米国ETF「VOO」を徹底解説!リターンや配当月は?QQQやSBI・V・S&P500インデックス・ファンドとの違いは?
(画像=mathieu/stock.adobe.com)

VOOはS&P500に連動する米国ETFとして人気が高い銘柄です。年4回の分配金があり、低コスト運用も可能なため、長期投資に適しています。ネット証券なら無料で購入可能です。しかし、投資信託や東証ETFでS&P500に投資する方法もあるため、違いを比較して投資を検討しましょう。

VOOとは?知っておきたい人気米国ETFの基本情報

Q.VOOはどのようなETFですか?
A.S&P500に連動する米国ETFです。低コストファンドで有名なバンガード社が運用しており、長期投資に適しています。S&P500の構成銘柄は、米国の大型株が中心です。株式市場で評価の高い企業に投資できます。

米国ETFで長期投資をするならVOOは選択肢に入れておきたいETFです。S&P500は、米国株のインデックス投資では代表的な投資先になります。各産業の成長企業や伝統的な企業に分散投資が可能です。

米国ETF「VOO」を徹底解説!リターンや配当月は?QQQやSBI・V・S&P500インデックス・ファンドとの違いは?
(画像=Wealth Bridge編集部)

VOO(バンガードS&P500 ETF)とは?

VOOはS&P500に連動するETFで、米国大型株へ手軽に投資できます。分配金も年4回受け取れるため、値上がりを待ちながら長期的な投資が可能です。

世界最大の運用会社であるバンガード社のETF(上場投資信託)

VOOの正式名称は「バンガードS&P500 ETF」です。米国のS&P500に連動するバンガード社のETFとして人気があります。

ETF(上場投資信託)とは
証券取引所に上場している投資信託のことです。株式と同じようにリアルタイムで売買できます。

上場投資信託。証券取引所に上場され、株式と同様に売買されている投資信託。

出典:日本証券業協会

バンガード社は特定の指数への連動を目指すインデックスファンドの運用残高において、世界最大の運用会社です。「長期・分散・低コスト」のファンドを提供し続け、投資家から高い評価を得ています。バンガード社はファンドのコストを定期的に見直し、規模が大きくなるにつれてコストを段階的に引き下げてきた実績が豊富です。特に長期投資に適したファンドがそろっています。

VOOもバンガード社の代表的なETFであり、S&P500に投資したい人に有力な選択肢です。

VOOの投資対象

VOOの投資対象であるS&P500とは、米国の主要産業を代表する500社から構成される株価指数です。構成銘柄は時価総額順に組み入れられるため、大型株の比率が高く、米国株式市場の時価総額のおよそ80%をカバーしています。

時価総額とは
「株価×発行済株式総数」で計算され、株式市場における企業の規模を表します。

上場株式(個別銘柄あるいは上場銘柄すべて)が、どの程度の規模なのかを示すもの。個別銘柄の時価総額は、その株価に発行済株式数をかけたもので表すことができる。

出典:野村證券

つまりVOOは、米国を代表する500銘柄に分散投資するETFということです。S&P500の構成銘柄を個別に買って管理するのは大変ですが、VOOを通じて投資すれば非常に簡単に米国株にアクセスできます。

VOOの構成銘柄

VOOを構成するS&P500の銘柄を見てみましょう。

VOOの構成銘柄

  • アップル(AAPL)
  • マイクロソフト(MSFT)
  • アルファベット(GOOGL、GOOG)
  • アマゾン(AMZN)
  • テスラ(TSLA)
  • メタ・プラットフォームズ(FB)
  • エヌビディア(NVDA)
  • バークシャー・ハサウェイ(BRK.B)
  • ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)
  • ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)

出典:Vanguard、2022年2月17日時点

VOOには「GAFAM」と呼ばれる巨大テック企業を筆頭に、著しい成長を遂げているテスラやエヌビディア、歴史のあるバークシャー、巨大ヘルスケア企業たちが含まれています。

基本的に時価総額の大きい銘柄は、株式市場での評価が高いことを意味しています。時価総額の増減で構成銘柄は入れ替わるため、VOOを通じたS&P500への投資は、その時代に評価される上位企業から順に投資することになります。歴史的にも高いリターンが得られてきました。

VOOの分配月は年4回

VOOは米国株に投資するため、分配金も受け取れます。分配金は年4回あり、2021年は以下のスケジュールでした。

2021年 分配基準日 権利付最終日 分配金支払い日 1口当たり分配金
3月 3月29日 3月25日 3月31日 1.26250米ドル
6月 6月30日 6月28日 7月2日 1.33290米ドル
9月 9月30日 9月28日 10月4日 1.30840米ドル
12月 12月22日 12月20日 12月27日 1.53290米ドル

Vanguardの公式サイトより作成、2022年2月17日時点

分配金は基準日をもとに支払われますが、そのためには権利付最終日までにVOOの保有が必要です。権利付最終日の取引終了時までに保有していればよいため、翌日に売却してしまっても分配金は受け取れます。

VOOはいくらから買える?

ETFは投資信託と違って金額指定による買付はできず、米国ETFの場合は1口単位で購入可能です。最低投資額は、取引するタイミングによって異なります。

2022年2月17日時点のVOOの基準価額は410.59米ドルで、1ドル=115円で換算すれば、4万7,217円が最低投資額です。

VOOのリターンや分配金利回りはどのくらい?

Q.VOOへの投資でリターンは期待できますか?
A.2010年9月に設定されてから基準価額は、右型上がりで上昇しました。途中で値下がりすることもありますが、長期的に見れば短期的な下落で終わっています。分配金利回りも1.0%以上を期待できるため、値上がりを待ちながらじっくり保有しましょう。

VOOは長期的に上昇を続けているETFです。市場環境によってパフォーマンスの落ちる年もありますが、設定来で4倍以上になっており、長期保有することで含み益が徐々に増えていく傾向にあります。

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(画像=Wealth Bridge編集部)

VOOの基準価額チャート

VOOは2010年9月に設定され、過去には大きく下落したときもありましたが、長期的には右肩上がりのチャートを描いています。

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(画像=Yahoo!financeより引用)

基準価額は設定時から4倍以上で、長期的に保有すれば値上がり益を期待できることが分かります。出来高も通常時は1日500万口以上あるため、取引が成立しなかったり、想定より売買価格が乖離してしまったりといった状況になることもほとんどないといってよいでしょう。
出典:Investing.com、2022年2月18日時点

出来高とは
売買高ともいわれ、売買が成立した数量のことです。ETFの場合、買い100口と売り100口が成立すれば、出来高は100口になります。取引が活発になると、出来高も増えていくでしょう。

その日に売買が成立した株数のこと。

出典:日本証券業協会

VOOのリターン(騰落率)

期間 騰落率
1ヵ月 -4.01%
3ヵ月 -4.57%
6ヵ月 0.48%
1年 15.24%
3年 69.41%
5年 108.23%
年初来 -6.04%
設定来 412.46%

SBI証券の公式サイトより作成、2022年2月18日時点

上記の騰落率を見ても分かる通り、VOOは長期になるほど値上がり益が大きくなっています。これは長期間運用する間にリターンが積み上がり、短期的な変動に耐性ができるためです。短期で売買を繰り返すよりも、長期投資を心がけて運用する方が利益を得られやすいでしょう。

VOOの分配金利回り

VOOは年4回分配金があります。2021年12月実績の分配金利回りは1.53%でした。分配金利回りは基準価額と分配金の水準から計算されるため、毎回異なります。2022年1月末時点の予想分配金利回りは1.28%ですので、利回り水準は目安として考えておきましょう。
出典:BloombergVanguard

仮に300万円分を購入して上記の利回りで分配金を受け取るとすれば、利回りが1.53%なら4万5,900円、1.28%なら3万8,400円になります。

ETFと投資信託の分配金の違い

ETFの分配金は配当金と呼ばれることもありますが、正確には分配金といいます。配当金は上場企業が利益から支払うもの、分配金は運用会社が運用資産から支払うもので、ETFや投資信託に当てはまるものです。しかし同じ「分配金」でも、ETFと投資信託の分配金には違いがあります。

