海水温のギャップ

次に素潜りで顕著に感じられたのは、海水温が場所によって大きく異なることです。

自然相手である釣りにおいて、水温は非常に重要な要素になります。理由は水温によって魚の生息や、活性に大きく関わってくるからです。

人間にとって水温が1℃かわることは大きな問題にはなりませんが、魚類では慎重に捉えなければなりません。論文では、「金魚やマス類などの淡水魚では0.01~0.05℃の水温差を感じることができる」との記載があります。水温に関しては人間よりも遥かに繊細です。

論文では淡水魚に関して述べられていましたが、海水魚でも似たような傾向にあるのではと思います。

素潜りで感じた海水温

素潜りをしたのは9月上旬。気温水温共に真夏の状態でした。足がつく浅瀬では水温が25℃ほどと高く、水に入っても寒さは気になりませんでした。しかし沖へ行くと海水温は浅瀬よりも明らかに低くなりました。

また水深が深い場所で潜ってみると、下層は上層と比べ水温の違いを一瞬で感じるほど冷たくありました。岸と沖、水深の上と下で水温差があるということです。

釣り場で潜水してみた 肌で感じた『海水温』と『潮流』のギャップとは?
(画像=断面図で見る海水温(作図:TSURINEWSライターとーま)、『TSURINEWS』より 引用)

潮流のギャップ

水温は潮流によっても大きく異なっていました。潮流と聞くと魚の活性や、ベイトの寄りなど、釣りにとって非常に重要な要素ですが「潮流と水温」といった点で意識したことはあるでしょうか。私も流れは常に意識している要素ですが、潮の当たり具合いで水温が劇的にかわることは素潜りを通して身をもって感じました。

釣り場で潜水してみた 肌で感じた『海水温』と『潮流』のギャップとは?
(画像=潮流と水温(作図:TSURINEWSライターとーま)、『TSURINEWS』より 引用)

素潜りで感じた潮流

具体的にどのように水温が異なっていたかというと、潮が動かない、もしくは緩やかな場所では水温が高く感じられました。一方潮の流れが当たる場所では、周りよりも水温が低く感じられました。一年で水温が高くなる夏の時期には、暑さが苦手な魚の避難場所になるのではと感じました。

また潮流はベイトの居着き方にも影響を与えていました。この日みられたベイト(イワシ)は潮が入ってきて、行き止まった浅い場所に固まり群れでいました。一方流れが速い場所では散在しながら、流れてきている様子でした。潮流の違いでベイトの密度が異なっておりました。

釣り場で潜水してみた 肌で感じた『海水温』と『潮流』のギャップとは?
(画像=イワシの群れ(提供:TSURINEWSライターとーま)、『TSURINEWS』より 引用)