弱毒化は本当?
オミクロン株は感染力が強く「急速に広まる傾向にある」ということがわかった。
では、
「ウイルスは変異するたびに弱毒化していく」
という部分は本当なのだろうか? 今回のオミクロン株にも当てはまるのだろうか?
まず、これまでの傾向を見てみよう。
日本における感染者数の推移は、先程のグラフで分かる。
新しい変異株が出るたびに一つの波が形成され、更にその波は大きなものになっているのが分かる。オリンピックの頃にやって来たデルタ株の第5波が過去最多の感染者数を記録したことは記憶に新しいところだ。
一方こちらが、新型コロナによる死者数のグラフ。
過去最大の感染被害だったデルタ株も、実は死者数は減少していたのだ。つまり、あのデルタ株さえ「弱毒化」していたということだ。
では、来たるべきオミクロン株はどうなのか?
ここで参考になるのは、やはり世界で最初にオミクロン株が流行し、すでに収束に向かっている南アフリカ。
その南アの感染者数と死者数のグラフがこちら。
南アフリカのデータを見る限り、オミクロン株の感染者数は過去最高まで増えたのに、死者数はほとんど増えなかったことがわかる。
もちろんこれから増える可能性もないことはないが、感染者数がすでに急速に減少しているので、前回の波(デルタ株)の死者数を上回るまで増えることはまずないだろう。
つまり、南アフリカのオミクロン株はデルタ株より「弱毒化」していたわけだ。
これは、同じく現在オミクロン株が席巻していて過去最大の感染者数を出しているイギリスでも同じ傾向だ。
もちろん、日本でも同じ様に「弱毒化」するかどうかはわからない。
ただ、日本でもデルタ株でさえ弱毒化していたわけで、また南アフリカやイギリスなどオミクロン株感染が先行している国でオミクロン株はデルタより弱毒化していることを考えると、日本のオミクロン株もかなり弱毒で広まっていく(逆に感染者数は増える)可能性が高い。
ということで、結論としては、
- ピークはいつ?→ ピークは1月末〜2月?
- 弱毒化は本当?→ 多分本当、でも逆に感染力は高まり感染者数は増える?
そのためにも、相応の医療体制が準備されてしかるべきだ。
では、それに備える我々の側の要因、「医療体制」の方はどうなっているのだろうか。
(後編に続く)
文・森田 洋之/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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