コンピューティング業界はウクライナ事態や部品需給難の長期化などの要因で、半導体の注文量を増やしているが、生産問題が変化要因として浮上している。全世界にネオンガスの半分を供給するウクライナ企業が営業を中断し、装備供給にかかる期間も長くなっているため、生産に支障が出る恐れがある。韓国メディア「sisajournal」が報じた。(写真:sisajournal-e)

14日、半導体業界によると、主要サーバ、パソコンメーカーを中心に半導体の注文量が増えた。昨年から続いた部品供給難に続き、ロシアのウクライナ侵攻で地政学的な不確実性が高まり、在庫を十分確保しておこうとしている。長期契約の比重も増えている。

半導体業界関係者は「供給網のイシューが長期化している上、ウクライナ事態まで重なって安全在庫を確保しようとする心理がある」とし「大規模データセンター運用企業の在庫水準は普通5~6週間程度だったが、昨年は7~8週間程度に増えた後、今は10~12週間程度になった。それだけ費用がかかるが、不安のため在庫を積み続けるしかない」と述べた。

続いて「パソコンの場合、ここ数年間、家庭で製品を確保したとすれば、今は企業で需要を増やしている。サーバ会社も投資を大幅に拡大している状況だ」とし「全般的な需要が良い方で、半導体価格上昇時点も既存の下半期から第2四半期に早まっている」と説明した。

メモリ現物価格も上昇傾向を示している。市場調査会社DRAMエクスチェンジによると、先週のDRAM価格は製品別に0.2~0.8%程度下落したが、NAND型フラッシュは2週連続で上昇した。NAND型フラッシュ・マルチ・フレーベルセル(MLC)64ギガバイト(GB)現物価格は、3月第1週に10.9%急騰したのに続き、先週も5.7%上昇した。

このため、半導体業況は供給者優位の構図に転換している。顧客会社の注文量拡大を受け入れるかどうかは、供給会社の決定にかかっている。通常、第1四半期の半導体市場はオフシーズンに分類されるが、今年は需要が安定している。

供給には赤信号が灯った。ロシアのウクライナ侵攻で、半導体の希少ガス需給に支障が生じかねず、装備搬入の時期も遅れている。

ロイター通信によると、ウクライナのネオンガスメーカーの「インガス」と「クライオイン」は最近、ロシアからの攻撃を受け、工場の稼動を中止した。両社はそれぞれウクライナのマリウポルとオデッサに生産基地を置いているが、この地域はロシアの攻撃を受けた。ネオンは半導体露光工程に必要な核心原料で、インガスとクライオインのネオン生産量は全世界の割合の45~54%に達する。

サムスン電子とSKハイニックスなどは3ヵ月水準の在庫を確保し、短期的には生産に大きな影響はないという立場だ。ただ、最近になってネオン価格が急騰しているため、両国の戦争が長期化する場合、打撃は避けられない。また、大手企業とは違って、中小企業は取引先の多角化が容易ではなく、物量確保に困難を来たしているという。

装備需給遅延による半導体生産リスクは現実化している。供給網危機による部品不足で装備入庫が遅延し、半導体生産量が減少する見通しだ。

半導体業界の関係者は「昨年末までは発注した物量を約束した時点に合わせると言っていたが、装備が入ってこない。上半期に入るはずの装備が遅れると連鎖的な影響を受けざるを得ない」とし「装備が導入されウエハーが出るまで約6カ月かかる。今は問題がないかもしれないが、第3四半期末や第4四半期には半導体生産量が減少する可能性がある」と見通した。

また別の業界関係者も「今、装備を発注しても来年に受けることができるかどうか確答を得ていない状況」とし「発注を繰り上げて装備会社に協力を求める方式でボトルネック現象を最小化し、半導体需要に合わせることができるよう総力を尽くしている」と述べた。

提供元・コリア・エレクトロニクス

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