では誰が原発に反対しているのか

おそらく科学的な判断ができ、経済が少しは分かる人なら原発の再稼働には前向きに検討すべしといっているはずだが、だれがいったい反対しているのだろう。朝日新聞の調査が分かりやすい。

朝日新聞なので回答は左に寄る傾向があるが、

電力危険水域でも原発再稼働に反対しているのは誰か
(画像=『アゴラ 言論プラットフォーム』より引用)

いまだ反対の人が賛成を上回る。が、その差はかなり詰まってきた。おそらく日経や読売の調査なら拮抗するか逆転していることと思う。

新聞の調査は結局のところ回答するのが高齢者ばかりになってしまうのでいくら偏差を調節しても高齢者の意見が反映されがちだが、この調査は男女別と年代別があった。

電力危険水域でも原発再稼働に反対しているのは誰か
(画像=『アゴラ 言論プラットフォーム』より引用)

なんと
男性は再稼働が反対を上回る
女性は圧倒的に反対が多い

という結果である。男女で分けるのはあまり好まないが、日本の場合、女性は専業主婦やパートが多く社会で全開で働いている人の比率が低い。テレビの視聴者も全年代で女性のほうが男性より多い。リテラシーも女性の方が低めだろう。

そしてこれが決定的だが

電力危険水域でも原発再稼働に反対しているのは誰か
(画像=『アゴラ 言論プラットフォーム』より引用)

もっとも再稼働に反対なのは70歳以上
再稼働に賛成なのは18-29歳

と、明確に

高齢者ほど再稼働に反対する

という傾向がある。コロナ対策でも同じだが、高齢者は将来よりとにかくいまを乗り切りたい。将来日本がどうなっても自分はもういないということで、変化を嫌う。特に原発については高齢の女性が主体的に感情論で「怖い」と反対しているという傾向があると思う。停電して産業が止まろうが電車が動かなくて仕事に行けなかろうが、年金で暮らしているのだから関係ないわけです。

こうなると政治家は票田である高齢者を気にして経済対策はどうでも良くなる。新聞の世論調査でも

電力危険水域でも原発再稼働に反対しているのは誰か
(画像=『アゴラ 言論プラットフォーム』より引用)

永遠に鎖国していようという声が過半数です。

政治家は自分の責任で国の将来について判断しないといけないのだが、岸田総理のように支持率しか気にしないのであれば、結局は人口の多い「先を考えずリテラシーの低い高齢者」の志向に沿うことになる。

●日本は高齢者独裁
●政治は高齢者の意向に沿う
●高齢者はリテラシーが低くテレビに洗脳
●テレビは高齢者ウケのする番組を作る

という悪循環。本当に日本は滅亡に一直線ですよ。

電力危険水域でも原発再稼働に反対しているのは誰か
(画像=『アゴラ 言論プラットフォーム』より引用)

編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2022年3月22日の記事より転載させていただきました。

文・永江 一石/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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