計画的に退職前からコツコツ貯金をして無職になる人もいれば、貯金のないままに無職生活をスタートする人もいます。
無職になれば収入がなくなるため、あるのは支出のみ。
となれば、無職になる前にある程度の貯金をしておくことは必須です。
今回の記事では、無職の貯金に注目し、
- 無職生活の出費にはどのようなものがあるのか
- 貯金のないまま無職になるとどうなるのか
- 無職生活に欠かせない節約テクニック
- 脱無職の方法
について解説していきます。
あまり貯金がないけれど退職して無職になる予定の人や、すでに無職生活を送る人にぜひ読んでいただきたい内容です!
目次
無職になる前に貯金が必要な3つの理由
貯金なし無職の末路5パターン
無職になる前に貯金が必要な3つの理由
仕事を辞めて無職になる前には、少なくとも3ヶ月は無収入で過ごせるくらいの貯金が必要と言われています。
多くの人は、「生活するのにお金がかかるから貯金は確かに必要だろうな」と考えるでしょう。
しかし、無職で貯金が必要なのは生活費を工面するためだけではありません。
この章では、無職になる前に貯金が必要である3つの明確な理由についてお伝えします。
1.税金や保険で予想以上にお金がかかる
無職になると収入はゼロになりますが、それでも無情にやってくるのが税金や保険の納付書。
無職が支払うべき税金や保険は以下の3つです。
- 住民税
- 健康保険
- 国民年金保険
この中で唯一金額が明確に決まっているのは国民年金。
国民年金保険料の金額は、所得にかかわらず一定額に決められており、20歳から59歳までの全ての人が収める義務があります。
ダルマちゃん 参考までに、令和2年度の国民年金保険料は16,540円だよ。
参考:日本年金機構「国民年金保険料」
住民税と国民健康保険に関しては、前年度の所得によって金額が決まるため、無職1年目までは会社員時代と同じくらいの金額を見ておく必要があります。
むしろ国民健康保険に関しては、会社の負担額がなくなるため自己負担額は増えてしまいます。
ユーくん 給料がなくなるのに持っていかれるお金はほぼ変わらないってことだよね。キツいよねぇ‥。
2.失業保険はすぐに受け取れない
無職になるときに、「失業保険もらうから、貯金はなくても大丈夫」と考える人もいるでしょう。
しかし実際そう甘くはありません!
失業保険は正式名称を失業給付金と言いますが、そもそも誰もが簡単に受け取れるお金ではないことを理解しておく必要があります。
失業給付金受給条件
- 雇用保険に加入している
- 雇用保険に加入していた期間が退職前の2年間で12ヶ月以上あること
- 失業の状態である(働く意志や能力があるが、就職できない状態のこと)
参考:ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」
つまり、上記の条件を満たす場合のみ、失業給付金の受給が可能になります。
もう1点、注意すべきは「給付制限期間」です。
- 給付制限期間とは
- ハローワークで求職登録を済ませ失業給付金の受給資格を得た後に、失業給付金の支給が始まるまでに設けられた一定期間のこと。この間は給付金が支給されません。
ダルマちゃん わかりやすく言うと、手続きしてから実際にお金がもらえるまでの待ちの期間のことだよ。
給付制限期間はこれまで「自己都合による退職」の場合、3ヶ月と決められていました。
しかし、令和2年10月から変更されており、今では3ヶ月ではなく2ヶ月の給付制限期間が設けられています。(ただし、5年間の間2回まで適応されるルール)
ユーくん どちらにしても手続きしてから丸2ヶ月は給付金がもらえないってことだね。
結局、失業給付金をあてにしていたとしても、実際に受給がスタートするまでの2ヶ月は待機する必要があるということ。
その間、生活に困らないだけの貯金はやはり必要なのです。
3.就活のための資金が必要
ほとんどの人は無職の期間を何年も続けようとは考えていないでしょう。
無職の期間を数ヶ月過ごしたとしても、次の転職先を見つけて就職することを前提としている人が大多数であると考えられます。
就活にはお金がかかります。
具体的にどのようなことに費用がかかってくるのか例を挙げておきましょう。
- 就活用のスーツ購入
- 就活用のバッグ・靴購入
- 就活に備えた資格取得
- 自己啓発のための書籍購入
- 採用試験の往復交通費
