サムスン電子の半導体事業を総括するキョン・ギェヒョン社長が2月初めに米国を訪問し、ファウンドリ(半導体委託生産)事業と半導体供給網問題を点検していたことが27日、確認された。米中貿易の対立からロシアのウクライナ侵攻、米国主導の半導体供給網の再編まで、海外の不確実性が増している現状の中、米国の政策波及力が拡大したのが訪米の背景となっている。韓国メディア「マネートゥデイ」が報じた。

半導体業界関係者は「キョン社長が今回の出張で米国顧客社面談を含め、現地ファウンドリ新設ラインの準備状況などを点検した」とし「最近、ジョー・バイデン政府主導でグローバル半導体供給網再編論議が早いスピードで進められている状況で、現地の要人と幅広く会って関連事項を聞いたと聞いている」と述べた。

今年上半期に着工予定のテキサス州テイラー市のファウンドリ新設ラインは2030年までに台湾TSMCを超え、ファウンドリ市場でも世界1位を目指すという「サムスン電子システム半導体ビジョン2030」の前哨基地と評価されている。サムスン電子はファウンドリ部門の立地拡大のためには、最大需要先である米国での投資が最善だと判断、昨年に電撃的な投資を決断した。

業界では最近、バイデン政府の「アメリカ・ファースト」政策推進とあいまって、国内企業のワシントン人脈確保が急務となっている状況で、キョン社長の米国行きが実現したことに注目している。米国の政策影響力がいつになく強まっている中で、キョン社長の行動が現地ネットワークの確保、動向把握などと無関係ではないという解釈だ。ホワイトハウスと米議会の政策変化やこれに伴う現地顧客との関係設定など、不確実性を最小化することが、サムスン経営陣の最大懸案として浮上しているという意味だ。

バイデン政府が推進する半導体支援法をめぐり、支援範囲にサムスン電子などの海外企業を含めるかどうかをめぐり、インテルなど米半導体業界の立場と現地の政・官界ロビーが熾烈に行われ、サムスン電子の立場では法案の支援範囲をめぐり神経をとがらせるしかない状況だ。

サムスン電子内部の状況に詳しい財界ある関係者は「キョン社長が出張後にも現地連絡先を通じて法案推進状況を含め、ロシアのウクライナ侵攻と関連した制裁案など、米国の政策変化を几帳面にチェックしている」とし「米国の政策影響が大きくなればなるほど、今後サムスン電子をはじめ国内企業最高経営陣のワシントン行きがもっと頻繁になるしかない」と話した。

提供元・コリア・エレクトロニクス

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