ブラック企業に勤務することに疲れ切って、やっとのことで転職したらまたブラック企業だった‥。
こうなってしまっては転職した意味がありません。
ブラック企業に勤める多くの人が「転職でブラック企業から抜け出したい」と思いつつ、また別のブラック企業へと転職してしまうパターンは少なくありません。
どうすればブラック企業を避けて転職することができるのでしょう。
ブラック企業を避けるためには、
- ブラック企業が多い業界
- ブラック企業に就職しやすい人の特徴
についてまず理解しておく必要があります。
今回の記事には、ブラック企業から再びブラック企業へと就職するリスクを避けるために役立つ内容が満載です!
転職の具体的な方法についても後半で解説していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
ブラック企業が多い業界ベスト3
ブラック企業に就職しやすい人の3つの共通点
ブラック企業が多い業界ベスト3

業界によって、ブラック企業が多い業界と少ない業界は確かに存在します。
この章では、ブラック企業の多い業界がどの業界なのかを理解していきましょう。
使用するのは以下のデータです。
▼勤め先がブラック企業と認識している人の割合(業種別)
業種 | 勤め先が「ブラック企業」だと認識している人の割合 |
建設業 | 25.9% |
製造業 | 23.6% |
電気・ガス・熱供給・水道業 | 14.3% |
運輸・情報通信業 | 24.1% |
卸売・小売・飲食業・宿泊業 | 27.0% |
金融・保険業・不動産業 | 20.6% |
その他サービス業 | 29.5% |
参考:連合総研「第38回『勤労者の仕事と暮らしに関するアンケート(勤労者短観)』調査結果」
赤字にしている業界が比較的高い数値となっていますね。
ではこのデータで上位3位となっている、
- サービス業
- 卸売・小売・飲食・宿泊
- 建設業
以上3つの業界について詳しく解説していきましょう。
1.その他サービス業
最もブラック企業である確率が高いといえるのが「サービス業」です。
ここで言う「その他サービス業」という業界の中にはどのようなものがあるのか、一部を紹介すると以下の通りとなります。
- 美容業界(エステ・美容室)
- ブライダル業界
- 学習・教育業界(英会話スクール・パソコン教室)
- 交通業界(タクシー・バス運転手)
- 服飾業界(ショップ店員)
ダルマちゃん サービス業界はかなり幅が広いからね。ここでは書き切れないほどたくさんの仕事があるんだ。
これらのサービス業は基本的に、
- お客様次第なので定時に上がりづらい→残業が多い
- シフト勤務で休みがバラバラ→休日返上で働くこともしばしば
など、常にサービスを提供するお客様の動きが優先になるため、どうしても定時内に仕事が終わらない、休日も出勤するなどの機会が増えがち。
結果、残業時間があり得ないほど増えてしまうことや、残業手当が一切支払われない「サービス残業」が日常的になってしまうのです。
ユーくん たしかにサービス業ってブラック企業が多そうなイメージはあるよね。給料もあまり良くなさそう。
サービス業が必ずブラック企業であるわけではありません。
しかし、サービス業は
- 未経験でも就職しやすい
- スキルが求められない
ということもあり、多くの人たちがサービス業を選び、そして多くの人たちが短い期間に離職していく入れ替わりの激しい業界です。
この特徴からみても、「従業員は使い捨て」にして短いサイクルで回転させていることは確かですね。
2.飲食・宿泊業
続いて2番目にブラック企業である確率が高い業界が「飲食・宿泊業」です。
ユーくん これは予想通りだよ。だってレストランやホテルで働く人たちってすごく大変そうだし、毎日夜遅くまで働いているイメージだもんね。
飲食・宿泊業も先ほどのサービス業と同様、何かにつけてお客様が優先されるため、
- 大型の予約が入っていれば休日出勤を強要される
- 定時が来てもお客が多ければ残業を強いられる
- 休憩時間が取れないこともしばしば
などの事態が頻繁に起こります。
そのため、毎日へとへとになるまで働き、1日12時間以上会社に拘束されることも珍しくありません。
ダルマちゃん 残業ゼロの飲食・ホテル企業はまずないと思っておいた方がいいね。
それでも、魅力的なレストランや、オシャレで雰囲気の良いホテルなどで働きたいと考える人は後を経ちません。