分配金は運用資産から支払うものです。投資信託の場合は、必ずしも利益から支払われるわけではありません。運用資産が値下がりしているにもかかわらず、元本を取り崩して無理に分配しているケースもあります。

一方でETFの場合、分配金の原資は配当や利息による収益でなければならず、運用資産を取り崩した分配はできません。つまりETFの分配金は、純粋な利益から支払われるものです。ETFの分配金は企業が支払う配当金に似た性格があり、配当金といわれることもあります。

VOOの純資産総額は90兆円以上

VOOの純資産総額は8,166億ドルあります(2022年1月末時点)。1ドル=115円の場合、日本円だと約94兆円もの金額です。日本で最大のETFでも純資産総額は約16兆円であるため、VOOがどれだけ巨大なETFかが分かります(2022年2月18日時点)。
出典:Vanguardモーニングスター

純資産総額が少なすぎる場合は繰上償還されることもありますが、過去に繰上償還された米国ETFは純資産総額が1億ドル未満のものがほとんどです。巨大な運用資産を誇るVOOは、繰上償還のリスクは心配ないといっていいでしょう。

VOOの4つのメリット

Q.VOOに投資するメリットは何ですか?
A.VOOへの投資はS&P500に投資することとほぼ同じであるため、米国500銘柄に分散投資することでリスクを抑えた投資が可能です。経費率も非常に低く、最低限のコストで主に米国大型株の成長を取り込んでいけます。

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(画像=Wealth Bridge編集部)

VOOは短期間で大きな利益を得られるものではありません。しかし、長期投資で利益が膨らんでいくことを期待できます。その間の運用コストも類似ファンドより抑えられており、1つのETFを保有するだけで分散投資も可能です。

VOOの4つのメリット

  1. 長期投資で利益を伸ばせる
  2. 米国の500銘柄に分散投資できる
  3. 米国大型株に投資できる
  4. 経費率が低い

長期投資で利益を伸ばせる

VOOは長期での実績が優れたETFです。設定から12年程度で基準価額が4倍以上になったことは前述しましたが、ベンチマークのS&P500を過去にさかのぼると、さらに高いリターンを得られていることが分かります。

ベンチマークとは
投資信託が運用成果の目標にする指標のことです。S&P500のインデックスファンドの場合、ベンチマークであるS&P500に連動することを目指し、アクティブファンドの場合はそれを上回る成果を目指します。

投資信託が運用成果の目安としている指標のこと。

出典:日本証券業協会

例えば、1992年1月から2021年12月末までの30年間では、S&P500の基準価額は10倍以上です。もし100万円を投資すれば1,000万円になる計算ですが、これは年利回り8.0%で運用できたことになります。途中で下げ相場の時期もありましたが、長期投資によって基準価額は上昇してきました。

米国の500銘柄に分散投資できる

VOOに投資することは、米国を代表する500銘柄に分散投資するのと同じ効果があります。分散投資は大きな失敗をしないための投資方法です。もし1社だけに投資していて、その1社が倒産すればダメージは計り知れません。銘柄を分散させておけば、悪材料を抱える企業が発生しても全体への影響は少なくできます。

例えば、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズは、2021年10〜12月決算を発表した翌日に株価が一時27%安にもなりました。メタはS&P500の構成銘柄ですが、もしメタに個別で集中投資していた場合、短期間でかなりのダメージを受けます。

しかしS&P500におけるメタの構成割合は2%もありません(2022年1月31日時点)。多少は影響を受けますが、全体としては微々たるものです。逆に1社が急騰した場合もプラスの影響は少なくなりますが、リスクを抑えて投資したい人にとって、500銘柄への分散投資はメリットになります。

米国大型株に投資できる

S&P500の銘柄は時価総額を考慮して組み入れられており、米国大型株が構成銘柄の中心です。大型株は一般的に小型株ほどダイナミックな値動きはしません。安定的に利益をあげながら成長し、平常時は株価変動も比較的落ち着いています。

米国大型株にはGAFAMのような巨大テック企業の他に、JPモルガンやビザ、コカ・コーラ、P&Gといった老舗グローバル企業も多数含まれます。これらの企業は世界中で事業展開し、豊富な資金力で買収を繰り返しながら成長を続けることも少なくありません。その結果がS&P500の長期的な上昇につながっているともいえるでしょう。

VOOは大型株の比率が高いため、小型株に投資したい人にはあまり向いていませんが、米国を代表する大型株に投資したい人にはぴったりの投資先です。

経費率が低い

ETFは運用にかかるコストを経費率として表します。VOOの経費率は0.03%と非常に低い水準です。類似ファンドの平均経費率は0.80%であるため、25分の1以上も低いことになります。
出典:Vanguard、2022年2月21日時点

もし100万円を投資すれば、年間の経費率はVOOの場合は300円、類似ファンドの場合は8,000円です。運用コストに大きな違いが出ます。経費率は保有中に継続してかかるコストであるため、中身が同じようなETFを購入するなら、経費率が低いに越したことはありません。

VOOの5つのデメリット

Q.VOOにはどのようなデメリットがありますか?
A.VOOは基準価額が高く、1口でも5万円程度の金額が必要です。分配金を自動で再投資もできないため、少しずつ買い増ししたい人にはあまり向いていません。日本円から米ドルに交換するときに為替手数料がかかることや、分配金が現地と日本で二重に課税されることもデメリットです。

魅力的な銘柄であるVOOですが、デメリットもあります。投資の際はデメリットも把握したうえで判断するようにしましょう。

米国ETF「VOO」を徹底解説!リターンや配当月は?QQQやSBI・V・S&P500インデックス・ファンドとの違いは?
(画像=Wealth Bridge編集部)

最低投資金額が高い

VOOはETFのため、金額指定では買えません。1口単位で購入できます。2022年2月18日時点の基準価額は398.98米ドルで、1米ドル=115円だと4万6,000円近くになる計算です。

最低投資額が高くてもまとまった金額で購入する場合は問題ありませんが、毎月少額ずつ購入したい人にはハードルが高いでしょう。その場合は、S&P500に連動する他のETFを検討します。

SPLG(SPDRポートフォリオS&P500 ETF)もVOOとほぼS&P500をベンチマークにしたETFですが、基準価額は51.41米ドルです(2022年2月17日時点)。6,000円程度から購入できますので、より少額で投資したい人に向いています。

米国の小型株には投資できない

VOOは主に米国大型株に投資しており、小型株までカバーできません。小型株は値動きが激しい傾向にありますが、米国経済が好調なときは大型株以上のパフォーマンスを発揮するでしょう。

大和証券のレポートによると、米国の小型成長株の動きを表すラッセル2000グロース指数は、2020年までの20年間の騰落率がS&P500よりも約1.9倍高かったと報告されています。
出典:大和証券『米国小型成長株の見通し(2021年6月24日)』

そのため、米国経済の好調時など小型株に追い風となる場面では、大型株に投資するVOOはリターンが相対的に小さくなる可能性があるでしょう。

為替手数料がかかる

VOOは米国ETFであるため、購入するには日本円を米ドルに交換しなければならず、為替手数料がかかります。手数料は証券会社ごとに異なりますが、主要ネット証券では1米ドル25銭が一般的です。

証券会社によっては買付の為替手数料が無料だったり、系列の銀行で安く交換して無料で証券口座に入金できたりするところもあります。

一方、投資信託や東証上場ETFであれば米ドルを自分で用意する必要がないため、為替手数料の直接の負担はありません。

確定申告しなければ分配金が二重課税になる

米国ETFの税金には、売却益にかかる譲渡益課税と分配金にかかる配当課税があります。譲渡益課税は日本国内のみで課税され、問題ありません。しかし、配当課税は現地で10%、日本国内で20.315%の二重課税です。

