今後の展開

現状は過渡期で潜在化していないが、今後5年ないし10年で太陽光発電の大規模導入に成功した国は電気価格が、特に工業用で下がる可能性がある。

また工場に専用で電源供給する場合は、安定性が最も重要な精密加工では利用が難しいものの素材産業などとは親和性は高いと思われる。

現にUAEではアルミニウム精錬工場を建てて、太陽光発電所から安価な電力を供給する計画であり、既にBMWがそのアルミニウムの購入に前向けの姿勢を示している。

UAEもBMWもグリーンを強調しているが、本音は「安価な電力による安価なアルミの供給」だろう。このままでは我が国の産業競争力に不利になる懸念が大きい。

2021年世界の太陽光発電の入札価格を振り返る:日本との驚きの差
(画像=UAEの太陽光と太陽熱を使ったアルミ工場の想像図
出典:Gulf Business誌、『アゴラ 言論プラットフォーム』より引用)

文・黒木 昭弘/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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