情報通信技術(ICT)と自動車を連結させて双方向コミュニケーションを提供する「コネクテッドカー」が移動通信社の未来の成長エンジンとして浮上している。スマートフォンなどに主に使われる5G・人工知能(AI)などを基盤とする上、当該市場に対して明るい見通しが提起されているからだ。SKテレコム、KT、LGユープラスの通信3社は、国内外パートナーシップの強化、5G技術の強化などを通じ、コネクテッドカー市場の構築に乗り出した。韓国メディア「ファイナンシャルニュース」が報じた。
グローバル市場調査会社のカウンターポイントリサーチが27日に発表したところによると、2025年に世界の自動車4台のうち1台は5Gにつながるという。クラウドによる自動車通信が可能な5G車両向け通信装備(TCU)の導入が急激に増加するだろうという分析からだ。
グローバルコンサルティング会社のマッキンゼーは、コネクテッドカー市場規模が2030年には1807兆ウォン(約173兆円)に達すると予測した。自律走行車・都心航空交通(UAM)などの未来連結車分野も5G基盤の成長が予想されるだけに、コネクテッドカーの存在がさらに重要になるという評価だ。
これを受け、通信3社はコネクテッドカー市場を先取りするため、グローバル完成車企業のみならず、コネクテッドカー関連ソリューション業界とも、積極的な協力を続けている。
KTは最近、米国車両向けAI音声認識ソリューション企業のセレンス(Cerence)と協力し、S-ClassやEQAなど、メルセデス・ベンツ車種にAI音声認識サービスを発売した。走行中でも車内音声認識システムにより位置情報確認、オンラインコンテンツ検索が可能なシステムである。その他にもKTはルノーサムスン、現代(ヒュンダイ)自動車とも協力を持続し、O2O(オンライン-オフライン間)車両のプラットフォームサービスを提供している。
LGユープラスは2020年に双竜(サンヨン)自動車、ネイバーと共同開発したコネクテッドカーシステム「Infoconn」を発表した。該当システムはコランドとチボリモデルに採用され、△安全とセキュリティ、△遠隔制御、△楽しみを提供する車両向けインフォテインメント(IVI)だ。
SKテレコムは昨年9月、ボルボ自動車と協力し、自社の統合型車両向けIVIシステムをスポーツユーティリティー車両(SUV)「XC60」に採用した。SKテレコムのAIプラットフォーム「ヌグオート」、ティーマップモビリティナビゲーションサービス「Tマップオート」、音楽ストリーミングサービス「フロー」などを組み合わせた方式だ。
通信3社は5G基盤コネクテッドカーの力量を育て、自律走行やUAMなどの多様な未来産業分野に拡大していく計画だ。
SKテレコムは、自律走行の実現に必要なTマップ車両の事物通信(V2X)をTマップに採用し、自律走行の核心技術である「HDマップ」を開発している。この他、5Gを基盤に地上と飛行体通信の研究開発(R&D)にも突入し、UAM市場を積極的に開拓する方針だ。
KTはジニーミュージックやカーナビなど、従来提供していたサービスの提供メーカーや車両ラインナップの拡大を推進している。
さらに、現代自動車や大韓航空とはUAMの協力を、現代モービスとは5G自律走行の協力を続けている。
LGユープラスは今月21日、自律走行ソリューション企業の「エースラボ」とビッグデータやAIを基に自律走行車に異常がないかを診断する次世代技術を発表した。今後、自律走行関連技術開発に拍車をかける予定だ。
提供元・コリア・エレクトロニクス
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