「銀座ダイナースクラブカード」は一般の「ダイナースクラブカード」と何が違うのか?最大の特徴は、ステータスカードには珍しく家族カードが無料であることだが、他にも銀座や東京駅の会員限定ラウンジが使えるというメリットもある。このクレジットカードの詳細を、デメリットも含めて紹介していこう。

目次
1,「銀座ダイナースクラブカード」の3つのポイント
2,基本スペックと審査基準 家族会員は年会費無料
3,メリット1,銀座・東京駅の会員専用ラウンジを利用できる
4,メリット2,グルメ関連を中心に特典・優待が充実
5,メリット3,世界1,000ヵ所以上の空港ラウンジを利用できる
6,メリット4,最高1億円の海外・国内旅行保険
7,「銀座ダイナースクラブカード」のポイントサービス、還元率
8,「銀座ダイナースクラブカード」の2つのデメリット
9,「銀座ダイナースクラブカード」がおすすめなのはどんな人?

1,「銀座ダイナースクラブカード」の3つのメリット

「銀座ダイナースクラブカード」にはどんなメリットがあるのか見ていくと、以下の4点が挙げられる。

  • メリット1,銀座・東京駅で会員専用ラウンジを利用できる
  • メリット2,コース料理最大2名無料などグルメ関連優待が充実
  • メリット3,世界1,000ヵ所以上の空港ラウンジを無料で利用できる
  • メリット4,ダイナースらしく高額の旅行保険が付帯する

    これらの特徴の詳細を解説していく前に、まずは基本スペックや審査基準を確認しよう。

2,基本スペックと審査基準 

ハイスペックカードながら家族会員は年会費無料

国際ブランド ダイナースクラブ
年会費 2万5,000円(税別)
家族会員無料
ポイントサービス ダイナースクラブ リワードポイント
通常ポイント還元率 0.4%
ポイント交換対象 Amazonギフト券
Tポイント
楽天スーパーポイント など
空港ラウンジ
サービス
国内主要31空港
海外1,000ヵ所以上の空港ラウンジ
付帯保険 海外旅行傷害保険(自動付帯)
国内旅行傷害保険(利用付帯)
ショッピング保険
追加カード 家族カード
ETCカード
リボルビングカード
ビジネス・アカウントカード
電子マネー なし(Apple Pay経由でQUICPayは利用できる)

審査基準――世帯収入500万円以上が目安

「銀座ダイナースクラブカード」と一般の「ダイナースクラブカード」は、審査基準がやや異なるようだ。

入会の目安として示されている条件は、「ダイナースクラブカード」では「年齢27歳以上の方」となっている。一方「銀座ダイナースクラブカード」は、そこに「定職にお就きでない主婦の方も世帯収入をご記入いただくことで本会員としてお申し込みいただけます」と付け加えられている。

ネットの口コミによると、このカードの審査に通るには年収は400万円以上、できれば500万円以上ほしいという。勤続年数も重視されるようで、最低でも3年、できれば5年以上が望ましい。

年会費の特徴――家族会員分が無料

年会費も異なる。「ダイナースクラブカード」では、本会員の年会費が2万2,000円(税別)、家族会員が5,000円(税別)。「銀座ダイナースクラブカード」は本会員が2万5,000円(税別)で、家族会員は無料。このことから、「銀座ダイナースクラブカード」は家族で持つことを前提としたカードと考えていいだろう。

「銀座ダイナースクラブカード」のほうが年会費が高く設定されているが、家族カードを作る場合はこちらのほうがお得。家族カードを2枚、3枚と作るなら、お得度はさらに増す。

ステータス性――他社のプラチナやゴールド並み

現在は一般の会社員も入会できるが、1960年に発足した日本のダイナースクラブは、当初企業役員や医師、弁護士など社会的信用の高い人を会員として迎えていた。このような経緯もあり、ブランド自体が今でも高いステータス性を誇っている。

そんなダイナースクラブのカードラインナップの中で、ベーシックなグレードが「ダイナースクラブカード」。「銀座ダイナースクラブカード」は、このカードに銀座での特典・優待がプラスされたものと考えてほしい。

ベーシックなグレードとはいえ、その特典・サービス内容は他社のゴールドカード、あるいはプラチナカード相当の内容であり、ステータス性の高さがうかがえる。

3,「銀座ダイナースクラブカード」のメリット1,銀座・東京駅の会員専用ラウンジを利用できる

「銀座ダイナースクラブカード」の会員と、上位カードにあたる「ダイナースクラブ プレミアムカード」の会員だけに開かれた、銀座と東京駅に設置された専用ラウンジを利用できる。 

