「不動産投資を始めたい」と思っても、タイミングがわからず踏み出せない人も多いのではないでしょうか。不動産価格に関わる市場を見極めてスタートできるのがベストですが、市場を予測することは不可能なので、思い立ったときが始めどきだとはよくいわれます。とはいえ、具体的にどんなことをポイントに意思決定すればよいのでしょうか?今回はさまざまな角度から不動産投資を始めるタイミングについて解説します。

目次
不動産投資を始めるのに適した年齢は?
不動産投資を始めた方がよいタイミング5つ
 ・低金利でローンの借入れができるとき
 ・良い物件と出会ったとき
 ・不動産価格が下がっているとき
 ・融資してくれる金融機関が見つかったとき
 ・不動産投資に本気で取り組みたくなったとき

不動産投資を始めるのに適した年齢は?

不動産投資は、成人していれば始められます。とはいえ、多くの不動産投資家は、不動産投資ローンを利用して収益物件を購入するケースが多いため、金融機関の融資を基準として投資の開始年齢を判断するのがよいです。 例えば、以下のようなタイミングが挙げられます。

  • サラリーマンであれば、企業に就職して3年以上経過したとき
  • 購入したい物件価格に対して1~2割程度の自己資金が貯まったとき
  • 相続を考え始めたとき

金融機関が扱う不動産ローンには、審査基準として「給与所得者の場合は、原則として勤続年数が3年以上必要」という条件を規定していることがあります。逆にいえば、勤続年数が3年以上であればこの基準はクリアしている、ということになるので、20代の若い方でも不動産投資を開始することは可能です。

また、不動産投資家の中にはフルローンで物件を購入しているケースもありますが、金融機関によっては物件価格の1~2割程度の自己資金を用意しておかなければ融資対象にならない場合もあります。例えば、1,500万円の投資用ワンルームマンションを購入したいときは、150万~300万円程度の自己資金を準備できたときが投資のタイミングといえます。

さらに、60歳以上の方で、財産を子どもや孫へ引き継ぐことを検討しているとき、現金や有価証券等をそのまま相続するよりも、不動産を購入しておいて土地と建物として、または賃貸物件として相続した方が相続税の節税になります。

理由として、不動産を相続するときは、収益物件を買ったときの価格や時価ではなく、土地の評価額は「路線価方式」か「倍率方式」、建物の評価額は固定資産税評価額に1.0を乗じたもので計算されるからです。現金の時価よりも不動産の相続税評価額の方が低くなるケースが多く(相続税路線価は、原則、地価公示価格の8割)、それだけ相続税の節税につながる、ということになります。

なお、上で挙げた例以外にも不動産投資を始めるタイミングはいくつかあるので、主なポイント5つをご紹介していきます。

不動産投資を始めた方がよいタイミング5つ

不動産投資を始めるにあたって「不動産市場の影響で物件価格が安く買えて収益性の高い物件を、金融機関が低金利で貸してくれるときに買いたい」というのが我々の本音です。しかし、そのようなタイミングはまず訪れないでしょう。ではどのようなときに不動産投資を始めるのがよいのでしょうか?

低金利でローンの借入れができるとき

不動産投資は借入額も大きいため、金利の違いは支払総額にとても大きく影響します。金利が低いときにローンを組めれば返済総額は少なくて済みます。いまは、バブルの時代とは比較にならないほどの超低金利時代が訪れており、借入れする人の条件によって、金利は1.5%くらいからあります。

開始する年齢も早い方が良い面もあります。20代で不動産投資を始めれば、50代や60代前半でローンは完済することになります。繰上返済をしていけば、40代で完済することもでき、家賃収入がそのままあなたの収入になります。

良い物件と出会ったとき

不動産投資が成功するかどうかは、物件選びにかかっています。「新築か中古か?」「首都圏か地方か?」「一棟か区分所有か?」など、どのような物件に投資するか決まっていて、なおかつ良い物件に出会ったならば投資を始めるタイミングと言えます。

なかでも都心部のワンルームマンションへの投資は、初心者に最適と言われています。都心の中古マンション一室であれば2,000万円程度から始めることができ、総投資額を抑えることも可能。さらに都心のワンルームマンションは不況時でも需要が安定している傾向があるので、まずはワンルームマンションからチェックするのもひとつの手です。

不動産価格が下がっているとき

不動産も少しでも安く購入したいと誰しも思うものですが、需要が高い物件を安く手にするのはなかなか難しいかもしれません。不動産市場において価格が適切かどうかを判断できるようになるため、日頃から不動産か価格をネットで調べておくのは有益です。

一方で、「今後需要が見込まれるエリア」を探し、物件価格が上昇する前に購入するのも考え方のひとつです。上場企業の本社が近くにある、再開発が見込まれる、学校が多いなどの条件が揃うエリアが見つかれば、検討してみる価値は大いにあるでしょう。

融資してくれる金融機関が見つかったとき

金融機関は必ず返済してくれそうな人にお金を貸したいものです。勤続年数や収入、信用情報や自己資金などの属性と、購入する物件の収益性を総合的に審査し融資の可否が決定されます。住宅ローンと比べて審査基準も厳しくなります。

ただし、審査では総合的にチェックされるため、たとえ年収だけ高くても落ちてしまう可能性があります。また、持病があるとローンの条件が厳しくなる場合があります。今の自分の属性で融資してくれる金融機関があるならば、不動産投資をなるべく早く始めておく方が得策でしょう。

不動産投資に本気で取り組みたくなったとき

不動産投資を始められない大きな理由は「心理的障壁」といわれています。空室リスク、金利上昇リスク、人口減少リスク、破産リスクなど、不動産投資には多くのリスクがあるためです。

しかし、事業にリスクはつきものです。現在の状況下で、地道な努力を続けて成功に導くのが、不動産投資の醍醐味ともいえます。たとえば、良い不動産営業マンを探すのも、腕の良い内装業者さんを見つけるのも自分次第です。やりたいという気持ちがあるかどうかが何よりも大事です。