例えば、1米ドル=100円のとき、100米ドルの分配金を受け取った場合の税金は以下のように課税されます。

(1)米国……分配金100米ドル×税金10%=税額10米ドル
(2)日本……税引き後90米ドル×為替100円×税金20.315%=税額1,828円
(3)日本……税引き後90米ドル×為替100円−税額1,828円=受取金額7,172円

二重課税を避けるには、確定申告をして「外国税額控除」を受けなければいけません。外国税額控除が適用されることで、米国で徴収された10%分を取り戻せて、支払う税金は20.315%のみですむようになります。

ただしNISA口座の取引は、外国税額控除の適用を受けられないため気を付けましょう。

分配金を自動で再投資できない

ETFは受け取った分配金を自動的に再投資できません。投資信託の場合は分配金を自動的に再投資できるため、無駄なく複利運用を実践できます。

複利とは
投資で得た利益を元本に追加して、雪だるま式に利益を膨らませていくこと。利息や配当金、分配金を再投資することも複利運用の一種です。

元本に利息を足し合わせたものを新たな元本として利息を計算すること。

出典:投資信託協会

ETFも自分で購入手続きをすれば、受け取った分配金で再投資は可能です。しかし、投資信託のように金額指定で買付はできないため、分配金が少額で最低投資額に満たない場合は買付できません。分配金を再投資するには、資金を追加して購入する必要があります。

VOOの3つの購入方法

Q.VOOの購入方法を教えてください。
A.現物取引によるスポット購入が一般的です。しかし、預り金の範囲内で購入する定期買付サービスを利用できる証券会社も増えてきました。リスクは伴うものの、CFD取引でレバレッジ投資ができるところもあります。

VOOに長期投資をするなら現物取引か定期買付サービスを利用しましょう。CFDはレバレッジをかけて投資ができるため、短期で大きな利益を狙えますが、急落時にはロスカットされるリスクが伴います。

米国ETF「VOO」を徹底解説!リターンや配当月は?QQQやSBI・V・S&P500インデックス・ファンドとの違いは?
(画像=Wealth Bridge編集部)

現物によるスポット購入

VOOの購入方法は、現物によるスポット購入が一般的です。現物取引は売買する有価証券と売買代金を受け渡す通常の取引のことで、証券口座の預り金の範囲内で購入できます。

VOOの場合は米国ETFであるため、購入したい金額分だけ米ドルが必要です。基準価額が400米ドルであれば、証券口座に400米ドル+手数料の金額を用意しなければいけません。日本円から直接購入もできますが、そのときの為替レートにより必要な日本円金額は異なります。

定期買付サービス(積立投資)

定期買付サービスはその都度スポット購入するのではなく、1ヵ月ごとなど定期的に買付する方法です。自分で購入のタイミングを図る必要はありません。コツコツ買い増しをしていきたい人におすすめです。

投資信託の積立投資と仕組みは同じですが、ETFは金額指定による買付ができないため、預り金の範囲内または指定した口数で定期的に購入します。

定期買付サービスを利用できる証券会社は限られ、以下の主要ネット証券で利用可能です。

定期買付サービスを利用できる証券会社

  • 楽天証券
  • SBI証券
  • マネックス証券

CFD取引

CFDでVOOの売買もできます。

CFDとは
差金決済取引とも呼ばれます。証拠金を証券会社に預け、株式や株価指数、為替などを売買できますが、現物の売買は発生せず価格差のみで損益が発生する取引です。特徴は、証拠金の何倍ものレバレッジをかけて取引できます。FXもCFDの一種です。

証拠金を預託し、現物の授受によらず、取引開始時と終了時における有価証券や有価証券指数などの価格差によって決済を行う差金決済取引のこと。

出典:日本証券業協会

証拠金を元手にレバレッジをかけ、証拠金以上の投資金額でVOOを取引できます。例えば30万円の証拠金を預け、100万円の取引をした場合、10%値動きがあれば10万円の損益が発生するでしょう。

投資金額が大きれば短期間で利益を出せる一方、急落によって大きな損失を被ることもあります。一定以上の含み損になった場合、強制的に決済されるロスカットが発生することもあるため、注意が必要です。

VOOを購入できるおすすめ証券会社4選

Q.VOOを購入できるおすすめの証券会社はありますか?
A.手数料の安いネット証券がおすすめできます。楽天証券、SBI証券、マネックス証券は買付手数料無料、DMM株は売り買いともに無料です。手数料はほぼ横並びですが、定期買付の機能や為替手数料、取引時間など異なる点もあるため、比較して口座開設しましょう。

  VOOを購入できるおすすめ証券会社
  楽天証券 SBI証券 マネックス証券 DMM株
VOO 対応取引 現物 現物 現物 現物
定期買付
取引単位 1口 1口 1口 1口
取引手数料 買付無料 買付無料 買付手数料キャッシュバック 売買無料
為替手数料 0.25円 0.25円 買付無料
売却0.25円
0.25円
決済方法 外貨決済
円貨決済
外貨決済
円貨決済
外貨決済
円貨決済
円貨決済
NISA対応
取引時間
(サマータイム)
23:30〜6:00 23:30〜6:00 22:00〜10:00 23:30〜6:00
(22:30〜5:00) (22:30〜5:00) (21:00〜9:00) (22:30〜5:00)
米国ETF取扱数 363 339 351 185
米国ETF取引手数料 0.495% 0.495% 0.495% 無料
最低手数料 0米ドル 0米ドル 0米ドル
上限手数料 22米ドル 22米ドル 22米ドル
おすすめポイント ・VOOの買付手数料無料
・高評価の「iSPEED」で取引できる
・楽天ポイントを買付代金に充当可能
・VOOの買付手数料無料
・為替手数料が0.04円になる
・貸株サービス「カストック」で金利収入を受け取れる
・VOOの買付手数料キャッシュバック
・米ドルの買付為替手数料無料
・定期買付に分配金再投資サービスがある
・取引時間が最大12時間
・売買手数料無料
・VOOを国内株信用取引の担保にできる
・初心者向けの「かんたんモード」で取引できるスマホアプリ

楽天証券SBI証券マネックス証券DMM株の公式サイトより作成、2022年2月22日時点

楽天証券……楽天ポイントでVOOが購入できる

米国ETF「VOO」を徹底解説!リターンや配当月は?QQQやSBI・V・S&P500インデックス・ファンドとの違いは?
(画像=楽天証券より引用)
  楽天証券
VOO 対応取引 現物
定期買付
取引単位 1口
取引手数料 買付無料
為替手数料 0.25円
決済方法 外貨決済円貨決済
NISA対応
取引時間
(サマータイム)
23:30〜6:00
(22:30〜5:00)
米国ETF取扱数 363
米国ETF取引手数料 0.495%
最低手数料 0米ドル
上限手数料 22米ドル
おすすめポイント ・VOOの買付手数料無料
・高評価の「iSPEED」で取引できる
・楽天ポイントを買付代金に充当可能

楽天証券の公式サイトより作成、2022年2月22日時点

楽天証券でVOOを購入するメリット

楽天証券はVOOの買付手数料が無料です。購入はウェブからもできますが、スマホではトレードアプリ「iSPEED」も利用できます。「iSPEED」はPCアプリ並みに豊富な投資情報のあるアプリで、App Storeで4.4の高評価を得るほど好評です(2022年2月22日時点)。アプリなら情報やチャートをすぐ確認できるため、スポット購入をする人はダウンロードしておきましょう。

楽天証券では楽天ポイントを米国ETFの買付代金に充当できるのも特徴です。ポイントの充当は一度設定をすれば、その都度手続きする必要はなく、定期買付にも適用できます。ただし、楽天ポイントを充当できるのは、円貨決済の場合のみのため注意しましょう。

楽天証券でVOOを購入するデメリット

楽天証券は他のネット証券に比べ、為替手数料が安くなる手段がありません。キャンペーンで安くなるときはありますが、それが終わると元の手数料に戻ります。VOOの買付は手数料無料とはいえ、1米ドル当たり片道0.25円かかる点はデメリットです。

