サムスン電子がリードしているフォルダブルスマートフォン市場に、中国メーカーに続きグーグルまで参入し、市場が本格的に拡大するだろうという見方が出ている。韓国メディア「BUSINESSPOST」が報じた。(写真:ノ・テムンMX事業部長(社長)=BUSINESSPOST)
サムスン電子のノ・テムンMX事業部長社長はGalaxy Z Fold3で改善点として指摘された部分を補完し、超格差を広げることに集中するものとみられる。
20日、海外メディアやIT分野の専門家らの意見を総合すると、グーグルがフォルダブルスマートフォンの発売を諦めたというこれまでの観測とは異なり、今年第4四半期にフォルダブルピクセルフォンを発売するだろうという見方が大勢となっている。
ディスプレイアナリストのロス・ヤング氏は最近、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で「グーグルは今年第3四半期にフォルダブルパネルの供給を受け、早ければ10月からフォルダブルスマートフォンを発売できるだろう」と予測した。
ロス・ヤング氏は「グーグルのフォルダブルスマートフォンはGalaxy Z Fold3のような120Hz走査率のディスプレイが採用され、外部ディスプレイはGalaxy Z Fold3より小さい可能性がある」と付け加えた。
グーグルのフォルダブルスマートフォン市場への進出は、サムスン電子にとって嬉しいニュースになり得る。
現在、フォルダブルスマートフォン市場では、サムスン電子が約85%のシェアで圧倒的な位置を占めているが、まだ意味ある市場規模を作り出せずにいる。
サムスン電子が2019年、フォルダブルスマートフォンを初めて発売し、新しい市場を切り開いたが、2021年、世界に出荷されたスマートフォン約13億9110万台のうち、フォルダブルスマートフォンは1千万台足らずで、その割合は1%にも達していない。
しかし、中国のOPPOやファーウェイ、シャオミなどに続き、グーグルまでフォルダブルスマートフォンを発売すれば、市場そのものが早いテンポで膨らむ見通しだ。
グーグルが市場で占める割合は高くないが、直接フォルダブルスマートフォンを発売すれば、これに合わせたアンドロイド運営体制の変化で、市場拡大に肯定的な影響を与えるという見方が多い。
市場調査会社のカウンターポイントリサーチは、今年、世界スマートフォン市場でフォルダブルスマートフォンが占める割合が初めて1%台を超えると予測した。100人に1人がフォルダブルスマートフォンを使うことは、大衆化に向かう道で意味が大きいと思われる。
市場調査会社のカナリスは、フォルダブルスマートフォン市場が2021年から2024年の間に年平均成長率(CAGR)53%に達し、2024年には出荷量が3千万台を上回るという見通しを出したりもした。
さらに、2024年にはアップルも、フォルダブルスマートフォンを発売するものと見られる。最近IT専門メディア「フォンアリーナ」はコンセプトデザイナーのアントニア・ドロサが公開したフォルダブルスマートフォン「iPhone Air(仮称)」のイメージを公開し注目を集めた。

ノ・テムン社長は現在、フォルダブルスマートフォンで指摘されている弱点を早く補い、ライバルらの挑戦に立ち向かうものと見られる。
サムスン電子が2022年下半期に発売すると予想されるフォルダブルスマートフォン「Galaxy Z Fold4(仮称)」には、まずSペンが内蔵されるという話が出ている。従来のGalaxy Z Fold3は、Sペン機能を搭載したが、中に内蔵できる機能がなく、使用に不便を訴えるユーザーらが多かった。
IT専門メディアのフォンアリーナは「サムスン電子はGalaxy Z Fold4のSペン内蔵機能を主要販売ポイントと見ている」とし「2022年のGalaxyフォルダブルシリーズの出荷量は1300万台で、2021年(約900万台)より400万台程度増加するだろう」と見通した。
重さや厚さの問題も、ノ社長が解決しなければならない問題だ。
Galaxy Z Fold3は前作よりは改善されたが、重さが271グラム、折りたたんだ場合の厚さが14.4ミリ~16ミリに達する。10日に公開されたGalaxy S22プラスの重さが195グラム、厚さが7.64ミリという点を考慮すると、携帯性の面で依然としてかなりの弱点を持っているわけだ。
もし、次期Galaxy Z Fold4にSペンが内蔵されれば、重さや厚さがさらに増える可能性も排除できない。
フォルダブルフォンの真ん中に見えるシワやアンダーディスプレイカメラ(UDC)の実現が、まだ自然でないことも改善すべき要因となっている。アンダーディスプレイカメラとは、スマートフォンの画面でカメラを隠す技術を指す。
このうち画面のシワは、サムスン電子がある程度解決するものと見られる。
中国のOPPOが発売した初のフォルダブルスマートフォン「ファインドN」は、シワを広く広げ、肉眼ではほとんど見えず、触った時に確認できるほど改善された。
OPPOもサムスン電子のようにサムスンディスプレイからフォルダブルパネルの供給を受けるだけに、技術力が上を行くサムスン電子がより良い製品を出す可能性が高い。
サムスン電子は、Galaxy Z Fold3に初めて採用されたアンダーディスプレイカメラ(UDC)の改善点も見つけたと見られる。
従来のアンダーディスプレイカメラは、光の透過率を高めるため、ピクセル密度を下げたため、ディスプレイが自然でなく、カメラモジュールが位置しているところがまるで網戸のように見える現象が生じ、かえって気になるという反応も多かった。
サムスン専門メディアのサムモバイルは「サムスン電子はすでに第2世代アンダーディスプレイカメラ技術が採用されたOLEDパネル製造装備を使って改善されたパネルサンプルを作った」とし「次期製品はより滑らかなアンダーディスプレイカメラを使用できるだろう」と予想した。
ソフトウェアの側面も補完しなければならない。
フォルダブルスマートフォンは、従来のスマートフォンと画面の割合などが完全に異なり、アプリケーション互換性などが落ちるという点が常に指摘されている。
例えば、Galaxy Z Fold3は、ある画面でアプリケーションを見ても関係なく、全てのアプリのサイズを強制的に調整するようにしたが、そのため、インスタグラムでは一部の画面がカットされるなどの問題が発生したこともある。
アンバー・リオ・カナリス研究員は「フォルダブルスマートフォン市場の真の戦争はソフトウェアユーザーの経験から始まるだろう」とし「フォルダブルアプリの生態系がまだ最適の状態ではないため、ユーザーインターフェースと有能なソフトウェアに相当な投資が必要だ」と分析した。
提供元・コリア・エレクトロニクス
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