ソーシャルメディアの普及に伴って“ネットいじめ”が増加しています。その“ネットいじめ”を撲滅するために14歳の少女(トリーシャ・ブラブさん)がある方法を考え、世界中から称賛されています。
以下、TEDxTeen2014というイベントでのトリーシャ・ブラブさんのスピーチ内容の要約です。
●きっかけは、“ネットいじめ”により命を絶った同年齢の少女のニュース
「なんでまだ生きてんの?」「ブス!」。フロリダ州のレベッカ・セドウィックは、若干14歳にして、ソーシャルメディアを通してこのような卑劣で攻撃的かつ、辛辣で不愉快なメッセージを受け取りました。
これらの言葉はレベッカを自殺へと追い込み、彼女は実家近くの給水塔から飛び降りました。2013年秋、学校から帰宅した私はこのニュースを聞いて驚き、衝撃を受け、そして失望しました。一体なぜ自らの命を断つほどまでに追い込まれなければならなかったのか。
トリーシャ・ブラブさんは、レベッカは数えきれないほど多くの被害者のうちの1人にすぎないとし、世界中で起きているネットいじめの実例を挙げます。
●ネットいじめに加担しやすいのは、大人よりも若者
ネットいじめは非常に大きな問題です。アメリカ国内だけでも、52%の若者がネットいじめを経験しています。そしてその38%が自殺願望を抱いています。では、世界的な視点で見てみましょう。全人口の4分の1が若者です。数に直すと18億人です。ソーシャルメディア革命のこの時代に、ソーシャルメディアを利用する若者の数は年々増えており、ネットいじめ被害者の数も増えています。
●12歳から18歳の若年層はそれより上の年齢のグループに比べ、40%も侮辱的な発言をする意欲が高い
学校の科学の課題として、年齢とソーシャルメディア上で侮辱的な発言を行う意欲が関係しているかどうか調べてみました。そこから何がわかったか。12歳から18歳の若年層はそれより上の年齢のグループに比べ、40%も侮辱的な発言をする意欲が高いことがわかりました。また、偶然読んでいた記事の中に「未成年の脳はブレーキのない車のようなものだ」と書いてありました。未成年の脳は、ハイスピード、動き出したら止まらない、考えない、思いやらない、ただ行動あるのみ。では、どうしてそうなってしまうのか?
●未成年は行動する前に、考えることができない
私たちの脳は少し変なのです。脳は後ろから前に向かって発達します。つまり、脳の前方部分は25歳でやっと完全に発達するのです。それの何が問題なのか?前頭前野皮質は、急な決断や衝動的な決断、とっさの判断など、物事の決断能力を担っています。だから未成年は行動する前に考えることができないのです。
私がした調査から、未成年者は行動に至る前に考えないという結果が出ています。つまり彼らはコメントをする前に考えていないということでしょうか?では、何をしようとしているか考えるチャンスを与えたらどうでしょう?もし未成年者たちがソーシャルメディア上で侮辱的なコメントをしようとした時、「ちょっと待って。とても侮辱的な発言をしようとしているよ。きっと相手をものすごく傷つける。本当にコメントしていいの?」こう私に聞かれたとしても、彼らはそのコメントをするでしょうか?
●誹謗中傷を激減させる、ソフトウェアシステム「Rethink」を開発
これにより、自分がしようとしていることに関しての忠告が表示された時と、されない時の侮辱的なコメントをするに至る意欲に差が出るかを調べることができます。この調査では有効な1500の実例データが集まりました。
「ちょっと待って。とても侮辱的な発言をしようとしているよ」という忠告が表示された場合、93%の未成年たちはコメントするのをやめました。このシステムにより、侮辱的なコメントに至る意欲を71.4%から4.6%にまで減少させることに成功したのです。
嬉しいことに、私の「Rethink」は急激に支持され始めました。数週間前、私はグーグル・サイエンス展覧会に出席し、グローバル・ファイナリストになりました。
そして現在、このアイデアでアメリカ暫定特許権を所持しています。私の今の最大の目的はこれを商品化し、ネットいじめをなくすことです。現在クローム用の拡張ブラウザと携帯端末用のアドオンの作成に尽力しています。これが現実化すれば「Rethink」は世界に広まり、手遅れになる前にネットいじめを失くすことが出来ます。
投稿ボタンを押すか押さないかを決める、ほんの数秒間がその後の未来を大きく変えてしまうということが「Rethink」によって証明されました。
皆さん、どうか取り返しがつかなくなるその前に一度考え直してください。全てが繋がっているこの世の中では忘れてしまいがちですが、私たちが今何をしようとしているのかを、少し落ち着いて立ち止まって考え直す必要があるのです。
私たちの発言には大きな力があります。ですから、考え直すという選択をしてください。コメントする前に考え直そう。取り返しがつかなくなる前に。ありがとうございました。
“ネットいじめ”という大きな問題を解決するために、「Rethink」を開発したトリーシャ・ブラブさん。その強い意志と行動力に敬意を表します。この「Rethink」によって、“ネットいじめ”が減っていき、自らの命を絶つような悲しみが無くなっていくのであれば、こんなに素晴らしいことはないですね!
<動画はこちら>
提供元・FUNDO
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