楽天証券でのVOO購入がおすすめの人

  • アプリで投資情報を収集しながらVOOに投資したい人
  • 楽天サービスをよく利用し楽天ポイントをためている人
  • VOOを楽天ポイントで購入したい人

SBI証券……貸株サービス「カストック」で金利収入を受け取れる

米国ETF「VOO」を徹底解説!リターンや配当月は?QQQやSBI・V・S&P500インデックス・ファンドとの違いは?
(画像=SBI証券より引用)
  SBI証券
VOO 対応取引 現物
定期買付
取引単位 1口
取引手数料 買付無料
為替手数料 0.25円
決済方法 外貨決済円貨決済
NISA対応
取引時間
(サマータイム)
23:30〜6:00
(22:30〜5:00)
米国ETF取扱数 339
米国ETF取引手数料 0.495%
最低手数料 0米ドル
上限手数料 22米ドル
おすすめポイント ・VOOの買付手数料無料
・為替手数料が0.04円になる
・貸株サービス「カストック」で金利収入を受け取れる

SBI証券の公式サイトより作成、2022年2月22日時点

SBI証券でVOOを購入するメリット

SBI証券はVOOの買付手数料が無料のうえ、為替手数料も抑えて購入できます。通常の為替手数料は0.25円ですが、住信SBIネット銀行で交換すれば0.04円と大幅に下がり、日本円に戻すことまで含めれば最安です。無料でSBI証券の口座に送金もできるため、コストを抑えてVOOに投資できます。

長期投資をする人には、SBI証券の貸株サービス「カストック」もメリットです。

貸株サービスとは?
保有株を証券会社に貸し出して金利を受け取るサービス。

貸株サービスを提供している証券会社の中で、SBI証券のみ米国ETFの貸株に対応しています。貸し出している間も、配当は受け取り可能です。長期投資によって値上がり、配当、金利収入が期待できます。

SBI証券でVOOを購入するデメリット

SBI証券の米国株アプリは、国内株アプリほど機能が充実していません。徐々にアップデートしていますが、国内株アプリと比べれば情報も最低限に留まっています。しっかり情報収集しながら投資したい人には、物足りないかもしれません。

SBI証券でのVOO購入がおすすめの人

  • 往復最安の為替手数料でVOOに投資したい人
  • 長期投資の間に貸株サービス「カストック」を利用したい人

マネックス証券……最大12時間取引できる

米国ETF「VOO」を徹底解説!リターンや配当月は?QQQやSBI・V・S&P500インデックス・ファンドとの違いは?
(画像=マネックス証券より引用)
  マネックス証券
VOO 対応取引 現物
定期買付
取引単位 1口
取引手数料 買付手数料キャッシュバック
為替手数料 買付無料売却0.25円
決済方法 外貨決済円貨決済
NISA対応
取引時間
(サマータイム)
22:00〜10:00
(21:00〜9:00)
米国ETF取扱数 351
米国ETF取引手数料 0.495%
最低手数料 0米ドル
上限手数料 22米ドル
おすすめポイント ・VOOの買付手数料キャッシュバック
・米ドルの買付為替手数料無料
・定期買付に分配金再投資サービスがある
・取引時間が最大12時間

マネックス証券の公式サイトより作成、2022年2月22日時点

マネックス証券でVOOを購入するメリット

マネックス証券はVOOの買付手数料がキャッシュバックされ、実質無料で購入できます。米ドルの買付為替手数料も無料のため、手数料を気にせず投資できるネット証券です。

定期買付ではネット証券で唯一、分配金の再投資サービスを提供しています。指定した銘柄で分配金が支払われた場合に、分配金の金額を上限に買付を発注するサービスです。分配金が1口の買付金額に満たない場合は、外国株口座の預り金を自動で充当するオプションも利用できます。

他社よりも取引時間が長いこともメリットです。現地の米国株式市場は通常の立会時間の前後にプレ・マーケットとアフター・マーケットがあります。マネックス証券はその時間帯にも取引が可能です。他社で6時間半の取引時間が、マネックス証券では最大12時間まで取引できます。

マネックス証券でVOOを購入するデメリット

マネックス証券のVOOの買付手数料はキャッシュバックされますが、消費税までは戻ってきません。キャッシュバックの対象は税抜金額の手数料のため、完全無料でないことは他社と比べてデメリットです。

米ドルの買付為替手数料も恒常的に無料というわけではありません。無料期間は継続していますが、定期的に見直されており、有料に戻ることも考えられます。その場合、為替手数料を抑える手段は今のところありませんので注意しましょう。

マネックス証券でのVOO購入がおすすめの人

  • 為替手数料をかけずにVOOに投資したい人
  • 定期買付で分配金を自動で再投資したい人
  • 最大12時間まで取引時間を確保したい人

DMM株……VOOを国内株信用取引の代用有価証券にできる

米国ETF「VOO」を徹底解説!リターンや配当月は?QQQやSBI・V・S&P500インデックス・ファンドとの違いは?
(画像=DMM株より引用)
  DMM株
VOO 対応取引 現物
定期買付
取引単位 1口
取引手数料 売買無料
為替手数料 0.25円
決済方法 円貨決済
NISA対応
取引時間
(サマータイム)
23:30〜6:00
(22:30〜5:00)
米国ETF取扱数 185
米国ETF
取引手数料
無料
最低手数料
上限手数料
おすすめポイント ・売買手数料無料
・VOOを国内株信用取引の担保にできる
・初心者向けの「かんたんモード」で取引できるスマホアプリ

DMM株の公式サイトより作成、2022年2月22日時点

DMM株でVOOを購入するメリット

DMM株は米国ETFの取引手数料が完全に無料です。買付のみ無料のネット証券が多い中、DMM株の場合は買付・売却ともに無料化しています。手数料をかけずに取引できるのがメリットです。

国内株の信用取引をする人も、DMM株で取引するメリットがあるでしょう。DMM株では、一定の米国株と米国ETFを信用取引の担保(代用有価証券)にでき、VOOもその対象に含まれています。VOOは長期的に上昇してきた実績もあるため、代用有価証券として比較的利用しやすいでしょう。

DMM株は初心者にも向いています。スマホのトレードアプリには「かんたんモード」が搭載されており、難しい用語や複雑な操作を必要とせずに取引が可能です。シンプルなレイアウトで直感的な操作ができます。これから米国ETF投資を始めたい人にもぴったりです。

DMM株でVOOを購入するデメリット

DMM株の米国ETFの取引は円貨決済のみとなっており、その都度0.25円の為替手数料がかかります。売却したときも日本円に戻されるため、米ドルのまま保有できません。売買手数料がかからなくても、必ず為替手数料がかかることには注意が必要です。

定期買付ができないことも、人によってはデメリットに当たります。スポットのみで購入する人には関係ありませんが、自動買付をしたい人は他社を検討した方がいいでしょう。

DMM株がおすすめの人

  • 売買手数料をかけずにVOOを取引したい人
  • VOOを担保に国内株の信用取引がしたい人
  • 初心者向けのシンプルなトレードアプリで取引したい人

VOOと代表的な米国ETFとの違いは?どれがおすすめ?

