Sierra Space・大分県・兼松が提携
米国の宇宙ベンチャー企業Sierra Space、大分県及び総合商社の兼松の3者がパートナーシップを締結し、大分空港をSierra Spaceが開発する再使用可能な宇宙往還機「Dream Chaser®」のアジア拠点として活用するための検討を進めると発表しました。
Sierra Spaceは、航空宇宙大手企業Sierra Nevada Corporation(以下SNC)から2021年4月に独立した宇宙ベンチャー企業です。同社が開発するDream Chaserは、有翼型の全長9mほどの宇宙往還機であり、国際宇宙ステーション(ISS)へ一度に約5,500kgの貨物を運搬することが可能です。なお、地球からの離陸の際はロケットで打ち上げられるため、大分空港の滑走路を活用するのは着陸の時のみとなります。
Dream Chaserは、ISSへの物資商業補給サービスCommercial Resupply Services 2 (CRS-2)で使用する機体の一つに採択されています。初打ち上げは2023年第一四半期を予定しており、United Launch Alliance(ULA)のVulcanで打ち上げられ、米国のハンツビル国際空港への着陸が検討されています。
Sierra SpaceはDream Chaserの開発のほか、Blue Originとともに民間宇宙ステーション「Orbital Reef」を構築する計画を発表するなど、民間有人宇宙開発に注力している企業の一つです。
Sierra SpaceのCEOであるTom Vice氏が、兼松のプレスリリースを通じて以下のコメントを発表しています。
我々は、大分県と兼松株式会社との本取組みを通じて、大分空港がDream Chaserの着陸拠点となることと、それにより、地球への帰還ミッションにおいて、我々が拡大を目指すグローバルな着陸拠点ネットワークの一つとして日本に着陸できる日を心待ちにしています。
大分空港は、空中発射小型ロケット開発に取り組んでいるVirgin Orbit(NASDAQ: VORB)との人工衛星打ち上げ事業の展開も進めています。アジアを代表する宇宙港として大分空港の今後の戦略に注目です。

Credit : Sierra Nevada Corporation、『宙畑』より引用)
提供元・宙畑
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