「ETF」という言葉を聞いたことはあっても、具体的な内容をご存知ない方も多いのではないでしょうか。ETFは「上場している投資信託」です。仕組みは投資信託の一種で重なる部分があるため、それぞれの違いがよくわからずに悩んでしまうケースは少なくありません。今回は、ETFの基礎的な仕組みや、メリットとデメリットを解説します。
ETFとは
ETFとは、Exchange Traded Fund(上場投資信託)のことです。
投資信託とは、投資家から集めた資金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用のプロが国内外の株式・債券・不動産などに投資して運用し、成果を投資家に分配する金融商品です。
ETFは、東京証券取引所などの金融商品取引所に上場している投資信託で、TOPIX(東証株価指数)やJPX日経インデックス400などの株価指数、金価格などの指標と連動するように運用されています。
運用の仕組みは投資信託でありながら、投資信託とは異なり上場しているので、株式のようにリアルタイムで売買ができます。指値注文や成行注文、信用取引も可能です。
ETFの特色と種類
ETFは、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)、ニューヨークダウなどの指標への連動を目指します。例えば、日経平均株価と連動しているETFを購入すると、日経平均株価を構成している225銘柄すべてに投資している状態と同じになります。
もし255銘柄の個別に購入しようとすると、トップ10の銘柄だけでも数百万円、全銘柄で数億円の資金が必要となります。それぞれタイミングを見計らっての売買をすることを想像しても、手間を含めて個人では到底難しいでしょう。ETFでは簡単に分散投資ができることになります。
ETFの種類
ETFは、大きく2種類あります。国内の金融商品取引所に上場しているETFと、海外で組成され海外の金融商品取引所に上場しているETFです。海外ETFは、取引所がある国の現地通貨で取引されているため、為替リスクがあります。そして配当金(分配金)に税金がかかる場合があり(二重課税)、確定申告をして還付を受ける必要があります。
それぞれでどのような指数があるかは、以下のようにさまざまな種類が取り扱われています。
- 株式:国内株式、先進国株式、新興国株式
- 債券:国内債券、外国債券、新興国債券
- REIT(不動産投資信託)
- 商品(コモディティ):金、プラチナ、原油など
また次のような、新しい指標に連動するETFも多数登場しています。
TOPIXなど原指標の騰落を増幅させた指標を意味する「レバレッジ型指標(ブル型)」、暴落を反転させた指標を意味「インバース型指標(ベア型)」などです。