ブラック企業である可能性が高いとは言え、飲食・ホテル業界は人気の業界なのです。
3.建設業
3番目にブラック企業である確率が高いとされるのが「建設業」です。
建設業にブラック企業が多いのは、その仕事内容に起因していると言えます。
- 現場仕事がメイン、工期が迫ると残業は必須
- 現場が遠ければ朝5時起き
- 現場によっては昼夜逆転の勤務時間もある
このように、残業時間が大幅に増えてしまう要因となりえる要素が揃いすぎているのが建設業の特徴。
きちんと残業時間のルールを守り、しっかり残業手当をし払う会社もありますが、そうでない企業も山ほどあります。
これらの理由から、建設業もまたブラック企業を避けて就職するのが難しい業界と言えるでしょう。
ブラック企業に就職しやすい人の3つの共通点

ブラック企業へ転職することだけは避けたい!と言いながら、ブラック企業へ再び転職してしまうケースは少なくありません。
しかし、この場合にはその人側にも問題がないとは言い切れません。
なぜなら、ブラック企業に就職しやすい人には共通点があるからです。
ダルマちゃん ブラック企業に就職した人にも責任がある、と言うわけではないんだ。伝えたいのは、ブラック企業に引き寄せられてしまう就職の仕方というものがあるということだよ。
ユーくん そうなの?じゃあ、ブラック企業に就職しやすい人の特徴が分かれば、未然に防ぐことができるかもしれないよね!
この章では、どのような人たちがブラック企業に就職しやすいのか、その3つの特徴について解説していきます。
1.焦って就活している
ブラック企業に就職しやすい人の多くは、事前リサーチに時間をかけておらず、焦って就職先を決めてしまっています。
ブラック企業を全て正確に見極めて就活をするのは不可能です。
とは言え、
- 求人情報を読み込む
- 口コミを調べる
- 離職率についてリサーチする
などの事前準備ができていれば、ある程度「これは明らかにブラック企業だな」と見極められるケースも多いです。
ユーくん 調べ方が分からない人もいるだろうしね。確かにリサーチしなければ完全に運任せになっちゃうからリスクは高いだろうな。
仮に事前準備が甘くても、面接時にブラック企業を見極める方法があるため、選考が進んでからでもできることはあります。
詳しくは「面接でブラック企業を見抜くための事前知識|面接前の準備も解説」の記事で解説していますので、ぜひあわせて読んでおいてくださいね!
2.専門スキルがない
ブラック企業の多くは「未経験歓迎」、「スキル不要」と入社時のハードルをうんと低く設定しています。
そのため、専門スキルのない人にとっては興味をそそられるのは確かです。
必然的に、スキルを持たない人や、なかなか就職先が見つからない人がブラック企業に就職しやすくなっているのです。
仮に就職に役立つスキルを何か保有していれば、
- スキル必須の業界・職種(ITなど)
- 優良ホワイト企業
を狙うことができるため、わざわざスキルなしでも採用してもらえる企業を狙うとは考えにくいです。
そのため、結果的にハイレベルの優良企業に転職できることが多くなる、というわけですね。
3.人に流されやすい
ブラック企業は「うちはブラック企業ですよ」などと面接時に公言することはありません。
むしろ、ブラックであると思わせないために、あれこれと言葉巧みに会社の素晴らしさを語ることがほとんどです。
もともと、人の言うことをそのまま鵜呑みにし、疑うことをしない人や、流されやすい人ほどブラック企業に就職してしまうことが多いのはそのためです。
ユーくん なるほどね。確かに会社だって入社する人がいなかったら困るもんな。
ダルマちゃん そうそう。だからブラック企業も「うちの会社はこんなにすごいんだよ!」ってアピールしてくるからね。
ブラック企業がよくアピールしがちな点として代表的なのが、
- インセンティブや各種手当が多いからガッツリ稼げます!
- 若くても出世している人がたくさんいます!
などです。
一見良さそうな印象を受けますが、「各種手当が多い=基本給がすごく低いのでは」、「若くして出世=そもそも離職率が高いからなのでは」と疑うこともできます。
ユーくん そうかー!確かにそうかも。これは考えなければそのままスルーしてしまって、むしろ「いい会社っぽいじゃん!」って思っちゃいそうだよね。
冷静に考え、判断することがとても大事。
言葉の持つイメージだけで「良さそう」と判断するのではなく、その言葉の裏側まで考えるくらいの慎重さを持っておきたいものですね。