今年もまもなくF1のシーズンが始まる。メルセデスとレッドブルの2大チームの熾烈な争いに、フェラーリやマクラーレンなどの古豪がどう絡んでいくか、モーターレースファンにとっては興味が尽きないところだろう。エコエンジンの技術革新など、時代の流れを受けてモータースポーツ全体が大きな変革期を迎えており、世界最高峰のレースであるF1もより高度な技術の争いになっている。そんななかでも、F1のコンストラクターと時計ブランドの関係は相変わらず良好だ。
そもそもロレックスのデイトナ、オメガのスピードマスターといった人気モデルも、多くのレーサーが愛用してきたという歴史的な背景があることはよく知られており、時計の進化においてモーターレースとの関係は不可欠なものだった。またチームのスポンサードや公式時計の供給など、多くの時計ブランドが現在に至るまで様々な形でレースのサポートを続けてきている。主要コンストラクターや人気レーサーとのコラボモデルも多く存在し、フォーミュラカーをイメージした時計デザインは市場での人気も高い。
モーターレースがクルマの進化に大きく寄与してきたように、レースとのコラボは時計の進化に欠かせないものだ。正確なタイム計測に欠かせないクロノグラフ機能はもとより、堅牢性や耐震性の追求、新素材を使った外装、スポーティブでエンスージアストに訴求しやすいデザインなどは、レーシングインダストリーとの密接な関係性がなければ発展し得なかった。今回はF1などのモータースポーツとゆかりが深いモデルをピックアップして紹介しよう。
タグ・ホイヤー フォーミュラ1 クロノグラフ レッドブル レーシング スペシャルエディション

■Ref.CAZ101AL.FT8052。SS(43mm径)。200m防水。クォーツ。23万6500円
F1でもコンストラクターズチャンピオンの座を狙う強豪チーム、レッドブルとタグ・ホイヤーとのコラボモデル。両者は過去にも数種類のコラボモデルをリリースしているが、今回のフォーミュラ1はサンレイ仕上げのブルーダイアルに赤と黄色の差し色が効いており、そこにロジウムプレートの針とインデックスを合わせて抜群の視認性を誇る。裏ブタにはチームのロゴが刻印されており、2時位置のプッシュボタンには赤いラッカーの塗装が入っている。ボリュームのあるタキメーターベゼルもインパクト満点。クォーツムーヴメントを採用する。
【問い合わせ先】LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー TEL.03-5635-7054
ゼニス デファイ エクストリーム E 「Desert X Prix」 エディション

■Ref.10.9100.9004-1/23.I303。カーボン×TI(45mm径)。20気圧防水。自動巻き(エル・プリメロ9004)。世界限定20本。313万5000円
砂漠や熱帯雨林、氷河、北極圏などを舞台に行われる電動ラリーレース“エクストリームE”。本作はその設立パートナーおよび公式タイムキーパーを務めるゼニスが、同レースのために制作した限定エディションだ。特徴は21年のファーストシーズンのレースで使われなかった様々なアイテムをアップサイクルして組み込んだ、頑丈な防水性と耐衝撃性を備えたケースである。たとえばケースのフタのコーティングにはE-Gripのリサイクルタイヤが、プレートのカバーにはエクストリーム Eレーシングの防水カバーの部品が使われている。さらにベルトもファーストシーズンのレースで使われたリサイクル コンチネンタル タイヤの素材を含むラバー製だ。
【問い合わせ先】LVMH ウォッチ・ジュエリージャパン ゼニス TEL. 03-3575-5861