「ダイナースクラブ 銀座プレミアムラウンジ」――銀座の中心地に設置

銀座三越や和光本館にも近い、銀座の中心地にあるラウンジ。ここではフリードリンクが提供されるほか、レストラン予約、特約店や優待プランを案内してくれる「銀座コンシェルジュサービス」などのサービスが提供される。ラウンジでは、コンサートイベントなどが開かれることもある。提供サービスの一覧は、以下のとおり。

  • 銀座コンシェルジュサービス
  • インフォメーションサービス
  • Wi-Fiサービス
  • フリードリンクサービス
  • 手荷物預かりサービス
  • 宅配料金優待サービス
  • 西銀座駐車場10%割引券提供サービス(会員1人1日1枚)

    本会員・家族会員は、1日1回まで無料で利用できる。同伴者については、年間5回(あるいは5名)まで無料。それを超える場合は、1名1回の利用につき1,100円(税込)の利用料がかかり、支払いは会員の「銀座ダイナースクラブカード」で決済される。

「ダイナースクラブ D'sラウンジトーキョー」――東京駅直通の大丸東京店に設置

大丸東京店11階にある、銀座・日本橋が一望できるラウンジ。フリードリンクが提供されるほか、有料だが応接室の貸し出しも行われている。提供サービスの一覧は、以下のとおり。

  • フリードリンクサービス(コーヒー・紅茶)
  • 喫煙ルーム
  • フィッティングルーム
  • 専用クローク
  • 携帯電話、パソコン利用スペース
  • 応接室貸し出し(税別3,334円/1時間、4名まで利用できる)

    こちらも本会員・家族会員は無料で利用でき(1日1回2時間まで)、同伴者は1名926円(税別)で利用できる。

4,「銀座ダイナースクラブカード」のメリット2,グルメ関連を中心に特典・優待が充実 

ダイナースクラブは、米国で1950年に後払いで食事ができるサービスとして発足した。「ダイナース」という言葉には「食事をする人」という意味があり、ダイナースクラブという名称はそれに由来するものだ。

そのような背景もあり、ダイナースクラブのカードにはグルメ関連を中心に、レジャー、ホテル宿泊などの優待・特典が充実している。

グルメ関連の優待・特典――コース料理最大2名無料も

ステータスカードで定番の「コース1名分無料」に加えて、予約がなかなか取れない人気店の空席情報連絡サービスなども提供される。グルメ関係の優待を一覧にしておこう。

特典・サービス 内容
エグゼクティブダイニング 対象レストランを2名以上で利用したときに、
所定のコース料金の1名分が無料になる。
6名以上の利用の場合は、2名分が無料になる。
料亭プラン 一見だと予約が難しい高級料亭を、
ダイナースクラブが代行して予約してくれる。
ごひいき予約.com 予約をなかなか取れない人気店の空席情報が、
利用日の最大2日前からスマホアプリや
メールで案内される。
Wishダイニング 予約をなかなか取れない人気店の席を、
ダイナースクラブが事前に確保して
会員に案内してくれる。
ただし受付は先着順で、席数は限られる。

ホテル関連の優待――アマン、ハイアット、ペニンシュラの優待も

国内外のホテルでの割引優待や特典が提供される。以下の高級ホテルも対象に含まれる。

対象ホテル(一部) 内容
アマン インドネシア、タイ、フィリピン、ベトナム、
インド、北京、東京、伊勢志摩などで展開する
リゾートホテル「アマン」で、部屋のアップグレードや
朝食サービスなどの優待が提供される。
ハイアット ホテルズ&
リゾーツ
「ハイアット ホテルズ&リゾーツ」の
一部ホテルで、部屋のワンランクアップグレードや
レイトチェックアウトを利用できる。
ザ・ペニンシュラホテルズ 「ザ・ペニンシュラホテルズ」の
海外ホテルにて、部屋のワンランクアップグレード、
朝食の提供、フィットネスセンターと
プールの無料利用などの特典を利用できる。

ゴルフ関連の優待――100コースが対象の予約サービスも

「銀座ダイナースクラブカード」では、ハイステータスカードに定番のゴルフ系の優待も提供される。

特典・サービス 内容
名門ゴルフ場優待予約 国内の名門ゴルフ場約100コースの
ラウンド予約を代行・手配してくれる。
また、プレー代金が5,000円オフ(税込)
となる割引優待対象コースもある。
プライベートレッスン優待 対象ゴルフスクールで、プライベートレッスンが
最大50%オフ。
そのほか、優待料金または無料のゴルフレッスン、
フィッティングサービス
(クラブ選びと調整のアドバイス)の優待料金、
ゴルフ練習場の優待料金などがある。