Q.VOOの他にはどのような米国ETFがありますか?
A.代表的な米国ETFにはSPLG、VTI、QQQ、SPYD、VTがあります。SPLGはVOOとほぼ同じETFですが、基準価額が低く購入しやすいです。他のETFは連動するベンチマークが異なるため、種類の違うETFとして考えましょう。

米国ETF「VOO」を徹底解説!リターンや配当月は?QQQやSBI・V・S&P500インデックス・ファンドとの違いは?
(画像=Wealth Bridge編集部)

代表的な米国ETFの比較表

  ベンチマーク 5年騰落率 分配金利回り 経費率 基準価額 純資産総額
VOO S&P500指数 99.12% 1.38% 0.03% 395.01米ドル 2,699億米ドル
4万5,426円 31兆385億円
SPLG S&P500指数 107.89% 1.38% 0.03% 50.53米ドル 134億米ドル
5,810円 1兆5,410億円
VTI CRSP USトータル・マーケット・インデックス 94.22% 1.35% 0.03% 216.90米ドル 2,851億米ドル
2万4,943円 32兆7,865億円
QQQ ナスダック100指数 169.98% 0.50% 0.20% 338.07米ドル 1,915億米ドル
3万8,878円 22兆225億円
SPYD S&P500高配当指数 50.02% 3.63% 0.07% 42.63米ドル 63億米ドル
4,902円 7,245億円
VT FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス 70.39% 1.97% 0.08% 99.05米ドル 252億米ドル
1万1,390円 2兆8,980円

※円換算は1米ドル=115円
SBI証券の公式サイトより作成、2022年2月24日時点

SPLG(SPDRポートフォリオS&P500ETF)…VOOよりも少額から購入できる

  ベンチマーク 5年騰落率 分配金利回り 経費率 基準価額 純資産総額
SPLG S&P500指数 107.89% 1.38% 0.03% 50.53米ドル 134億米ドル
5,810円 1兆5,410億円

※円換算は1米ドル=115円
SBI証券の公式サイトより作成、2022年2月24日時点

ベンチマーク……S&P500指数

SPLGはVOOと同じS&P500に連動する米国ETFです。米国大型株に投資し、米国株式市場の時価総額の約80%をカバーしています。組入銘柄は時価総額ベースで構成されているため、株式市場で投資資金が集まっている評価の高い企業に投資が可能です。

SPLGとVOOの違い……基準価額が低く少額から投資できる

SPLGはVOOとベンチマークは同じでありながら、過去5年騰落率は約9%上回っています。分配金利回りと経費率は変わらないものの、SPLGの基準価額が低く購入しやすいのが特徴です。VOOが1口当たり395.01米ドル(4万5,426円)に対してSPLGは50.53米ドル(5,810円)で、より少額から投資できます。

純資産総額はVOOより約2,600億米ドル(約30兆円)も少ないですが、これはSPLGがもともと米国大型株の指数であるSSGA大型株指数をベンチマークにしていたためです。2020年1月から投資家需要のより強いS&P500に変更したことで、中長期的には投資資金の流入が続くと考えられます。

SPLGがおすすめの人

  • より少額からS&P500の米国ETFに投資したい人
  • 定期買付でS&P500の米国ETFを購入したい人

SPLGは基準価額が低いため、VOOが購入しにくい場合は検討してみましょう。基準価額の低いETFが定期買付にも向いています。ただし、VOOを運用するバンガード社は、自社ETFの経費率を定期的に見直して引き下げてきました。VOOが将来的にSPLGよりも、さらに低い経費率になる可能性があります。

VTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)…VOOよりも投資対象が幅広い

  ベンチマーク 5年騰落率 分配金利回り 経費率 基準価額 純資産総額
VTI CRSP USトータル・マーケット・インデックス 94.22% 1.35% 0.03% 216.90米ドル 2,851億米ドル
2万4,943円 32兆7,865億円

※円換算は1米ドル=115円
SBI証券の公式サイトより作成、2022年2月24日時点

ベンチマーク……CRSP USトータル・マーケット・インデックス

VTIは米国株式市場の小型株から大型株まで投資可能な銘柄のほぼ100%をカバーしています。小型株を含んだ指数のため、S&P500よりも投資対象が幅広く、文字通り全米に投資できる指数です。

VTIとVOOの違い……小型株から大型株まで全米株式に投資する

ベンチマークはVTIが全米株式、VOOがS&P500という違いはありますが、過去5年のトータルリターンはそこまで大きな違いはありません。というのもS&P500は米国株式市場の約80%をカバーしており、VTIもS&P500銘柄の影響を強く受けるためです。

とはいえ、VTIはVOOでは投資できない小型株も投資対象になります。小型株の中にはいずれ中型株、大型株と成長していく銘柄もあるため、その成長を取り込みたい場合はVTIが選択肢になるでしょう。

VTIがおすすめの人

  • 小型株にも投資したい人
  • より幅広く分散投資したい人

米国の小型株にも投資したい人や、S&P500より幅広く分散投資がしたい人はVTIがおすすめです。経費率も0.03%と同じであるため、投資範囲をどこまで広げたいかを考えて選ぶといいでしょう。注意点は小型株に投資する分、値動きが多少荒くなる可能性があることです。ほとんどが大型株と中型株のため、そこまでの影響はありませんが、よりリスクを抑えたい人はVOOが向いています。

QQQ(インベスコQQQトラスト・シリーズ1)…IT関連企業の多いナスダック100に連動

  ベンチマーク 5年騰落率 分配金利回り 経費率 基準価額 純資産総額
QQQ ナスダック100指数 169.98% 0.50% 0.20% 338.07米ドル 1,915億米ドル
3万8,878円 22兆225億円

※円換算は1米ドル=115円
SBI証券の公式サイトより作成、2022年2月24日時点

ベンチマーク……ナスダック100指数

ナスダック100はIT関連企業が多く上場するナスダック市場から、時価総額ベースで上位100社を選出した指数です。上位100社でナスダック市場の時価総額の約70%を占めました。S&P500が米国企業だけを対象にしているのに対し、ナスダックは上場する企業なら米国以外の企業も含まれています。

QQQとVOOの違い……IT関連企業の多いナスダック100に連動する

QQQで投資する業種はIT関連の比率が高いですが、VOOは幅広い業種に投資します。QQQは、成長産業に集中投資するETFです。S&P500とは、値動きや実績が異なります。1985年1月末から2020年12月末までの株価指数は、ナスダック100が120倍、S&P500が43倍と大きな違いがありました。
出典:大和証券

しかしナスダック100は、2000年のITバブル崩壊から高値回復までにおよそ15年かかっています。一方、S&P500は約7年で高値まで回復しました。
出典:Yahoo!finance

当時はIT企業の勃興期で背景が異なるため、同じようになるとは限りませんが、ナスダックは成長産業に集中し相対的に割高になりやすいことは確かです。何かのきっかけでS&P500より売り込まれる可能性があることは認識しておきましょう。

その他には成長企業の多いQQQは大きな値上がりを期待できる反面、分配金は少なく、経費率が0.20%とVOOに比べて高いという違いがあります。

QQQがおすすめの人

  • IT関連銘柄に集中投資したい
  • リスクがあっても値上がりを重視したい

ナスダック100は成長著しいIT関連企業が多いため、S&P500以上に大きな値上がりを期待できます。実際に長期的にS&P500を上回ってきましたが、集中投資はリスクも高まるため注意が必要です。QQQに投資する場合も長期投資を心がけた方がいいでしょう。

SPYD(SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF)…S&Pの高配当株80銘柄に均等に投資

  ベンチマーク 5年騰落率 分配金利回り 経費率 基準価額 純資産総額
SPYD S&P500高配当指数 50.02% 3.63% 0.07% 42.63米ドル 63億米ドル
4,902円 7,245億円

※円換算は1米ドル=115円
SBI証券の公式サイトより作成、2022年2月24日時点

ベンチマーク……S&P500高配当指数

S&P500高配当指数は、S&P500銘柄のうち配当利回りの高い80銘柄が組み入れられています。高配当指数というだけあり、配当利回りの高さが特徴です。組入銘柄はほぼ均等に配分されているため、偏りが出ないメリットがある反面、何らかの問題を抱えて売り込まれている銘柄があれば、それも均等保有しなければならないデメリットがあります。

SPYDとVOOの違い……高配当株80銘柄に均等に投資する

VOOは時価総額順に500銘柄に投資しますが、SPYDは高配当株80銘柄に均等に投資します。VOOは時価総額の大きい銘柄の影響度が高くなる一方、SPYDは特定の組入銘柄に運用実績が左右されることが少ないでしょう。

