ウクライナ情勢をめぐる国内の動き

ウクライナから遠く離れた日本も攻撃を受け、各企業でセキュリティ強化の動きが出ています。また、国内企業ではウクライナを支援する動きが多く見られます。

サイバーセキュリティ対策の強化

2022年3月1日、トヨタ自動車の取引先がサイバー攻撃を受けました。

これを踏まえ、経済産業省は、総務省や警察庁など6つの省庁と連名で、サイバー攻撃事案のリスクは高まっているとして注意と対策を促しています。

企業によるウクライナ支援

1.楽天

楽天グループ株式会社は、ウクライナを含む34カ国で音声コミュニケーションアプリ「Viber」の通話機能「Viber Out」を無料で利用できるプログラムを提供するとしています。

またウクライナとロシアにおいてはViber上からすべての広告を削除するとしています。さらに、ユーザーの合法的かつ自由な言論活動に関する情報は、いかなる政府とも共有しておらず、今後も共有しないと説明しています。

2.ソフトバンク

ソフトバンク株式会社は、ウクライナへ渡航中のソフトバンク、ワイモバイル、LINEMOを使うユーザーについて、3月3日から3月31日の「海外パケットし放題」のデータ通信料を無償にすると発表しました。

ソフトバンクは、「料金を気にすることなく情報収集や安否確認などができるように現地の通信料を無料にする」としています。

3.ZOZO

ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営する株式会社ZOZOは、ウクライナを支援するチャリティTシャツ「ウクライナ人道支援チャリティーTシャツ」を製作しました。

予約期間は2022年2月28日から3月14日までとなっています。売上は全額寄付され、ウクライナの人々の水や衣料、生活必需品の購入などの支援に充てられる予定です。

寄付金は合計28億3,771万5,060円に達しました。

ウクライナの「ライブ交通状況」がGoogleマップから消えた理由
(画像=▲ウクライナ人道支援チャリティーTシャツ:株式会社ZOZOプレスリリース、『口コミラボ』より 引用)

一般ユーザーの動き

世界中でロシアに対する非難の声が高まる中、ロシア料理店の口コミなどを利用し、ウクライナ侵攻についての書き込みをする一般ユーザーが増え、問題になっています。

日本のロシア料理店に誹謗中傷

Googleマップの口コミ機能を用いてロシア料理店に嫌がらせや誹謗中傷が書き込まれる例が世界中で相次いでおり、日本国内のロシア料理店も同じく被害を受けています。

Googleは、実際の体験や情報に基づかない投稿はポリシー違反としており、削除するなどの措置をとることで対応しています。

ロシア国内の口コミに政治的な書き込みが殺到

ロシア国内の人気レストランにも、ウクライナ侵攻に関する政治的な口コミ投稿が殺到しています。

ロイターの報道によると、人気のあるレストランのレビューにウクライナの写真を掲載することを計画しているユーザーもいるとのことです。

この動きを受け、Googleマップはロシア・ウクライナ・ベラルーシにある店や施設のレビューが表示されないように一時的なブロック措置を行いました。また、Googleの広報担当者はウォール・ストリート・ジャーナルの取材に対して、該当する地域からの新しい画像や映像の公開を停止したと述べています。

また、旅行口コミサイトの「トリップアドバイザー」にもウクライナ侵攻批判の書き込みが投稿されています。

トリップアドバイザーの広報担当者は、政治的な内容の書き込みを一時的に停止し、そのような投稿をしたユーザーをウクライナ侵攻について語るフォーラムに誘導する方針を明らかにしています。