(n の 2 乗)+1 の形の素数
(n の 2 乗)+1 の形の素数について考える前に、以下の素数についても考えてみます。
【4n + 1 の形の素数】
4n + 1(n は正の整数)の形で表される素数は無限に存在するか?
言葉では少し難解なので、具体例を挙げてみましょう。
5 = 4×1+1
13 = 4×3+1
17 = 4×4+1
29 = 4×7+1
37 = 4×9+1
このような「4n+1 の形で表される素数」は無限に存在するのでしょうか?
実は、 これは既に「無限に存在する」ということが証明済み。4n+1 の形だけでなく、3n+1 や 8n+5 や 20n+9 でも、同様のことが証明されています。
どれも「ディリクレの算術級数定理」という有名な定理の具体例です。
では、(n の 2 乗)+1 の形の素数についても考えてみましょう。
【n2 + 1 の形の素数】
n2 + 1(n は正の整数)の形で表される素数は無限に存在するか?
具体例を挙げてみます。
12+1 = 2
22+1 = 5
42+1 = 17
62+1 = 37
102+1 = 101
このような「(n の 2 乗)+1 の形で表される素数」は無限に存在するのでしょうか?4n + 1 の形の素数と同様、式は非常にシンプルですが、不思議なことに、こちらの問題は未解決なのです。
紀元前から素数の研究は行われているのにも関わらず、こんなにシンプルな形の素数に関する問題が 21 世紀になっても未解決とは…数学は恐ろしい学問です。
今回紹介した予想は、意外にも問題自体は簡単に理解できてしまうものばかり。 しかし、未解決の超難問です。
もしかすると、これらの予想の裏側には、壮大な数学の新理論が隠されているかもしれません!
ぜひ、ご自身で具体例を計算してみてください。数学の不思議さや面白さを感じられると思います。親子で自由研究として試してみても良いかもしれません。考え続けてみたら、自らの内に秘めた数学の才能が開花するかも…?
【編集注 2022.03.22 15:20】
記事内容に一部誤りがあったため、修正して再送しております。
参考文献
加藤和也『数論への招待』
提供元・ナゾロジー
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