閖上のアカガイが美味なワケ

閖上の沖合は、暖流である日本海流(黒潮)と、寒流である千島海流(親潮)がぶつかる「潮目」となっており、プランクトンが非常に豊富です。そのためそこで育ったアカガイは他の産地のものと比べてサイズが大きく、身が太っていて分厚く、鮮やかな身色と香りの良さがあると評価されます。

豊洲市場ではアカガイのことを、サルボウやサトウガイといったよく似た近縁種と区別するために「本玉」と呼んでいます。しかし業者によっては「閖上産アカガイ」のみを「本玉」と呼ぶこともあるそうで、それくらい「閖上のアカガイ」は特別なものなのです。

大震災を乗り越えて「日本一」を守り続ける宮城県閖上の『アカガイ』
(画像=丸みを帯びた上質なアカガイ(提供:PhotoAC)、『TSURINEWS』より引用)

仙台湾に面している閖上地区は、東日本大震災では津波により壊滅的な打撃を受けました。アカガイ漁もまたその存続が危ぶまれるほどの状況に陥りましたが、「ブランドの火を消すまい」と漁師たちが復興に尽力し、いまも国産アカガイの最高峰として高い評価を得ているのです。

<脇本 哲朗/サカナ研究所>

提供元・TSURINEWS

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