トレーニング法というものは世の中にごまんとあり、その中からベストなものを選択するのは、とても難しい話だ。それでも、自分にとってベスト・オブ・ベストのトレーニングメニューを見つけたいなら、完成度の高い大胸筋を持つチャンピオンたちのプログラムを参考にするのが手っ取り早い。なぜなら、そういうチャンピオンたちのゴールは、大胸筋を発達させたいと願う私たちのゴールと非常に似ている場合が多いからだ。
文:Matt Smith, CPT 翻訳:ゴンズプロダクション
これから紹介する3つの筋トレメニューは完全に真似するのではなく、あくまでも参考にすること。チャンピオンたちと私たちでは体力も才能も異なる。同じプログラムを行ったとしても、結果が同じになるとは限らないのだ。あくまでもたたき台にし、調整を加えながら自分に最適な筋トレメニューを完成させていこう。
パワーハイパートロフィー・アッパー・ローワー
このプログラムは12週間で1サイクルとなっている。ワークアウト頻度は1週間に4回で、その内訳は、2回がパワー系、残り2回が筋肥大系のワークアウトだ。パワー系のワークアウトでは、主要種目に3〜5レップ、補助種目に6〜10レップ行う。筋肥大系のワークアウトでは、どの種目も8〜12レップ、もしくは10〜15レップを行うようにしよう。
アンチボディビルディング・ハイパートロフィー
筋肥大のためには、限界まで筋肉を追い込むことが大切だと言われている。加えて、低頻度でワークアウトし、オーバートレーニングを避け、筋緊張時間を長くすることが必要だ。 つまり、それが筋発達を目的としたボディビルのためのトレーニングであるということである。しかし、アンチボディビルディング・ハイパートロフィーは、それとは真逆のプログラムだ。つまり、筋肉を追い込まない、高頻度でワークアウトする、筋緊張時間やオーバートレーニングは気にしないというものである。このプログラムは、筋力や筋持久力、心肺機能の向上、そして体重を増やすための筋量増加を目指してトレーニングしているストロングマンたちの人気を得ている。 つまり、筋量増加だけでなく、総合的に身体機能を向上させたいという人に適したプログラムだ。 このプログラムの基本は、拮抗筋を組み合わせることだ。つまり「背中+胸」と「大腿部+腹筋+カーフ」のワークアウトを作り、選択した種目はセットごとに3レップ、あるいは10レップ行う。セット間の休憩は1分間で、ワークアウトは複数の種目を連続して行うジャイアントセットや、2種目を組み合わせるスーパーセット法などが盛り込まれている。ワークアウト量は非常に多いが総合的な身体機能の向上を目指すなら、地獄のようなこのトレーニングプログラムに挑戦してみるのもいいだろう。