20代女性が漁師軍団のリーダーに

【経営哲学】荒くれ漁師軍団を束ねる たおやかなアネゴ 株式会社GHIBLI坪内知佳①逆風の中で気を吐く「粋粋BOX」
(画像=就任当初の坪内知佳さん(写真:株式会社GHIBLI提供)、『mimiyori』より引用)

ところが、その後、今度は代表就任を依頼された。

事業計画書は国が推進する漁業の6次産業化に基づき、萩で獲れる高品質の魚をブランド化する内容だった。

大まかには、鮮魚を船上で下処理して箱詰め、そのまま直接顧客に届ける「鮮魚BOX(現・粋粋BOX)」と、高級干物「船上一夜干し」「寒風一夜干し」の製造および販売。

書類提出後、坪内は3船団から「代表をやってくれないか」と頼まれたのだ。

「(当時代表だった)長岡(秀洋さん)がサジを投げたので、私がなったという形です」

かくして「萩大島船団丸」は2011年、3船団による漁師約60人でスタート。その翌12年には漁業経験なし、しかも20代女性という異例のボスが誕生した。

(②につづく=丸井 乙生)

※これまで番組などで直接取材した経営者のかたの哲学についてまとめたコラムです。

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◆つぼうち・ちか

1986年6月17日、福井県出身。福井商ー名古屋外国語大中退。

翻訳・コンサルティング事務所を立ち上げ、未経験の漁業と出合い、2011年に任意団体としての「萩大島船団丸」の発足を手掛ける。12年代表就任。

14年、事業の拡大に向け、株式会社GHIBLI(ギブリ)を設立。アフリカのサハラ砂漠に吹く熱風「ギブリ」の名に由来。

現在は全国の漁業6次産業化のコンサルタントも手掛ける。

日経Woman of the year2014キャリアクリエイティブ賞を受賞。

日経ビジネス16年12月19日号の特集「次代を創る100人」でその1人に選出された。

著書に「荒くれ漁師を束ねる力」(朝日新聞出版)。

提供元・mimiyori

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