いわゆる「Mクラス箱型ミニバン」は、国内のミニバン市場の中でも激戦区。トヨタは「ヴォクシー/ノア/エスクァイア」の3兄弟、日産は「セレナ」、そしてホンダは「ステップワゴン」で激しい戦いを繰り広げています。
今回、Youtubeチャンネルの『CARPRIME』は『KOREDE(コレデ)チャンネル』とのコラボでガチンコライバルとなるセレナ ハイウェイスターとヴォクシー 煌Ⅲの徹底比較を行いました。この記事では、その2台を比較する際のポイントをより詳細にお伝えしましょう。
なお、今回はヴォクシーをチョイスしましたが、ノアやエスクァイアも基本的に同様です。
目次
2列目はセレナの「マルチセンターシート」の仕掛けが面白い!ヴォクシーはビジネスクラス級の広さが魅力
3列目の広さは互角だが、快適性では豪華な装備が満載のセレナに軍配が上がる
2列目はセレナの「マルチセンターシート」の仕掛けが面白い!ヴォクシーはビジネスクラス級の広さが魅力
両車の使い勝手の大きな違いはまず、2列目シート。
シートアレンジはどちらも3列ですが、乗車定員がセレナでは8人(e-POWER車は7人)に対し、ヴォクシーは7人もしくは8人を選ぶことができます。
ただ、面白いのはセレナのシートの仕掛け。
▲ヴォクシーのインテリア
ヴォクシーでは7人乗りの2列目が左右独立で2人掛けのセパレートシート、8人乗りは左右がつながった3人掛けのベンチシートになっています。購入時にどちらかを選ぶ必要があります。
しかしセレナの2列目は、セパレートシートにもベンチシートにも変形。
購入時に選択する必要がなく、使いシーンに応じて切り替えられるのがいいですね。
秘密は、中央部にある「マルチセンターシート」。
1列目から2列目まで前後スライドする小さく補助的なシートがあることで、1列目にセットすれば2列目がゆったり座れるセパレートシート、2列目にセットすれば2列目が3人座れるベンチシートに変化するのです。
セパレートシート状態だと、シートを動かすことなく3列目にウォークスルーで3列目にアクセスできるのも魅力ですね。
横スライド機能も組み込んでいるので、左右シートをくっ付けたベンチシート状態の2人掛けも可能です(上記の説明はシンプルハイブリッド車に関するものでe-POWER車はアレンジが異なります)。
また、セレナは全車ともに、2列目シートはシートベルトが背もたれ内蔵になっているのも特徴。
これは、シート位置を問わず常に最適にシートベルトを着用できるメリットがあり、衝突時の安全性を高めます。
いっぽうで、ヴォクシーにもセレナにはない独自のアレンジがあります。それは2列目シートのロングスライド機構(7人乗りだけの機能)。
▲ヴォクシーの2列目を最も前方にスライドした状態
3列目を畳むことで、2列目シートは810mmものロングスライドを実現するのです。
もっとも後方へスライドした際の足元の広さ(前席までの間隔)は、まるで飛行機のビジネスクラス。ヴォクシーならではのこのアレンジを味わうためにヴォクシーを選ぶという選択もアリでしょう。
ヴォクシーも7人乗りモデルであれば、セレナ同様に2列目に横スライド機能や背もたれ内蔵式のシートベルトを備えています。
3列目の広さは互角だが、快適性では豪華な装備が満載のセレナに軍配が上がる
▲ヴォクシーの3列目
3列目もチェックしてみましょう。
快適性を見ると、3列目のおもてなし度はヴォクシーよりもセレナが有利。広さに大きな違いはありませんが、おもてなし装備においてセレナのほうが充実しているからです。
▲セレナの3列目のテーブル
具体的には、3列目のテーブル(2列目の後ろに内蔵)、3列目の充電用USBアウトレット、3列目から降りる際に押すパワースライドドアの開閉スイッチなど、ヴォクシーには設定のないアイテムが用意されています。
3列目の快適性を重視するなら、セレナが魅力的ですね。