳で不動産投資を始めた人と35歳で始めた人とでは10年の差があるため、受け取れる金額も下記のような差が出ます。家賃が月々6万円だと仮定すると
6万円 ✕ 12カ月 ✕ 10年間 = 720万円
10年間で720万円の差ができます(話を簡略化するため家賃下落や税金等省略)。
35歳になるまでの10年間、貯蓄だけしていた場合と20代で不動産投資を始めた場合では、資産の増え方に開きが出ます。
つまり、若いうちに不動産投資を始めれば始めるほど、リターンを多く手にすることができる可能性が高まります。また、そのリターンを元手に、新たな物件の購入につなげれば、不動産投資の規模を拡大することもできます。
追加の融資やローンの借り換えがしやすくなることも
不動産経営の実績を早めに積み重ねると、金融機関からの信頼も得られるため、追加の融資を受けやすくなることもあります。若いうちから安定経営を続けることができたら、現在のローンの返済額を減らすためにより金利が低いローンに借り換えしやすくなる場合もあるでしょう。金融機関と直接交渉して、今のローンの金利を下げることも可能になるかもしれません。