スポーツ・レジャー・健康関連の優待――ハワイでもお得になるサービス

ゴルフ以外のスポーツ・レジャー関係では、フィットネスや乗馬、ハワイでの特典が用意されている。

特典・サービス 内容
フィットネス、エステ優待 コナミスポーツクラブ、スパ・エステ店、
ホテル内フィットネスや
パーソナルトレーニングなどで
優待割引を受けられる。
乗馬クラブクレイン
乗馬体験優待
初心者向けの乗馬体験4回コースが
優待料金で楽しめる。
医療優待 プライベート看護サービス、
聖路加メディローカスクラブで
優待割引が提供される
ハワイ
エンタテイメント施設優待
「ポリネシア・カルチャー・センター」
「シーライフ・パーク・ハワイ」
「ウェット・アンド・ワイルド・ハワイ」
などハワイで楽しめる6つの
施設・レジャー体験で、事前予約・
支払いで料金が10~15%オフになる。
ヘリコプターチャーター飛行
クルージング・遊覧飛行優待
東京・横浜・京都・大阪などで20コース以上から
厳選したプランが優待料金で提供される

5,「銀座ダイナースクラブカード」のメリット3,世界1,000ヵ所以上の空港ラウンジを利用できる

国内主要31空港のラウンジのほか、世界1,000ヵ所以上の空港ラウンジを無料で利用できる。他にも、旅行で役に立つ空港・空港周辺サービスも数多く取り揃えられている。

空港・空港周辺サービス 内容
空港送迎タクシー・サービス 海外旅行時のタクシー送迎を片道分無料、
あるいは特別料金で利用できる。
手荷物宅配サービス 海外からの帰国時、手荷物1個を
無料で宅配してくれる。
空港パーキングサービス 所定の海外旅行商品の購入で、
成田空港・羽田空港の指定駐車場が
旅行期間中無料になる。
ショーファーカーサービス 海外の空港から高級車で目的地まで
送迎するサービスを優待料金で利用できる。
そのほかの空港関連サービス ・サンパーキング優待料金
・JALエービーシーの提供サービスの優待料金
(空港宅配、レンタル携帯電話・
海外レンタルWi-Fi・手荷物一時預かり)
・グローバルWi-Fi優待 など

6,「銀座ダイナースクラブカード」のメリット4,最高1億円の海外・国内旅行傷害保険が付帯

「銀座ダイナースクラブカード」には、最高1億円補償の国内・海外旅行傷害保険のほか、年間500万円限度とするショッピング保険が付帯する。

旅行傷害保険――海外は自動付帯5,000万円、利用付帯5,000万円

旅行傷害保険は、海外・国内とも「死亡・後遺障害」の補償が最高1億円。ただし海外旅行傷害保険の「死亡・後遺障害」補償は、旅行代金のカード支払いの有無にかかわらず適用される「自動付帯分」が最高5,000万円、カードで支払った場合に適用される「利用付帯分」が最高5,000万円。

国内旅行傷害保険は、旅行代金をカード払いした場合のみ補償が適用される「利用付帯」だ。

【海外旅行傷害保険(自動付帯)】

補償内容 補償金額
傷害死亡・後遺障害 最高1億円(自動付帯分最高5,000万円・
利用付帯分最高5,000万円)
傷害治療費用 300万円
疾病治療費用 300万円
賠償責任 1億円
携行品損害 50万円
救援者費用 300万円

【国内旅行傷害保険(利用付帯)】

補償内容 補償金額
死亡・後遺障害 最高1億円
入院 日額5,000円
手術 手術の種類に応じて5万円・10万円・20万円
通院 日額3,000円

ショッピング保険(ショッピング・リカバリー)――年間500万円が上限

カードで購入した商品が購入日より90日以内に破損・盗難・火災などの偶然の事故により損害をこうむった場合に、年間500万円を限度として補償される(自己負担額:1品につき1万円)。

7,「銀座ダイナースクラブカード」のポイントサービス、還元率 通常還元率0.4%

非日常的シーンをよりお得に、特別感のあるものにしてくれるサービスが多い「銀座ダイナースクラブカード」。ここからは、日常の支払いで重要になるポイントサービスについて説明しよう。

貯まるポイントと還元率――通常0.4%還元で有効期限は無期限

クレジット利用で貯まるポイントは「ダイナースクラブ リワードポイント」で、100円につき1ポイント(約0.4円相当)が付与される。ポイント還元率は0.4%だ。ポイントには有効期限がない。

なお、一部ポイント付与率が異なる支払いがある。電気・ガス・水道・税金・国民年金保険料・NHK受信料、電話・携帯電話料金、プロバイダー料金、ETC利用料金などのクレジット決済では、200円につき1ポイントが付与される。また楽天EdyやモバイルSuicaへのチャージ分には、ポイントが付与されない。

