華やかな印象のあるホテル業界ですが、一方で「ホテル業界は大変!仕事がきつい」という意見が多いのも事実です。
ホテル業界を目指す方や、ホテル業界への就職に興味を持つ方にとっては、本当にホテル業界がきついのかどうかは気になるところでしょう。
今回の記事では、
- ホテル業界が体力的にきつい理由
- ホテル業界が精神的にきつい理由
- ホテル業界がきついと感じる場合の対処法
について解説していきます。
すでにホテル業界で勤務している方にもぜひ参考にしていただきたい内容満載です!
最後までしっかり読んでみてくださいね。
目次
「ホテル業界はきつい」と感じる3つの理由(体力面)
「ホテル業界はきつい」と感じる3つの理由(精神面)
「ホテル業界はきつい」と感じる3つの理由(体力面)

ホテル業界で働くとなると、ほとんどの場合が現場であるホテルでの勤務になるでしょう。
ホテル勤務がきつい、激務であるなどと言われる理由はまず「体力的にきつい」からです。
この章ではホテル業界がきついと感じられる理由のうち、「体力面のきつさ」に起因しているものを3つ紹介します。
1.毎日が多忙すぎるから
ホテルの仕事はとても忙しいです。
「仕事が忙しいのは当たり前、そんなのどの業界も同じでしょ」と思う方も多いでしょう。
しかし、ホテルの忙しさは独特なものであり、どの業界にもある忙しさとはやや異なります。
ユーくん そうかぁ。でも仕事って忙しいのが普通だろうし、あまりイメージがしにくいよね。いつもお客さんがいっぱいいるわけじゃないし。
ダルマちゃん ホテルの仕事はお客様対応だけじゃないんだ。外側から見えない仕事が山ほどあるんだよ。
ホテルの忙しさは、主に以下のような点にあります。
- 常に時間に追われる(チェックイン前の部屋清掃など)
- 客が途切れず休憩に入れない(10時間何も食べられないことも!)
- 突発的なインシデントに追われる(クレーム、予約ミスなど)
- 長時間座ることができないまま接客に追われる
ホテルが主に忙しくなるのは週末や連休のとき。
この間、通常業務(事務処理や宿泊予約の処理)はストップしがちです。
そのため、平日は膨大に溜まった事務仕事に追われ、一息ついたらまた怒涛の週末がやってくる、というサイクルを延々と繰り返すのです。
2.残業が多いから
ホテル業界は残業の多い業界です。
残業がある業界は多く存在しますが、中でもホテル業界はサービス残業の多い業界なのです。
ユーくん なるほど。つまりは残業代が支給されていない残業のことか。それはキツイよね。
サービス残業時間の多い業界については以下のデータが参考になります。
▼サービス残業時間(業種別)ワースト5
ランキング | 業種 | 月平均サービス残業時間 |
1位 | 教育・学習支援業 | 13.96 |
2位 | 不動産業・物品賃貸業 | 10.63 |
3位 | 宿泊業・飲食サービス業 | 10.09 |
4位 | 運輸業・郵便業 | 9.53 |
5位 | 建設業 | 8.31 |
出典:「パーソル総合研究所・中原淳 長時間労働に関する実態調査」
ご覧の通り、数多くある業界の中でも「ホテル業界」がワースト3位にランクイン。
つまりはきつい仕事をこなしていながら、その対価を支払われていないケースが頻発していることになります。
残業が多くなる理由は、「常にお客様の動きに合わせて働く必要があるから」です。
仮に17時までの早番でフロント業務をしていても、16時半ごろから一気にチェックインカウンターが混雑すれば「では時間なので退社します」というわけにはいきません。
お客様の流れは予想しづらく、暇な時間がどれだけあっても勤務時間終了間際に忙しくなり、退社のタイミングを失うことは頻繁に起こります。
3.勤務シフトが不規則だから
そもそもホテルの仕事はシフト制であるために、どうしても健康管理が難しくなります。
ホテルのシフトは以下のように設定されている場合がほとんど。
- 早番 8:00〜17:00
- 中番 11:00〜20:00
- 遅番 13:00〜22:00
