2022年4月から成人年齢が20歳から18歳に引き下げられます。
これにより保護者の同意がなくても、18歳からクレジットカードを作ったりローンを組めたりします。
しかしこれら金融サービスには、便利な面だけでなく落とし穴もあります。
では4月から新成人となる人々、また今後18歳で成人になる人々は、正しく金融サービスを利用できるのでしょうか?
関西大学経済学部に所属する本西 泰三(もとにし たいぞう)教授ら研究チームは、18.19歳で「後払い決済サービス」を利用している人のうち、約26%が無理のある購買を行ったことがある、とする調査結果を報告しました。
これは、未成年者への金融教育が大きな課題となっていることの証拠です。
研究の詳細は、2022年3月24日付の『関西大学のプレスリリース(PDF)』に掲載されました。
未成年にも便利な「後払い決済」とそのリスク
現在日本では、「後払い決済サービス」の利用が拡大しつつあります。
これは商品が届いた後に代金を支払うシステムのことです。
ネットショッピングなどで役立つサービスであり、商品が届いた後にスマホアプリやコンビニで代金を支払えるのです。
つまり後払い決済サービスとは「クレジットカード」のようなものです。
では、なぜクレジットカードではなく、後払い決済を利用するのでしょうか?
それはクレジットカードの入手には厳格な審査が必要だからです。
若者たちの中には、「月に数千円の買い物をしたいだけなのに、クレジットカード審査で顔写真や多くの資料を提出するのは面倒だ」と感じる人がいます。
また非正規雇用の増加により、審査に通らない人も増えているでしょう。
一方、後払い決済サービスでは、そもそもそのような低収入の若年層、クレジットカードをもたない学生、もしくは不正利用を恐れてクレジットカードをもたないようにしている人々をターゲットにしているため、簡単に登録・利用できるようになっています。
既に多くの人に利用されている「後払い決済サービス」は、今後も拡大していくと考えられます。
とはいえ後払い決済には、クレジットカードと同じリスクや落とし穴があります。
以前、「小さな子供が親のクレカを使ってゲームに課金しまくる」ことが話題となりました。
同様のトラブルを避けるためにも、後払い決済サービスを利用する若者は、「自制できるオトナ」であることを示さなければいけないのです。
では現時点で、若年層は金融サービスを正しく利用できているのでしょうか?
その点が本西氏ら研究チームによって明らかになりました。