1986年に世界最長のリムジンとして注目を浴びた60フィート(18.28m)の車「アメリカンドリーム」がパワーアップして帰ってきました。

なんと全長100フィートと1.5インチ(30.54m)に拡張され、世界記録を更新したのです。

その長すぎる車体にはジャグジーやゴルフコースだけでなく、ヘリポートも追加されたのだとか。

ちなみに現在の所有者であるマイケル・デイザー氏によると、「長すぎて道路では走れません」とのこと。

ここでは、ロマンに全振りした世界最長のリムジンをご紹介します。

目次




30.54mの世界最長リムジンは豪華だけど「道路を走るのは無理」

世界最長のリムジン「アメリカンドリーム」が製造されたのは、1986年のことでした。

アメリカ・カリフォルニア州で自動車のカスタマイズを手掛けるジェイ・オルバーグ氏によって、全長60フィート(18.28m)のリムジンが初めて生まれたのです。

プール・ヘリポート付き! 全長30.54m「わけのわからない世界最長リムジン」が登場!
(画像=どこまでも続くかのような世界最長リムジン / Credit:ギネス世界記録 公式チャンネル(YouTube)_Rebuilding the world’s longest car – Guinness World Records(2022)、『ナゾロジー』より 引用)

そしてこのとき、アメリカンドリームは「世界一長い車」としてギネス世界記録に認定され、一躍有名になりました。

当時は映画に登場することもあったようです。

その後、オルバーグ氏はアメリカンドリームをさらに拡張。

全長100フィート(30.5m)まで伸ばしたのです。

ところが一旦ブームが過ぎると、アメリカンドリームは倉庫の奥で何年も放置されたままとなりました。

プール・ヘリポート付き! 全長30.54m「わけのわからない世界最長リムジン」が登場!
(画像=放置され修復不可能なレベルまで劣化 / Credit:ギネス世界記録 公式チャンネル(YouTube)_Rebuilding the world’s longest car – Guinness World Records(2022)、『ナゾロジー』より 引用)

メンテナンスもされず、ある部分は修復不可能なレベルまで劣化したようです。

しかし2019年に転機が訪れました。

自動車博物館のオーナーであるマイケル・デイザー氏が売りに出されていたアメリカンドリームを購入してくれたのです。

ここからアメリカンドリームの修復作業が開始。

プール・ヘリポート付き! 全長30.54m「わけのわからない世界最長リムジン」が登場!
(画像=30.54mのリムジンがギネス記録更新 / Credit:Guinness World Records_World’s longest car, over 100 ft, restored to its former glory(2022)、『ナゾロジー』より 引用)

そして25万ドル(約3000万円)の修復費用と3年の年月をかけた結果、アメリカンドリームはパワーアップした姿で帰ってきました。

全長100フィート1.5インチ(30.54m)と、車体がわずかに伸び、ギネス世界記録を更新。

通常の自動車が3~4mであることを考えると、アメリカンドリームが「現実離れした長さ」であることがよく分かりますね。

プール・ヘリポート付き! 全長30.54m「わけのわからない世界最長リムジン」が登場!
(画像=75人以上が乗車可能。奥が見えない…… / Credit:ギネス世界記録 公式チャンネル(YouTube)_Rebuilding the world’s longest car – Guinness World Records(2022)、『ナゾロジー』より 引用)

また、このリムジンは26のタイヤで支えられており、75人以上が乗車可能。

さらに豪華で斬新な要素も加わりました。

例えば、ジャグジー、ミニゴルフコース、ヘリポート、飛び込み台付きプールなど、およそ自動車とは無縁のレクリエーション要素が追加されています。

プール・ヘリポート付き! 全長30.54m「わけのわからない世界最長リムジン」が登場!
(画像=さまざまな設備が追加される / Credit:ギネス世界記録 公式チャンネル(YouTube)_Rebuilding the world’s longest car – Guinness World Records(2022)、『ナゾロジー』より 引用)

現在、このアメリカンドリームは自動車博物館に展示されています。

デイザー氏によると、30m以上の車が道路を走ったり曲がったりできるはずもないので、「最初から展示用につくられた」とのこと。

そして彼はこの極端なリムジンについて、満足そうに付け加えました。

「誰もが私の復元計画について”どうかしている”と思ったようですが、私には明確なビジョンがありました。

ええ、愛着を感じていますよ」

提供元・ナゾロジー

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