米スーパーマーケット最大手のクローガーは、時間給従業員の平均時給が17ドル(約2000円)に達したことを明らかにした。福利厚生を考慮に入れると平均時給は22ドルを超えるという。
パンデミック(感染症の世界的大流行)のさなかでも業績を伸ばしている米大手小売業の間では、従業員の待遇改善の動きが広がっている。クローガーの2021年度(22年1月期)決算は、営業利益が前期比32.5%増の36億ドルと大幅な増益だった。感染症対策関連のコストが減少したぶんなどを、従業員の待遇改善に当てた。
米ディスカウントストア大手のターゲットは先頃、従業員の最低時給を職種や地域によって15〜24ドルの範囲に設定すると発表しており、大手が先導する待遇改善の動きが今年も続きそうだ。
クローガーやターゲットの好調な業績を引っ張っているのはデジタル化だ。クローガーの21年度のデジタル(インターネット通販)売上高は、パンデミック前の19年度と比べて113%増だった。
ネットで注文した商品の受取方法は、宅配、店頭での受け取り、駐車場での受け取りの3種類があるが、クローガーでは配送手数料のかからない店頭および駐車場での受け取りが特に伸びている。
21年度の既存店売上高は前年度比0.2%の微増だったが、19年度との比較では14.3%増と2ケタの伸びとなった。21年度第4四半期(21年11月〜22年1月)では既存店売上高が前年同期比4%増と勢いを増しており、市場予想を上回った。
提供元・DCSオンライン
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