2月24日、ロシア軍がウクライナ共和国へ侵攻しついに戦争が始まった。戦争への危機はすでに数日前から世界中の株式市場に反映され、リスク回避で株式は売られ、金を始めとして商品相場が急騰している。ニューヨーク(NY)ダウは2月16日以来下げ続けている。その値動き(終値)を見てみると:
・2月16日:3万4934ドル (-54ドル)
・2月17日:3万4312ドル (-622ドル)
・2月18日:3万4079ドル (-232ドル)
・2月22日:3万3596ドル (-482ドル)
・2月23日:3万3131ドル (-464ドル)
・2月24日:3万3223ドル (+92ドル)
5日間下げ続けて、侵攻開始の当日である2月24日には下げ止まっている。当然予断は許さないが、ウクライナがNATO加盟国ではないので、余程のことがない限りNATO軍との軍事衝突は考えられず、ロシアの軍事侵攻は極めて限定的で、経済制裁の効果も限定的だという判断が市場を支配し始めているようだ。
いつものように日経平均(終値)もNYダウに追随している。
・2月17日:2万7232円 (-227円)
・2月18日:2万7112円 (-110円)
・2月21日:2万6910円 (-211円)
・2月22日:2万6449円 (-461円)
・2月24日:2万5970円 (-478円)
・2月25日:2万円6476円(+505円)
NYダウの「底値防衛線」である3万4000ドル、日経平均株価「防衛線」である2万6000円は割り込んでしまったが、これは「戦争」という異常事態が起こったのだからやむを得ないという見方が支配的なようだ。どうも今回のロシアのウクライナ侵攻は、クリミア併合(2014年3月)に続いてプーチンの「作戦勝ち&ゴネ得」に終わる可能性が出てきている。株式市場でのウクライナ危機はひとまず山場を越えたと見てよさそうだが、もちろん「戦争」という人知を超えた事態であり、予断は許さない。
文・三浦彰/提供元・SEVENTIE TWO
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