過去最大級のリニューアルを実施した東京ドームでは、顔認証技術の導入による入場や顔認証と完全キャッシュレス化による決済サービスが運用される。顔認証決済は3月2日のオープン戦から、顔認証入場は3月25日の公式戦から運用を開始する予定だ。
クレカ、コード決済対応はもはや当たり前
従来の約4.4倍の面積となる国内最大級のメインビジョン(横幅約125.6メートル、面積約1050平方メートル)の新設や入場ゲート、コンコースのデザイン刷新、多様な観戦スタイルに対応した観戦席の設置など、今回の東京ドームリニューアルの見どころは多い。その中でも、顔認証技術や完全キャッシュレス化などDX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みにも注目が集まる。
完全キャッシュレス化の対象は東京ドーム内の売店(飲料・グッズ)、客席販売、場内チケットカウンター、自動販売機、コインロッカーなど多岐にわたる。
キャッシュレス決済は、クレジット決済(VISA/Mastercard/JCB/American Express/DISCOVER/Diners Club/銀聯、NFC対応カード<タッチ決済ほか>も利用可)や非接触IC決済(交通系IC/nanaco/iD/QUICPay/Edy/waon)、コード決済(PayPay/d払い/楽天ペイ/LINE Pay/Alipay/WeChat Payほか)など幅広いサービスに対応する。
これら多様なキャッシュレス決済への対応はもはや当たり前。今回これらに加えて、事前に登録した顔画像と入場券情報、クレジットカード情報を紐づければ、入場から決済までが手ぶらで行える新サービス「facethru(フェイスルー)」を導入したのだ。
新しい「手ぶら入場&決済」の仕組み
facethruの顔認証技術には、パナソニック システムソリューションズ ジャパンの顔認証クラウドサービス「KPASクラウド」というアプリケーションを採用。ディープラーニングを応用した世界最高水準の顔認証技術で、顔の向きや経年劣化、メガネ、マスクなどにも認証精度が影響されにくい。実際、東京ドームでも事前登録時はマスクを外した顔を撮影するが、入場する際や売店での決済時はマスクを着けたままでも本人認証が可能だという。
facethruによる入口の「顔認証入場ゲート」では、ディスプレイに顔を近づけると、事前登録した顔画像と入場券の情報と照合して本人確認が行われる。OKの来場者だけが入場を許可、NGになると入場できない。ちなみに、ゲート本体やチケッティングはイープラスと連携したり、Suicaのクラウド型ID認証システム「ID-PORT」とも連携する。
前述したように事前に別途、クレジットカード情報も登録しておけば、売店での購入も顔認証だけのキャッシュレス決済が可能になる。
タッチレスで感染対策もばっちり、安心の「DXサポートデスク」も
具体的な顔認証決済の方法は、売店の販売員が、店舗に設置した端末に料金を入力。料金を確認した顧客は、端末のカメラで顔認証を行った後、PIN(暗証番号)を入力するだけで決済が完了となる。もちろん、販売員も顧客も、ディスプレイへの入力を指でタッチせずに少し浮かせてボタン操作できるので、完全非接触となっている。待ち時間の短縮だけでなく、感染対策としても有効なのだ。
顔認証決済は、3月2日の運用開始時は東京ドーム内5店舗(23ゲート前のG-STORE、Dome Shop 104・105、TOKYO POTATO、DIAMOND BOX/CHAMPIONS SEAT/FOOD&DRINK COUNTER)からスタートする。
場内には4カ所の「DXサポートデスク」も設置し、初めてキャッシュレスを使うユーザーを丁寧にサポートする。また、3月2日以降の東京ドーム巨人戦(オープン戦、公式戦)では、小学生の来場者にジャイアンツオリジナルの「キッズnanaco」をプレゼント。小学生にもキャッシュレスによる買い物体験をしてもらおうと、セブン・カードサービスの協力を得た。
プレゼントされるキッズnanacoは、巨人軍のプライマリーマークをデザインした券面で非売品とのこと。この春は、親子で東京ドームに足を運んで顔認証やキャッシュレスという新しいプロ野球の観戦スタイルを楽しんでみるのもいいだろう。(BCN・細田 立圭志)
提供元・BCN+R
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