数あるトレーニングマシンの中でも背中のマシンはラット系、ロウイング系など種類が豊富。だからこそ、マシンの意図をしっかりと読み解いて適切な使い方をしなければ、例えば「広背筋下部を狙いたいのに大円筋に効いてしまう」なんてことにもなりかねない。ポイントは「軌道」「グリップ」「シート」「足の位置」。今回から、背中のトレーニングにおける最大限の効果を得るための方法を鈴木雅が解説する。
取材・文:藤本かずまさ 撮影:北岡一浩
ラットマシンにも多くの種類があり、シートの高さや滑車の位置によって効かせやすい部位が変化してくる。また、ハンマーストレングのマシンは軌道が決まっているため、シートの高さの設定で引き付けるポジションが変わってくる。ここではまず、ラットマシンのシートの違いについて解説する。また、シートの高さや軌道を自在に変えられるマシンも紹介しよう。
シート位置が高いラットマシン
シートが高い位置に設定されているマシン。滑車は頭の少し前の位置にある。動作時に大腿四頭筋に力が入り、バーを引いたときにはカカトが浮く。体があまり後ろには倒れず、肩甲骨が下がりづらく広背筋上部、大円筋に効かせやすい。
シート位置が低いラットマシン
シートの位置が低く、深く座れるタイプのもの。滑車は頭の真上あたりにある。動作時にハムストリング、殿部に力が入り、体を後ろに倒して引ける。肩甲骨を下げやすく、広背筋中部、下部に効かせやすい。
ラットプルダウンとチンニングの違い
ラットプルダウンとチンニングは動作が似ているため、同じ効果を得られる種目と考えられがちであるが、この2つには明確な違いが存在する。座って行うラットプルダウンは股関節が屈曲しているのに対し、チンニングは股関節が伸展した状態で行う。そのため広背筋は脊柱、腸骨上部にある起始部から動き、広背筋全体を収縮・伸長させやすい。
ハンマーストレングのシートについて
シートの高さを自由に設定できるハンマーストレングのマシン。効かせたい部位によってシートの位置を変えられる。フロントラットプルダウンの場合、シートを低く設定すると、肘を引き付ける位置が高くなるため広背筋上部、大円筋に効かせやすくなる。体もあまり後ろには倒れない。
広背筋中部、下部を狙う際のシートの位置。低く設定した写真と比較すると、体を後ろに倒せていることが分かる。
鈴木 雅(すずき・まさし)
1980年12月4日生まれ。福島県出身。身長167cm、体重80kg ~83kg。株式会社THINKフィットネス勤務。ゴールドジム事業部、トレーニング研究所所長。2004年にボディビルコンテストに初出場。翌2005年、デビュー2年目にして東京選手権大会で優勝。2010年からJBBF日本選手権で優勝を重ね、2018年に9連覇を達成。2016年にはアーノルドクラシック・アマチュア選手権80㎏級、世界選手権80㎏級と2つの世界大会でも優勝を果たした。DMM オンラインサロン“ 鈴木雅塾”は好評を博している。
執筆者:藤本かずまさ
IRONMAN等を中心にトレーニング系メディア、書籍で執筆・編集活動を展開中。好きな言葉は「血中アミノ酸濃度」「同化作用」。株式会社プッシュアップ代表。
提供元・FITNESS LOVE
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