しかしSPYDの業種別構成比は金融、エネルギー、不動産の占める割合が高く、景気に影響されやすい特性があります。不況期には、これらのセクターが売られやすくなるでしょう。景気が悪くなると相対的に値下がりリスクは高まる可能性があります。

とはいえ、分配金利回りは3.0%以上です。値下がりすれば、さらに利回りが上昇して投資資金を呼び込み、価格の下支え効果が期待できる側面もあります。

SPYDがおすすめの人

  • 分配金目的で投資したい
  • 割安株に投資したい

SPYDは将来の分配金を楽しみにしたい人におすすめです。少額では分配金の金額はたいしたことはありませんが、時間をかけて保有口数を積み上げれば徐々に受け取る金額も増えていきます。減配や無配になった銘柄があったとしても、ETFなら自動で別の高配当株に入れ替えてくれるでしょう。

高配当株は割安株であることも多いです。しかし銘柄選別はできないため、問題があり割安に放置されている株も保有してしまう可能性があることは注意しましょう。

VT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)…

  ベンチマーク 5年騰落率 分配金利回り 経費率 基準価額 純資産総額
VT FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス 70.39% 1.97% 0.08% 99.05米ドル 252億米ドル
1万1,390円 2兆8,980円

※円換算は1米ドル=115円
SBI証券の公式サイトより作成、2022年2月24日時点

ベンチマーク……FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス

FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスは、全世界の小型株から大型株に投資する指数です。先進国と新興国のおよそ8,000銘柄に投資し、投資可能な株式市場時価総額の約98%をカバーしています。新興国の比率は低いですが、この指数だけで全世界に分散投資が可能です。

VTとVOOの違い……全世界に分散投資が可能なETF

VTは小型株も含めた全世界の株式、VOOは大型株を中心としたS&P500を投資対象にするのが違いです。VTは対象株式の規模も対象国の数もVOOより幅広く、より分散効果を得られやすい特徴があります。

VTがおすすめの人

  • 世界中の株式に分散投資がしたい
  • 複数の商品を持ちたくない

VTは世界株式に投資できるため、VOOよりも分散して投資したい人におすすめです。分散投資をするなら、投資地域の違う複数のETFに投資する方法もあります。VTであれば一本で行えるため、保有商品を絞ってシンプルに管理したい人に向いているでしょう。しかし構成比率は自分で調整できず、時価総額順に投資することになります。

VOOとS&P500連動の投資信託との違いは?どっちがおすすめ?

Q.S&P500に連動する投資信託もあります。VOOとどちらがおすすめですか?
A.どのように投資したいかで変わります。運用手数料を抑えたり、分配金を受け取ったりしたい人はVOO、金額指定で購入したり、分配金を再投資したりしたい人は投資信託がおすすめです。

投資信託でもS&P500に投資できます。主な違いは取引の仕方、運用手数料、分配金の有無です。

S&P500に連動する投資信託の種類

S&P500に連動する代表的な投資信託には、以下があります。

  SBI・V・S&P500インデックス・ファンド eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
基準価額 1万5,870円 1万7,299円
純資産総額 4,576億円 9,588億円
信託報酬 0.0938%程度 0.0968%以内

SBIアセットマネジメント三菱UFJ国際投信の公式サイトより作成、2022年2月27日時点

S&P500連動の投資信託の中では、上記2つが最も低コストで人気のファンドです。

VOOとS&P500連動の投資信託との違い

VOOとS&P500連動の投資信託との違い

  1. 投資信託は狙った基準価額で取引できない
  2. 運用手数料はVOOが有利
  3. 分配金の受け取りの有無

違い1,投資信託は狙った基準価額で取引できない

VOOは取引時間中ならリアルタイムで売買できますが、投資信託の取引は1日に1回のみです。基準価額が変わるのも1日1回のみで、注文の締切時間終了後に変更されるため、基準価額を見て取引できません。ETFのような指値注文はできず、発注したら取引は必ず成立します。

指値とは
取引する価格を指定して発注する方法です。指定した価格にならなかった場合、取引は成立しません。反対に価格を指定せず発注する方法は、成行といいます。

株式の取引において、売買の値段を指定して注文する方法。

出典:日本証券業協会

ETFは指値ができるため、狙った基準価額で取引したい人には向いています。もちろん、基準価額を指定しない成行注文も可能です。しかし、5万円分ぴったり買うといった金額指定はETFだとできませんので、毎月定額の積立や金額を指定して購入したい人は投資信託が向いています。

違い2,運用手数料はVOOが有利

ETFも投資信託も実際の運用は投資会社がするため、運用手数料がかかります。それをETFでは経費率、投資信託では信託報酬として比較が可能です。

一般的に運用手数料はETFが安く、VOOは0.03%、先ほど紹介したS&P500連動の投資信託は0.0938%と0.0968%でした。VOOの運用手数料は投資信託の3分の1程度のため、その分有利に投資できます。

ネット証券を利用すれば、VOOもS&P500連動の投資信託買付手数料もかかりません。コストの比較は、実質的に運用手数料のみです。とはいえ、投資信託もかなり手数料を抑えて投資できますので、取引方法などその他の要因もあわせて検討しましょう。

違い3,分配金の受け取りの有無

VOOの分配金は年4回です。一方、前述したS&P500連動の投資信託は基本的に分配をせず、投資対象から得た配当などを再投資し、運用資産の成長を優先します。分配金を受け取りつつ投資したい人はVOOが適していますが、分配金を再投資したい人は投資信託が向いているでしょう。

ETFでも受け取った分配金を自分で再投資することは可能です。しかし、分配金が1口の基準価額に満たない金額の場合は、資金を追加しなければいけません。投資信託はその必要がなく運用に自動的に回せるため、分配金が必要でなければ投資信託が選択肢になるでしょう。

VOOよりS&P500連動の投資信託がおすすめな人

米国ETF「VOO」を徹底解説!リターンや配当月は?QQQやSBI・V・S&P500インデックス・ファンドとの違いは?
(画像=Wealth Bridge編集部)

以下に当てはまる人は、VOOよりS&P500連動の投資信託がおすすめです。

VOOよりS&P500連動の投資信託がおすすめな人

  • 金額指定で購入したい人
  • 定額を積立投資したい人
  • 分配金を再投資したい人

投資信託は金額指定で購入できることがETFと異なります。VOOは1口4万円以上するため、少額ずつから購入したい人や一定金額を積立投資したい人は投資信託がおすすめです。分配金の受け取りを必要とせず、再投資に回したい人も投資信託が向いています。

VOOとS&P500連動の東証ETFはどう違う?どっちがおすすめ?

Q.S&P500連動の東証ETFもありますが、VOOと何が違いますか?
A.東証ETFは日本市場に上場しているため、昼間に取引できることが特徴です。米ドルを用意しなくても日本円で売買でき、確定申告不要で二重課税を避けられるメリットもあります。

S&P500連動の東証ETFはVOOにはないメリットがあり、VOOを海外のETFということで敬遠していた人でも、東証ETFなら検討できるでしょう。

S&P500に連動する東証ETFの種類

S&P500をベンチマークにする代表的な東証ETFには、以下があります。

S&P500をベンチマークにする代表的な東証ETF

  • 【1547】上場インデックスファンド米国株式(S&P500)
  • 【1655】iシェアーズ S&P500米国株ETF
  • 【2558】MAXIS米国株式(S&P500)上場投信
  • 【2633】NEXT FUNDS S&P500指数(為替ヘッジなし)連動型上場投信

上記の銘柄はいずれも為替ヘッジなしのETFです。為替ヘッジありのETFもあるため、為替リスクを避けたい人はそちらを選びましょう。

東証ETFの3つのメリット

米国ETF「VOO」を徹底解説!リターンや配当月は?QQQやSBI・V・S&P500インデックス・ファンドとの違いは?
(画像=Wealth Bridge編集部)

