サムスンSDIとポスコグループが、次世代技術として挙げられる全固体バッテリーへの投資に拍車をかけている。韓国メディア「The Public」が報じた。(写真:サムスンSDI研究所)

サムスンSDIは14日、京畿道水原市(キョンギド・スウォン)のSDI研究所内に全固体バッテリーモデル生産ライン(Sライン)を着工したと発表した。

Solid(固体)、Sole(独歩的な)、Samsung SDIの共同の頭文字を引用して命名されたSラインは約6500㎡(約2000坪)規模で構築される予定だ。

全固体バッテリーは安全性とエネルギー密度が大幅に向上し、既存バッテリーの短所を補完した次世代「ゲームチェンジャー」と呼ばれる。

全固体バッテリーは有機溶媒がなく火災・爆発のリスクが低く、負極を黒鉛/シリコンの代わりにリチウム金属を採用してエネルギー密度が高いため充電速度が速い。これを受け、世界の全固体バッテリー市場も成長が予告されている。

サムスンSDIは、Sラインを構築することにより、大手バッテリー企業各社のうち、全固体バッテリー量産目標に最も近づくことになった。

2023年に小型バッテリー、2025年に中型・大型バッテリーの技術検証を終え、セル組み立て設備をはじめとする新規工法、インフラなどを導入し、2027年中に全固体バッテリーの量産に本格的に突入する方針だ。

別のバッテリーメーカーのLGエナジーソリューションとSKオンも2030年以内に全固体バッテリーの生産を計画しているという。

これに先立ち、サムスンSDIは独自リチウム金属の無負極構造を開発し、業界最高水準のエネルギー密度と高い安全性を確保している。この技術は「ネイチャーエネルギー」学術誌に掲載される栄誉を受けた。

サムスンSDIのチェ・ユンホ社長は「今回のSライン着工は、サムスンSDIが技術競争力強化を通じて真のトップ企業としての地位を確立するための礎になるだろう」と述べた。

一方、同日、ポスコグループも慶尚南道梁山市(キョンサンナムド・ヤンサン)に電気車用の全固体電池の核心素材である固体電解質工場を着工したと発表した。

ユ・ビョンオクエコ未来素材チーム長は着工式で「世界的な気候変化に対応するためエコカー市場が急成長しており、電気車の安定性確保と走行距離向上などが業界の核心イシューに浮上している」と説明した。

続いて「ポスコグループはこうした市場変化に先制的に対応するため、正・負極材などの生産能力拡大とともに次世代バッテリー素材に対する持続的な投資と技術革新で二次電池素材事業のポートフォリオを多角化し、グローバル競争力を強化していく」と約束した。

これに先立ち、ポスコグループは今月2日、ポスコホールディングスを発足させ、環境に配慮した未来素材の代表企業に生まれ変わるという目標を提示した。

二次電池素材事業を7大核心事業の一つに選定し、正・負極材の生産能力拡大とともに次世代バッテリー素材市場を先取りするため、全固体電池用素材を開発するという計画だ。

提供元・コリア・エレクトロニクス

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