ウミウシの遺伝子が光合成遺伝子の代わりに葉緑体を支えていた
(画像=ウミウシは葉緑体を支える遺伝子群を持ち、光合成遺伝子の代用にしていた / Credit:Canva . ナゾロジー編集部、『ナゾロジー』より引用)
動物であるウミウシが植物の遺伝子なしに、どうやって葉緑体に光合成をさせていたか？
謎を探るため、研究者たちはウミウシが葉緑体をため込んでいる器官（光合成器官）でどのような遺伝子が働いているかを調べました。
結果、光合成器官ではタンパク質代謝や酸化ストレス耐性、自然免疫関連の遺伝子が高レベルで発現していることを発見します。
また葉緑体の光合成をより長期に維持できるウミウシの系統では、これらの遺伝子群がより多様化していることもわかりました。
研究者たちはこれらの未知の遺伝子群が、ウミウシの体内で植物の光合成遺伝子代わりとなり、葉緑体の支えとなって働いていると考えています。
光合成のような複雑な機能が遺伝子に依存せず、種の壁を超えて伝播しうるという見解は、生命進化を考えるうえで大きな発見と言えるでしょう。