メリット1,日本市場時間に取引できる

東証ETFは日本市場時間で取引できます。米国ETFをリアルタイムで取引しようとすると、どうしても深夜になってしまいますが、東証ETFであれば昼間に取引が可能です。

日本時間に取引できれば、米国市場の動向を見て売買できます。海外で突発的に何かがあったとしても、すぐに対処しやすいでしょう。東証ETFなら日中にアクセスできるため、取引時間で米国ETFを敬遠していた人には検討する価値があります。

メリット2,円貨で取引できる

日本円で取引できることも東証ETFのメリットです。米国ETFは日本円を米ドルに交換して投資しなければならないため、為替手数料がかかります。

東証ETFの場合はS&P500の日本円換算値に連動するよう設計されており、取引も日本円です。米ドルに交換する手間がかかりませんし、為替手数料を気にする必要もありません。運用成果は為替の影響を受けますが、円貨で取引したい人には向いています。

メリット3,確定申告不要で二重課税を避けられる

2020年1月の税制改正までは、外国資産に投資する東証ETFは、分配金が海外と国内で二重課税されていました。外国で課税された税金の還付を受けるためには、確定申告で外国税額控除が必要でした。

2020年1月の税制改正で「二重課税調整」が適用されます。以降、自動的に二重課税にならないよう調整され、手続きなしで税金を調整して二重課税を回避できるようになりました。

ただし対象にならない東証ETFもあるため、運用会社や取引所の公式サイトで確認しましょう。先ほど紹介した東証ETFは、以下の1銘柄を除いて二重課税調整の対象になります。

<対象外>(2022年3月1日時点)
【1547】上場インデックスファンド米国株式(S&P500)

東証ETFのデメリットや注意点

米国ETF「VOO」を徹底解説!リターンや配当月は?QQQやSBI・V・S&P500インデックス・ファンドとの違いは?
(画像=Wealth Bridge編集部)

東証ETFは銘柄ごとに取引単位が異なっていたり、流動性が低かったりする場合があります。手数料もVOOとは異なるため、注意しましょう。

1,銘柄ごとに取引単位が異なる

米国ETFは1口単位で取引できますが、東証ETFは銘柄ごとに取引単位が異なるため、注意しましょう。前述の東証ETFの場合、取引単位は以下の通りです。

東証ETF 取引単位 基準価額
【1547】上場インデックスファンド米国株式(S&P500) 10口 5,382円
【1655】iシェアーズ S&P500米国株ETF 10口 355.9円
【2558】MAXIS米国株式(S&P500)上場投信 1口 1万4,240円
【2633】NEXT FUNDS S&P500指数(為替ヘッジなし)連動型上場投信 10口 2,302.5円

日本取引所グループの公式サイトより作成、2022年3月1日時点

東証ETFの売買にあたっては、取引単位に気を付けて投資しましょう。

2,流動性の低い場合がある

東証ETFは、過去には流動性が低く余計なコストがかかっている銘柄も少なくありませんでした。

流動性とは 売買の量のことです。売買が少ないために、買いたい値段や売りたい値段でスムーズに取引できないことを流動性リスクが高いといいます。

いつでも売買が可能で、一度に売買可能な数量の多寡が問題とならないものを、「流動性が高い」といいます。逆に、売買時期が限定され、希望する数量が揃うかどうか、または捌けるかどうか判らないものを、「流動性が低い」といいます。

出典:大和アセットマネジメント

東証は流動性リスクを回避するために、2018年から「マーケットメイク」という制度を導入しています。これは東証が報酬を出し、マーケットメーカーと呼ばれる専門業者が買い注文と売り注文を出すことで、流動性を確保する制度です。マーケットメイクによってETFの売買注文の価格差が少なくなり、多くの銘柄で取引環境が改善されています。

マーケットメイクは銘柄ごとに導入されているため、取引したいETFが対象であるかを日本取引所グループの公式サイトで確認しましょう。前述の東証ETF4銘柄は、マーケットメイクの対象です。

3,VOOと比べて手数料がかかる

S&P500連動の東証ETFは、売買手数料と運用手数料がかかります。売買手数料は証券会社によりますが、運用手数料は以下の通りです。

東証ETF 信託報酬
【1547】上場インデックスファンド米国株式(S&P500) 0.165%
【1655】iシェアーズ S&P500米国株ETF 0.0825%
【2558】MAXIS米国株式(S&P500)上場投信 0.0858%
【2633】NEXT FUNDS S&P500指数(為替ヘッジなし)連動型上場投信 0.077%

日本取引所グループの公式サイトより作成、2022年3月1日時点

S&P500連動の投資信託と比べると低コストですが、VOOの経費率が0.03%とかなり低いため、比較するとどうしても高く感じてしまいます。とはいえ、運用手数料が抑えられた低コストETFであることに変わりはありません。

売買手数料は、一部のネット証券ではNISA口座を使えば売買手数料が無料です。以下のネット証券は、NISA口座で国内ETFを無料で売買できます。

NISA口座で国内ETFを無料で売買できるネット証券

  • 楽天証券
  • SBI証券
  • マネックス証券
  • DMM株

VOOよりS&P500連動の東証上場ETFがおすすめな人

以下の人は、VOOよりS&P500連動の東証上場ETFがおすすめです。

VOOよりS&P500連動の東証上場ETFがおすすめな人

  • 日本市場時間に取引したい人
  • 円貨で取引したい人
  • 確定申告を極力避けたい人

VOOをリアルタイムで取引できるのは日本の深夜のため、日本市場時間で取引したい人は東証ETFがおすすめです。東証ETFなら米ドルに交換せずとも円貨のまま取引でき、分配金の二重課税も確定申告なしに対処できます。

VOOをネット証券で購入する流れを解説 楽天証券の場合は?

Q.VOOはどうやって購入すればいいですか?
A.VOOを購入するには、外国株式取引口座の開設が必要です。あとは購入資金を用意して注文を出します。購入するなら、VOOの買付手数料がかからないネット証券を利用するのがおすすめです。

楽天証券を例に、VOOを購入する流れを確認しましょう。

VOOを楽天証券で購入する流れ

  1. 外国株式取引口座を開設する
  2. 買付資金を用意する
  3. VOOの買付注文を発注する

1,外国株式取引口座を開設する

VOOを購入するには、外国株式取引口座の開設が必要です。公式サイトの「口座開設」ボタンから申し込みをしましょう。

米国ETF「VOO」を徹底解説!リターンや配当月は?QQQやSBI・V・S&P500インデックス・ファンドとの違いは?
(画像=楽天証券より引用)

総合口座を開設していない場合は同時に開設でき、最短翌営業日からログインできます。

2,買付資金を用意する

口座開設が完了したら、買付資金を証券口座に用意しましょう。楽天証券内で日本円から米ドルに交換できる他、円貨決済なら米ドルを事前に準備しなくても取引できます。

米ドルを用意する場合

米ドルを用意する場合は、以下の手順で外国為替(両替)サービスを利用しましょう。

(1)総合口座にログインする

米国ETF「VOO」を徹底解説!リターンや配当月は?QQQやSBI・V・S&P500インデックス・ファンドとの違いは?
(画像=楽天証券より引用)

(2)「その他商品」から「外国為替」に進む

米国ETF「VOO」を徹底解説!リターンや配当月は?QQQやSBI・V・S&P500インデックス・ファンドとの違いは?
(画像=楽天証券より引用)

(3)「米ドル取引(リアルタイム)」の「買い」をクリック

米国ETF「VOO」を徹底解説!リターンや配当月は?QQQやSBI・V・S&P500インデックス・ファンドとの違いは?
(画像=楽天証券より引用)

(4)米ドルまたは日本円で金額を入力して購入する

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円貨決済で取引する場合

円貨決済でVOOを購入する場合、証券口座に入金が必要です。しかし楽天銀行口座を持っていれば、証券口座との口座連携サービス「マネーブリッジ」を設定することで、円貨決済のときに自動的に入出金が行われ入出金手続き不要になります。

操作して証券口座に入金する場合は、インターネットバンキングを利用したリアルタイム入金が便利です。手続きはログイン後の楽天証券サイトから以下の手順でできます。

(1)「マイメニュー」から「入金」をクリック

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(2)利用する銀行を選択する

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(3)振込金額を入力して手続きを完了させる

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3,VOOの買付注文を発注する

買付資金の準備ができたら、以下の手順でVOOを購入しましょう。

(1)VOOを検索してクリックする

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(2)「買い注文」ボタンをクリックする

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(3)必要項目を入力して発注する

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VOOの購入にNISA口座を利用すべき?メリットや注意点など

Q.NISA口座でVOOを購入するメリットはありますか?
A.NISA口座でVOOに投資すれば、最長10年間まで非課税投資ができます。ただし、分配金は完全に非課税にはなりません。

非課税投資制度のNISAを利用すれば、投資から得た利益に対して非課税です。VOOは長期的に値上がりをしているため、NISAで投資すると税金がかからず利益を多く確保しやすくなります。

NISAとは?

