中古自動車市場でも電気自動車(EV)ブームが巻き起こっている。最近の半導体問題で新車生産に支障が出たことから、電気自動車が最も影響を受け、新車出庫まで1年近くかかっている状況だ。このため、すぐに車を購入できる中古車市場で電気車の人気は日増しに高まっている。韓国メディア「時事ジャーナル」が報じた。(写真:アイオニック5=現代自動車)

中古車プラットフォーム「エヌカードットコム」によると、この1年間、電気車登録物件は前年比81.55%増加した。電気車の売り物が急増し、エコ中古車市場内の電気車が占める割合も、2020年の12.44%から昨年は19.43%へと6.99%上昇した。

人気上昇に伴って価格も上がっている。

26日、中古車メーカーの「ケイカー」によると、今月、テスラモデルYは7867万ウォン(約754万円)と、前月比30.4%上昇した。事実上、新車価格と同様の水準だ。モデルSは8230万ウォン(約788万円)で、前月比5.4%上昇し、現代(ヒュンダイ)車のアイオニック5は4906万ウォン(約470万円)で4.2%上昇した。特にアイオニック5、EV6など人気電気車モデルは、新車実購買価格に比べて500万ウォン(約48万円)ほど高い価格で中古車の相場が形成されている。

中古車市場で電気車の人気が高まっているのは、前述した生産支障による出庫遅延が最も大きい。

現代自動車のアイオニック5の場合、今月基準で契約後出庫まで12ヵ月以上がかかる。一般の内燃機関車が3~6カ月かかる点を勘案すると待機期間がかなり長い方だ。起亜(キア)EV6は車を受け取るまで13カ月以上かかり、ジェネシスGV60も1年以上待たなければならない。

電気自動車補助金の縮小で新車購買負担が大きくなったのも中古車の人気に影響を与えたものと分析される。

今年、政府は電気車全額補助金の対象車両価格の上限を5500万ウォン(約527万円)に引き下げる一方、支給額も800万ウォン(約77万円)から700万ウォン(約67万円)に減らすことにした。各地方自治体も補助金を減らす傾向を見せている。ソウル市の場合、昨年の最大400万ウォン(約38万円)から今年は200万ウォン(約19万円)に下がった。釜山市(プサンシ)も500万ウォン(約48万円)から350万ウォン(約34万円)に値切った。

政府が電気自動車の普及台数を増やすため、補助金の支給額を毎年減らしている状況で、来年に車を受け取る場合、補助金はさらに減らさざるを得ない。

半導体の需給難がなかなか改善の兆しを見せず、今年の電気車購入補助金も減っただけに、中古電気自動車の価格上昇はしばらく続く見通しだ。

業界関係者は「中古車価格の防御が容易になり、まず中古電気自動車を購入して使用し、後で転売しても大きな損害は生じないという消費心理も働いたようだ」と説明した。

乗用車だけでなく、貨物車でも電気自動車が強い。ケイカーによると、「ザ・ニューボンゴIIIトラックEV」、「ポーター2エレクトリック」などの1トン貨物トラックの場合、韓国製中古電気自動車のうち前月比相場上昇率がそれぞれ16.7%、15.2%と並んで1、2位を記録した。既存のディーゼル車種に適用される法的規制強化によって新車価格が約100万ウォン(約10万円)上昇し、ここに原油高による油類費の負担が作用したものと解釈される。

提供元・コリア・エレクトロニクス

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