ポイントの交換対象――ANA、JALのどちらのマイルにも交換できる

ポイントは賞品のほか、Amazonギフト券、アップル/iTunesカード、JCBギフトカード、JTB旅行券などのギフト券・クーポン券に交換が可能できる。またTポイント、楽天スーパーポイント、ANA SKYコイン、スターバックスカード(チャージ)などの他社ポイントに移行したり、カード利用代金や旅行代金に充当したりすることもできる。

交換・移行対象 交換・移行対象単位 必要ポイント数
(ダイナースクラブ
リワードポイント)
Amazonギフト券 2,000円分 5,000P
スターバックスカード チャージ
JCBギフトカード 6,000P
アップル/iTunesカード 5,000円分 1万2,000P
JTB旅行券 1万3,000P
ANA旅行券
JAL旅行券
Tポイント 1,000P 2,500P
楽天スーパーポイント
ANA SKYコイン 400コイン 1,000P

ポイント付与率・還元率をアップする3つ方法――銀座の一部店舗で100円→2ポイントに

「ダイナースクラブ リワードポイント」は通常のポイント還元率が約0.4%と、他社カードのポイントサービスと比較して低いことは否めない。しかしポイントアップすることはでき、「銀座ダイナースクラブカード」だけのポイントアップ方法もある。

・方法1,銀座の特約店を利用するとポイントが2倍に

「銀座ダイナースクラブカード」限定ポイントプログラムとして、銀座の特約店で利用すると100円の利用につき2ポイントが付与される。特約店は以下のとおり。

  • 銀座和光
  • 三越銀座店
  • 松屋銀座(一部対象外店舗あり)
  • GINZA SIX(一部対象外店舗あり)
  • 東急プラザ銀座(一部対象外店舗あり)
  • バーニーズニューヨーク 銀座店

・方法2,ポイントアップ加盟店を利用してボーナスポイントを獲得

ポイントアップ加盟店でカードを利用すると、通常のポイントに加えてボーナスポイントがもらえる。国内ホテル・旅館やレストランではポイント2倍、各種ショップでは店舗ごとのボーナスポイントが付与される。

・方法3,「ダイナースクラブ ポイントモール」経由のネットショッピング

ポイントサイト「ダイナースクラブ ポイントモール」を経由したネットショッピングでは、ショップごとに設定されたボーナスポイントが付与され、キャッシュバックを選択することもできる。

モールに登録されているのは楽天市場、Yahoo!ショッピング、じゃらん、JTB、一休.com、えきねっと びゅう国内ツアー、セブンネットショッピングなど多数。普段使いでもポイントアップを図れるはずだ。

8,「銀座ダイナースクラブカード」の2つのデメリット

申し込みにあたっては、メリットだけではなくデメリットも把握しておきたい。

デメリット1,銀座でのメリットがあまり大きくない

銀座・東京駅でのラウンジ利用や銀座の特約店の存在は、「銀座ダイナースクラブカード」の特徴だ。しかし、正直なところ「銀座」と銘打つだけのメリットはあまり感じられず、逆に銀座にこだわるなら物足りない印象さえ受ける。

このカードに関しては、むしろ家族カードが無料であることのほうがメリットとしては大きい。ハイスペックカードであることは間違いないので、その家族カードを無料で持てるのはかなりお得感が強いだろう。

デメリット2,国際ブランドとしてのダイナースクラブのシェアの小ささ

ハイステータス、ハイペックなカードである一方で、国際ブランドとしてのダイナースクラブは十分なシェアを獲得できているとは言えず、VISAやMastercardと比べると加盟店は少ない。そのため、カードを使おうとしても店舗側が対応していないこともある。これは、ダイナースクラブ発行のカードに共通するデメリットと言えるだろう。

9,「銀座ダイナースクラブカード」はどんな人におすすめなのか?

ここまで見てきた特徴から、「銀座ダイナースクラブカード」はやはり家族カードを発行する前提がある人が検討すべきだ。

その前提で、海外旅行や高級レストランに行くのが好きな人、銀座を訪れる機会の多い人は「銀座ダイナースクラブカード」を、その高額な年会費以上に活用できそうだ。ゴルフ関連サービスも充実しているので、家族でゴルフをたしなむ人がいる家庭にもおすすめできる。

ただしポイント還元率が高いカードではないので、ポイントを重視する人には向かないだろう。「銀座ダイナースクラブカード」の特典を活用しながらポイントも貯めたいという人は、還元率の高いカードを別に作って、上手く使い分ける必要があるだろう。

執筆・モリソウイチロウ

「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカード分野では専門サイトでの執筆経験もあり。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。

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