NISAは株式や投資信託などから得られる譲渡益、配当金、分配金が非課税になる投資制度です。外国株式も対象となり、VOOもNISA口座で投資できます。

NISAの概要
非課税の対象 譲渡益、配当金、分配金
年間投資枠 120万円
非課税期間 5年間(ロールオーバーでさらに5年間非課税で継続保有可能)
対象商品 国内外の株式、投資信託、ETFなど

金融庁「NISA特設ウェブサイト」より作成、2022年3月1日時点

通常の課税口座で投資した場合、利益に対して20.315%が課税されますが、NISA口座なら利益が出ても課税されません。年間120万円まで毎年投資でき、投資した年から5年の間に得た譲渡益や分配金などが非課税です。5年間の非課税期間が終了すると、保有する商品はその翌年の投資枠に移管するロールオーバーという手続きができ、さらに5年間非課税で継続保有できます。

NISAでVOOを購入するメリット

米国ETF「VOO」を徹底解説!リターンや配当月は?QQQやSBI・V・S&P500インデックス・ファンドとの違いは?
(画像=Wealth Bridge編集部)

VOOをNISAで購入すれば、非課税で長期投資ができるようになります。NISAの非課税期間が終了する5年後にロールオーバーすれば、合計10年間まで非課税投資が可能です。

VOOは、過去10年でおよそ2.8倍に値上がりしています。10年前に120万円投資していれば、336万円の計算です(出典:Investing.com、2022年3月1日時点)。利益は216万円のため、課税口座なら約44万円が税金として差し引かれますが、NISA口座なら利益をそのまま受け取れます。

NISAでVOOを購入するデメリット・注意点

NISAでVOOに投資すると、外国税額控除を利用できません。VOOは年4回分配金の支払いがありますが、米国で10%課税され、日本国内でも20.315%課税されます。これは二重課税です。本来なら確定申告することで外国税額控除を受け、米国で課税された税金が還付されます。

しかしNISAはそもそも非課税投資制度のため、分配金が支払われたとしても日本における課税はありません。つまり米国で課税されても二重課税にはあたらず、外国税額控除の対象外になります。

それでも課税口座で分配金を受け取る場合よりは税金を抑えられますが、NISAを利用しても分配金が非課税にならない点は注意しましょう。

NISAでVOOを購入できる証券会社

NISAでVOOを購入する場合、以下のネット証券がおすすめです。

NISAでVOOを購入できるおすすめネット証券

  • 楽天証券
  • SBI証券
  • マネックス証券
  • DMM株

これらのネット証券はVOOの買付手数料がかからず、NISA口座なら他の米国ETFの買付手数料も無料です。DMM株は売却手数料もかかりません。

VOOは低コストでS&P500に投資できる米国ETF

VOOは経費率0.03%の低コストでS&P500に投資できます。2010年9月の設定以降4倍以上に上昇しており、長期的なリターンを期待できる米国ETFです(2022年2月18日時点)。

VOOの定期買付ができる証券会社もあり、積立投資も可能です。楽天証券、SBI証券、マネックス証券、DMM株のようなネット証券なら、手数料をかけずに購入できますので、VOOへの投資を検討している人はチェックしてみましょう。

VOOでよくあるQ&A

VOOについてよくある質問をまとめました。

Q.VOOとはどのようなETFですか?

A.VOOはインデックスファンドの運用残高で世界最大のバンガード社のETFです。米国の代表的な株価指数であるS&P500に連動する運用成果を目指し、米国株式市場の時価総額の約80%をカバーできます。一時的に下落した時期はあるものの、長期的な上昇を続けており、分配金を年4回受け取れる米国ETFです。

Q.VOOのメリットは?

A.VOOには以下のメリットがあります。

・長期投資に向いている
・経費率0.03%の低コストで投資できる
・500銘柄に分散投資できる
・米国大型株に投資できる

VOOは設定されてから長期的な上昇を続けており、短期的な値動きを気にしないのであれば、長期投資に適した米国ETFです。経費率が0.03%と非常に低い水準で運用できるのもポイントでしょう。VOOだけで米国大型株の500銘柄に分散でき、相対的にリスクを抑えた投資ができるETFでもあります。

Q.VOOのデメリットは?

A.VOOには以下のデメリットがあります。

・最低投資金額が高い
・為替手数料がかかる
・分配金が二重課税になる
・分配金を自動で再投資できない
・小型株に投資できない

VOOの基準価額は、2022年2月18日時点で398.98米ドルです。1米ドル=115円とすれば、1口4万5,000円以上します。100円から購入できる投資信託と比べれば、最低投資金額が高く、為替手数料もかかる点はデメリットです。分配金を自動で再投資できないことも投資信託と異なります。

分配金の二重課税にも注意しましょう。米国で10%、日本で20.315%が課税され、確定申告で外国税額控除を受けなければ二重課税になってしまいます。VOOは大型株が中心のため、小型株にも投資したい人は他のETFを選びましょう。

Q.VOOの購入方法は?

A.VOOは現物によるスポット購入、定期買付、CFDで購入できます。

現物のスポット購入は好きなタイミングで購入する方法、定期買付は設定した金額の範囲内や口数で購入できる方法です。まとまった金額やタイミングを見て購入したい人はスポット購入が向いています。積立投資がしたい人は定期買付を検討しましょう。

証券会社に証拠金を預けて取引するCFDもあります。FXのようにレバレッジをかけて取引が可能です。入金したお金以上の取引ができる点がメリットである一方、急落時にロスカットされる可能性もあります。

Q.VOOを購入できる証券会社は?

A.VOOは米国株投資ができる証券会社で購入できます。楽天証券、SBI証券、マネックス証券、DMM株 は買付手数料がかからず、おすすめです。

Q.VOO以外に注目の米国ETFは?

A.VOO以外の米国ETFは、 SPLG、VTI、QQQ、SPYD、VTが代表的です。SPLGはVOOと同じベンチマークで、他の米国ETFはそれぞれ以下の指数に連動しています。

・SPLG……S&P500指数
・VTI……CRSP USトータル・マーケット・インデックス
・QQQ……ナスダック100指数
・SPYD……S&P500高配当指数
・VT……FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス

Q.VOOとS&P500連動の東証ETFはどう違う?

A.S&P500連動の東証ETFは、日本市場時間に日本円で投資できる、日本のETFです。VOOは米国市場に上場しているため、米ドルで取引し、時間帯は日本の深夜になります。その点、東証ETFは昼間に取引でき、為替のことを気にする必要はありません。確定申告をしなくても、分配金の二重課税が自動で調整される銘柄があるのも特徴です。

Q.VOOの購入にNISA口座を利用すべき?

A.VOOは長期的に上昇してきた実績があるため、長期投資する場合はNISA口座を利用するといいでしょう。ロールオーバーをすれば、最長10年間の非課税投資が可能です。しかし、NISAを利用することで分配金に対する二重課税がなくなるため、外国税額控除を利用できないことは知っておきましょう。

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