- 夜勤 17:00〜12:00
遅番の翌日が早番であるケースや、夜勤や日勤が交互にあるケースも珍しくありません。
睡眠時間は削られるだけでなく、不規則になることで体調を崩しやすくなるのはホテル勤務あるあるです。
ダルマちゃん 病院勤務だと夜勤明けの翌日は休みになることが多いなど配慮されることが多いんだ。でもホテルはなかなかそうもいかない。
ユーくん 体調を壊して辞めざるをえなくなる人も多いって聞いたことがあるよ。大変だよなぁ。
「ホテル業界はきつい」と感じる3つの理由(精神面)

体力的にきついだけでなく、精神的なストレスが溜まりやすいのもホテル業界がきついと言われる理由です。
ホテル業界の仕事において、具体的にどのようなことが精神的ストレスにつながるのか、ここで代表的なものを3つ挙げて解説します。
1.クレーム対応が苦痛だから
接客の仕事は常にクレーム対応と隣り合わせです。
ホテル業界で働くとなると接客の連続となるため、中にはクレーム対応が必要になるケースもあります。
- ホテル側の接客対応に問題があった
- サービスに満足いただけなかった
- 予約ミスなどでお客様に迷惑をかけた
などのクレームはどのホテルで働いていても必ず経験することと言っても過言ではありません。
ホテル側に落ち度がある場合にクレームになるのは仕方がありませんが、中には理不尽なクレームに対応せざるを得ないケースもあります。
ダルマちゃん お客が全員正論を言うとは限らないからね。いろんなお客さんがいるんだよ。
クレーム対応はとても神経を使います。
特に相手が激怒している場合は、どのように対応しても沈静化する兆しがなく、延々と謝り続けるしかないケースもあります。
ただでさえ忙しい業務で疲れ果てているところに、クレーム対応が追加されれば一気に精神的に疲弊してしまうでしょう。
2.人間関係に悩んでいるから
どの業界でもありがちなのが、職場の人間関係に悩まされ、精神的なストレスを抱えてしまう例です。
- 上司に理不尽な物言いをされる
- 職場でいじめられる
- 先輩から無視をされる
- 仲良くできる同僚がいない
などの職場環境では、気持ちよくポジティブな心持ちで働くことができません。
日々、「今日もあの人と話さなきゃいけない」、「また嫌なこと言われるんだろうな」とビクビクしながら通勤するのは相当なストレスです。
ホテル業界は特に閉鎖的な環境であり、人間関係が重要視される業界。
それにもかかわらず、人間関係に問題があるとなると仕事を辞めてしまいたくなるほどきついと感じてしまうのも頷けます。
3.きつい割に給料が安いから
仕事が多少きつくても、その分良い給料をもらえていれば案外我慢できるものです。
先ほども触れた通り、ホテル業はサービス残業が多いとされる業界でもあり、「頑張っただけ給料に反映される」とはお世辞にも言えないのが現状です。
お客様のクレームに打ちのめされ、職場の人間関係に悩まされながら一生懸命働いている割に給料が安いとなれば、精神的ストレスは何倍にも膨れ上がってしまいます。
▼業種別平均年収
ランキング | 業種 | 平均年収(万円) |
1位 | メーカー | 453 |
2位 | 金融 | 448 |
3位 | 総合商社 | 446 |
4位 | IT・通信 | 444 |
5位 | メディカル | 426 |
6位 | 建設・プラント・不動産 | 418 |
7位 | インターネット・広告・メディア | 407 |
8位 | 専門商社 | 406 |
9位 | サービス | 369 |
10位 | 小売・外食 | 353 |
参考:doda平均年収ランキング(業種別平均年収)
上記のデータで見ると、ホテル業界が属しているサービス業の年収は10業種中9位。
サービス業全体の平均年収が369万である時点で低いのですが、さらにホテル業の平均年収は339万円となっているためサービス業全体の中でも低いです。
まさに、きつい割に稼げない点が仕事のきつさをさらに精神的に追い詰めてしまっていると言えますね。