スーツやバッグや靴に関しては、すでに持っている人もいるかもしれません。
しかし、大学卒業後やフリーターから無職になった人の中には、これら全てを用意する必要があるケースも少なくないでしょう。
ダルマちゃん 資格を取得するのもお金がかかるし、勉強するために本を買う場合も何かにつけて出費は避けられないよ。
採用試験の日にかかる交通費くらいは予想できても、そこに至る前の準備にも費用がかかることに関してはあまりイメージできていない人も多いため注意が必要です。
貯金なし無職の末路5パターン
貯金がないままに無職になってしまった場合、その末路はどのようなものなのでしょう。
お金に困るというのは容易に想像がつきますが、貯金なし無職の行く末はかなり厳しいものになっています。
ここでは、貯金なし無職の末路を5パターン紹介します。
1.お金がなくなり引きこもり生活へ
最初は仕事のストレスから解放され、好きなタイミングで友達とも出かけられる自由気ままな生活を楽しむ無職生活。
しかし、次第にお金がなくなり人と出かけることを避けるようになります。
ユーくん そりゃそうだよね。確かにお金がずっとあるわけじゃないんだから。
結局断ることが増えていくことで、誰からも誘われることがなくなり、無職生活はひきこもり生活へとシフトしていきます。
こうなると、もはや誰とも関わることがなくなってしまうため、無職生活は極めて孤独なものになってしまいます。
2.友人や恋人が離れていく
貯金が十分にあれば、友達や恋人との時間を充実させながら、次に転職する企業をリサーチすることが可能です。
しかし、貯金がないままに無職になると、人付き合いの部分はかなり難しくなっていくのが自然な流れ。
これまで仲の良かった友人とは疎遠になり、恋人との関係にもヒビが入る可能性は高いです。
そもそも、恋人募集中の人が無職で貯金もないとなると、恋活や婚活などがうまくいくことはないでしょう。
ダルマちゃん 特に男性で無職で貯金もないとなると婚活どころじゃないからね。
気付けば友達も恋人も自分から離れてしまい、独りぼっちの孤独感と戦う毎日になってしまいます。
3.仕事を探す意欲がなくなりニートになる
引きこもり生活が基本になってしまった貯金なし無職は、やがて「自分には何もできる気がしない」と自己肯定感を最低まで下げてしまうようになりがちです。
人と関わらないことで刺激が足りなくなり、「自分も頑張らなきゃ!」という気持ちがだんだんと薄れてきてしまうのです。
社会でバリバリ活躍する友人たちとの接点があれば、
- 羨ましい、自分は無職なんて情けない
- 自分も友達みたいに出世したい!
- このままじゃヤバい
- いち早く無職から抜け出したい!
などと思えるものです。
外からの刺激を一切受けなくなると自分で自分を奮い立たせるしかなくなり、ほとんどの人はモチベーションが低下しニートへと進んでしまうのです。
4.税金の督促状に追われる
貯金がないまま無職になっても、初めのうちは最後に支給された給料などでどうにかギリギリ食い繋ぐことができるでしょう。
しかし、すぐにその残高はゼロになり、親を頼る以外の方法はなくなります。
実家で養ってもらっても、さらに追い討ちをかけるようにやってくる税金や年金などの督促状に頭を抱え、「もうどうしようもない‥」と絶望してしまうのです。
ダルマちゃん 年金はきちんと相談に行けば、免除されたり支払いを先送りにすることができたりするんだ。放置は厳禁だよ。
ユーくん 住民税とか国民保険だけでもかなり大きな出費になるよね。ほったらかしにしてあとで大変なことにならないようにしなきゃいけないよね‥。
5.家族から愛想を尽かされる
親はいくつになっても子供を心配します。
貯金がないまま無職になった我が子でも、どうにかサポートしようと始めは全面的に協力してくれるケースも多いでしょう。
しかし、よほど極端にお金に余裕のある家庭でもない限り、成人した無職の我が子を気分良く養い続ける親はそういません。
無職期間が長くなるにつれて、
- いい加減に仕事見つけられないの?
- もうそろそろ自立してもらわないと困る
- 無職で貯金もないなんてあまりにも考えが甘すぎる
などと説教されることも増えてくるでしょう。
その先にある段階は、「無関心」です。
まだガミガミと親から小言を言われるうちは良い方。
期間が長引くと親からも愛想を尽かされ、経済面の援助を渋られることも増えてきます。