館内の設備
荒尾所長からは貴重なお話が聞けた。館内には備え付けの双眼鏡などもあり、より身近に干潟の生物を観察できる。職員の方に言えば貸し出しもできる。双眼鏡は持ち込みもOKだ(入口のお土産屋さんでも購入可能)。

カフェ
また、館内のカフェでは、スイーツはもちろん、船橋で採れたホンビノス貝を利用したラーメン、『谷津干潟ラーメン』などを堪能できる。筆者はこの『谷津干潟ラーメン』を注文したが、貝の旨味が十分に引き出され、それでいて少しも塩っぽくない、非常においしいラーメンであった。

バードウオッチング
また先にも述べたが、運が良ければこのカフェから見える淡水池で、カワセミやカルガモの親子などが間近に見られるそうだ。猛禽類などもやってくるそうだが、そうするとカモなどはいなくなってしまうらしい。カワセミやカルガモがいなくても様々な野鳥が見られるので、普通でも十分楽しめる。
平日はゆっくりできるが、週末はそれなりに混雑するそうだ。落ち着いたカフェで、野鳥と広大な干潟を見ながら、ラーメンを食べる……これこそ究極の贅沢ではないかと筆者は感じた。

谷津干潟自然観察センター TEL:047-(454)8416 FAX:047-(452)2494
東京湾と干潟の重要性
荒尾所長のインタビューの中にもあったが、東京湾あっての谷津干潟であることは観察センターからもよくわかる。干潟には、エビやゴカイ、小魚など多様な生物が生息しており、それをエサとする水鳥や野鳥などが集まり、干潟の環境と水質を守っている。干潟は生命を集め、育む海のゆりかごといってもよい貴重な存在だ。海が干潟を育て、干潟がまた海を育てる。本来の環境はこうあるべきだと筆者は思う。
毎年アサリやシジミ採れなくなっても、都会の川で魚が大量に死んでも、多くの人は生活に困らないだろう。しかし、気が付けば秋の味覚のサンマは毎年のように不漁で、イカナゴも採れない。秋鮭やスルメイカ、秋田のハタハタも不漁続きだ。明らかに海の環境はかわってきている。それは、私達に身近な干潟でも同じことがいえる。
クロダイや外来種の貝が増え、アサリやゴカイなどが減って来ている。全てはつながっているように思う。環境は時間をかけてすこしずつ悪化するものだと気付かされる。

釣り人として感じることも
筆者はルアーフィッシングで主にシーバスを狙うが、やはり毎年すこしずつではあるが、釣れる魚の種類や場所がかわってきていることに気付かされる。釣りはどの釣りでも楽しいし、そして奥が深くウデを磨くのは一生続く。しかし、それができるのも豊かな海と自然があってこそだと忘れてはならないと強く思う。
<宮坂剛志/TSURINEWSライター>
提供元・TSURINEWS
【関連記事】
・ゼロから始める「カヤックフィッシング」 マダイを釣るためのキホン5選
・船長に聞く「沖釣り初心者の心得」:東京湾LTアジ 厳選船宿8選も紹介
・大豆ではなく「魚で作った」味噌とは? 実は各地に存在する発酵魚介食材
・干物にすると飛躍的に美味しくなる海釣りターゲット4選
・釣り編集者が上天草へお試し移住 移住家族に聞く「リアルな本音」とは?