黒坂岳央(くろさか たけを)です。

ビジネスや学業で大きな成果を出す人と、そうでない人を分ける差はいろいろな要素が絡み合っている。そのため、「成功者はこれが違う」と十把一絡げに一言で断定することは難しい。

成功する人間がする質問は一般人と「ここ」が違う
(画像=skynesher/iStock、『アゴラ 言論プラットフォーム』より 引用)

だが、あえて大きな相違点を取り上げるなら「質問力」だと筆者は思っている。「この人は賢いな」「この人は将来、間違いなくうまくいく」そう感じさせる人は、質問の仕方がまったく違うと感じさせられる事が少なくない。本稿ではその根拠を示すとともに、質問力を高めるための思考も取り上げたい。

調べて分かる質問はしない方が良い

筆者は質問は「内面の思考回路」が表面化するものだと考えている。つまり、相手の質問を観察することで、その人の思考力はかなりの程度わかってしまう。

たとえば、手に持っているスマホで調べれば、たちまち数秒間でわかることを質問する人がいる。「この用語ってどういう意味ですか?」といった質問だ。こうした人は思考するという行為の否定に留まらず、質問をされた相手の立場を考えていない。つまり、「ビジネス感覚のない人」と見ることができる。

質問を受けた側には、いい加減な回答を出すわけにはいかないから、質問者のために一生懸命調べて答えを出すことになる。この一連のやり取りの本質は、自分がやりたくないタスクを相手に押し付けているわけだ。王様と家来の関係であればこれでも問題はないだろうが、取引先など対等な立場の場合に、このような態度を取っていては相手から敬遠されてしまうだろう。

顧客から質問が来た時に取るべき対応

だが、このような状況においても「必ずしも質問者が悪い」と言い切れない側面もある。

特にビジネスを仕掛ける側にとっては、顧客から基本的な質問が来てしまう状況は無視できない。複数の相手から似たような質問が来るようなら、顧客が回答を見つけることができない状況が起こっていることを意味する。その場合はFAQを充実させたり、顧客にとってわかりやすいサイトを構成するなど改善の余地があるだろう。

筆者はオンラインで英語多読の勉強法を指導する立場だが、受講生さんから質問が来た場合は積極的に記事や動画、FAQにしてきた。これを続けたことで、質問そのものも減った。受講生さんが自ら答えを発見できるようになったからだ。その結果、サービスの質の向上につながったわけだ。だからお客さんからの質問には敏感でなければ、ビジネスマンは務まらないと考えている。