官民が力を合わせて半導体用の超純水国産化に拍車をかけている。
環境部(ハン·ジョンエ長官)は16日、韓国水資源公社および韓国環境産業技術院とともに、半導体用超純水生産技術の国産化に向けた第一歩として「高純度工業用水(超純水)実証プラント着工式」を、SKシルトロン生産工場(慶尚北道亀尾所在)で開催したと明らかにした。韓国メディア「energydaily」が報じた。
超純水(Ultra Pure Water)は超微細回路(nano meter, 10-9m)で構成された半導体表面で各種副産物、汚染物などを洗浄するのに使われる必須工業用水だ。
超純水内に不純物がほとんどない状態(有機物0.01ppm以下)を維持しなければならない最高難易度の水処理技術が必要であり、現在世界的に一部の先進国だけが超純水生産技術を保有している。
これまで韓国の半導体企業では半導体用超純水な生産と供給を日本、フランスなど海外の技術に依存しており、輸出規制などの外部環境に非常に脆弱な状況であった。
また、半導体以外に電子、医薬、鉄鋼等の主要産業で使用される高純度工業用水分野の世界市場規模は、2024年に23兆ウォン(約2兆2261億円)規模まで成長すると見込まれる(2020年グローバルウォーターインテリジェンス報告書参照)が、このうち半導体用超純水市場は、全世界で約4兆4000億ウォン(約4259億円)、国内で1兆4000億ウォン(約1355億円)と推算される。
今回の着工式を皮切りに環境部傘下の公共機関(韓国水資源公社、韓国水技術認証院)と関連業界は2025年まで▲超低濃度有機物除去用紫外線酸化装置、▲超低濃度溶存酸素除去用脱気膜、▲高純度工業用水設計-施工-運営統合技術など高純度工業用水全般にわたる国産化研究を行う。
特に今回の実証プラントは、超純水生産技術を迅速に開発し性能を確認できるよう半導体素材生産企業のSKシルトロン工場内に設置、海外技術と国内技術を直接比較し、実際に超純水を供給して関連技術の実績を確保するという意味があるというのが環境部の説明だ。
水資源公社と研究開発参加企業は2025年までに1日2400トンの超純水を生産する実証プラントを設置·運営し、関連生産工程の設計·運営技術を100%、施工技術および核心機材を60%国産化することを目標にしている。
一方、今年5月、韓国政府は2030年まで510兆ウォン(約49兆3603億円)以上を投資し、半導体製造技術の超格差を維持するための「韓国型(K)半導体戦略」を発表している。
環境部もこの戦略の一つとして、半導体の品質に直結する工業用水であり核心素材である半導体用超純水生産技術の国産化を進めており、日本企業が主導する超純水市場に国内企業が進出する足場が設けられるものと期待される。
ハン·ジョンエ環境部長官は「先進国間の戦争に近い産業技術覇権競争を繰り広げている現状で独自の技術競争力を確保できなければ半導体供給網から疎外される可能性がある」とし「半導体の品質と直結する工業用水かつ核心素材であるにもかかわらず日本、アメリカ、フランスなど一部先進国にだけ依存してきた半導体用超純水生産技術の自立のため環境部が先頭に立つ」と述べた。
提供元・コリア・エレクトロニクス
【関連記事】
・韓国の双竜自動車が日本で販売?「ヒュンダイも撤退したのに…」 韓国紙が関心
・韓国がパワー半導体のSiC素材検査技術を国産化…「日本の半分のコストで開発」
・LGグループが日本法人社屋を約200億円で急遽売却へ
・米特許登録数 IBM1位、サムスン2位、LG3位、4位キャノン
・フォルクスワーゲンが韓国二社とのEV電池取引を打ち切りか…特許紛争に嫌気?