SKハイニックスが昨年、メモリ半導体NANDフラッシュ事業で小幅な成長を遂げた。これに買収第1段階の手続きを完了したソリダイム(旧インテルNAND事業部)を含めれば、業界2位まで上がる。一時高い買収費用で「勝者の呪い」論議に巻き込まれたNAND事業部の買収が成功裏に定着するか注目される。韓国メディア「WIKIKOREA」が報じた。(写真:SKハイニックス利川M16ファブ全景=SKハイニックス)

1日、台湾の市場調査機関トレンドフォースによると、昨年第4四半期に全世界NANDフラッシュメモリの売上は、前四半期より2.1%減の184億8千万ドル(約22兆521億ウォン、約2兆1355億円)となった。

市場状況が供給過剰に転換し、NANDフラッシュ平均販売価格(ASP)は、前四半期より5%近く下がったとトレンドフォースは説明した。データセンターの需要は地道に維持されてきたが、パソコンの相手先製造方式(OEM)のクライアントSSDの在庫切れや中国スマートフォンの需要減少などにより、NAND供給過剰があった結果だという。

ただ、年間基準で見れば、昨年のNANDフラッシュの売上は、前年より21.1%増の686億ドル(約81兆8千603億ウォン、約7兆9271億円)と集計された。非対面サービスとデータセンター需要に拡大した影響と分析される。

NANDフラッシュ部門1位のサムスン電子は、第4四半期にも33.1%のシェアで1位を記録したが、第3四半期の34.5%から1.4%下落した。同期間、NANDの売上は、前四半期より6.1%減の61億1千万ドル(7兆2千898億ウォン、約7060億円)を記録した。

SKハイニックスの場合、平均販売価格が10%近く下落したにも関わらず、売上は前四半期より2.8%増の26億1千500万ドル(約3兆1千210億ウォン、約3022億円)と集計された。市場シェアは前四半期より0.6%増えて14.1%と集計された。これも今年第3四半期(13.5%)に比べて小幅に上昇した数値だ。

SKハイニックスが買収第1段階の手続きを終えたソリダイムのシェアは5.4%で6位だった。前四半期比0.5%ポイント下落した。SKハイニックスはソリダイムとシェアを合わせると、19.5%で2位に上がる。これは日本のキオクシア(19.2%)を上回る数値だ。続いて米ウェスタンデジタル(14.2%)とマイクロン(10.2%)がそれに続いた。

SKハイニックスは昨年第3四半期、NAND事業で黒字転換に成功し、破竹の勢いを見せている。同社は「128段製品の競争力を土台に市場平均を大きく上回る販売量増加率を記録したため、年間基準でも黒字を記録した」と話した。

SKハイニックス側は昨年第3四半期業績カンファレンスコール当時、「10ナノ級3世代(1z)DRAMや128段4D NANDなど主力製品の歩留まりを高めると同時に生産比重を拡大して原価競争力を改善し、4兆ウォン(約3838億円)台の営業利益を記録した」とし「これまで赤字が続いてきたNAND事業が黒字に転じた」と明らかにしている。

NAND事業は、規模の成長を持続的に追求するという計画だ。SKハイニックスはインテルのNANDフラッシュ事業部門を10兆3104億ウォン(約9891億円)で買収するビッグディールを完了した。SKハイニックスは昨年12月、米インテル(Intel)のNANDフラッシュ事業部を買収する第1段階の手続きを完了したと発表した。中国の規制当局が企業結合を最終的に承認したことによる結果だ。

会社は当時、インテルSSD事業を運営する米国の新設子会社の社名を「ソリダイム(Solidigm)」と決めた。買収が完了すれば、NAND業界2位に浮上する見通しだ。会社は販売量が昨年対比約2倍に増えるものと期待している。

一時、NAND事業部の買収は、高価だという世間の評価を受けただけに、成功として働くかどうか関心が集まっている。ビッグディールを実現したとしても適正価値より高く買収したといういわゆる「勝者の呪い」論議が起こっている。

SKハイニックスは先月28日、2021年第4四半期の業績発表カンファレンスコールで「ソリダイム合併で最大の変化は合算シェアの増加になるとみられる」とし、「SKハイニックスのNAND市場シェアは2位を占めると予想する」と明らかにした。続いて「SSD(企業用ソリッドステートドライブ)領域でインテルの技術的理解に基づいた製品を自ら開発できるという点は大きく役立つだろう」と述べた。

トレンドフォースは今年第1四半期の見通しについて「オフシーズンの影響でほとんどの応用先で供給過剰現象が深刻化し、価格がさらに落ちる」とし「価格下落と出荷量減少などの影響で市場規模が縮小するとみられる」と見通した。

提供元・コリア・エレクトロニクス

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